Amazon Web Services ブログ
内部から見たアマゾン文化:実験、失敗、そしてカスタマーオブセッション
本稿は AWSで小売業界の戦略をリードする Tom Litchford による記事です。
3年前に私が AWS に入社して以来、よく受ける質問は、Amazon の文化とイノベーションのスピードに関するものです。 人々が知りたいのは以下のようなものです。
- AWSで働くのはどのようなものか?
- Amazon はお客様の要望、ニーズ、期待にどのように迅速に対応するのか?
- どうすれば Amazon のようにイノベーションができるのか?
リーダーシップ・プリンシプルが我々の道標
Amazon は、Amazonian が日々志しているリーダーシップ・プリンシプル(LPs)のコアセットに従います。それらは私たちの文化に根付いており、私たちが大切にしている行動に導きます。最初の LP である Customer Obsession は非常にわかりやすいです。リーダーはお客様を起点に考え、逆算して行動します。リーダーはお客様から信頼を獲得し、維持していくために全力を尽くします。リーダーは競合に注意を払いますが、何よりもお客様を中心に考えることにこだわります。
私は小売業界で40年以上過ごしましたが、この Customer Obsession の原則は現実のものであると言えます。私たちの行動はすべてお客様から始まります。実際、私たちは異常なほどお客様を起点にものごとを考えます。競合他社を上回る製品を作ることに躍起になり、お客様が必要とするかどうかに関わらず商品の売り方を営業部隊に教育するような、これまでの仕事で私が慣れてきた古典的な製品開発とリリースプロセスを見ることはありません。 AWSでは、複数年のサイクルに渡ってバージョン1、バージョン2、バージョン3と製品表示する代わりに、年間を通じて多くの「ローンチ」を行っています。ローンチのアナウンスがない日は珍しく、私は6、7、または8つのローンチのアナウンスを受け取る日も多くあります。発表の大部分は既存のサービスの機能拡張ですが、200以上のサービスに新しいサービス追加もしています。
簡単に言えば、私たちが作り上げるものは、お客様の意見に直接基づいています。実際、機能拡張であっても、完全に新しいサービスであっても、私たちの日々の90%のリリースはお客様からのフィードバックによるものです。他の10%については、テクノロジーと業界のトレンドから推測したものと、カスタマージャーニーを観察し、くみ取ったものです。 AWS は先駆者と考えてください。私たちは、摩擦や欠陥を減らし、顧客体験を再発明するビルダーを採用します。これは、Invent and Simplify の LP のことを言っています。
私たちは長期志向です。私たち全員がお客様と長期に継続した関係を構築したいと考えています。また、長期的な関係に重点を置いているため、単一の取引だけに注視せず、お客様のために正しい行動をとります。例として、我々のアカウントマネージャーはお客様の支出を削減することを目標としていますし、私たちはAWSが2006年にリリースされて以来、継続的な値下げを実施してきました。
AWSで働くのはどのようなものか?
爽快です。 私がこれまで働いた、または見てきたどの会社とも180度違います。 そして、やりがいがあります。 毎朝目を覚ますたびに、日々緊張感を持ってお客様のビジネス上の課題を解決するために注力しています。
今では、customer obsession の背後にある文化は「独特」と言う人もいますが、確かに、私たちには独自のやり方があります。 ただし、要約すると、AWS は競合他社と一線を画す3つの重要な領域があります。
- DevOps 組織
- 次世代のアプリケーションアーキテクチャとプラットフォームにおける先駆的な仕事
- 失敗を受け入れること。実際、私たちは奨励しています。
AWS、および Amazon Consumer のような姉妹ビジネスユニットでは、DevOps チームはスピードを重視して構築されています。 我々は「2ピザ」チームと呼ばれる小さな分散型チームを持っており、チームは2つのピザで満足できるのと同じくらいの大きさということを意味します。彼らは高速で機敏であり、オーナーシップと自律性を持っています。自分たちが構築したものに権限を持ち、遂行します。これらのチームは、早期に頻繁に実験を行います。これは、私たちの先駆者精神において重要な要素です。アマゾンでは、たとえ失敗しても、オーナシップを持ち実験することが推奨されます。ジェフ・ベゾスは、この点を検証し、2015年の株主への手紙で次のように述べています。「私は、失敗するのに我々が世界で最高の場所であると信じています。失敗と発明は不可分な双子です。発明するためには実験をしなければなりません、そして、それがうまくいくことを事前に知っているならば、それは実験ではありません。」
次に、これらのチームに力を与えるには、急速な成長と変化をサポートするテクノロジー構造が必要です。これは、お客様の要望、ニーズ、期待に対する対処を妨げるモノリシックなアプリケーション構造を再考し、代わりにクラウドテクノロジーを採用することを意味します。マイクロサービス(特定のビジネス機能を実装し、強固な API を介して疎結合化された、目的別で独立したサービス群)への移行と、ビジネス問題毎にリレーショナルデータモデルを投じる古い IT 原則を廃止する必要があります。また、ビルダーが適切なツールを適切な仕事に利用できるようにする、ゲートキーパーのないセルフサービスプラットフォームも必要です。
そう…
(数千のチーム)X(マイクロサービスアーキテクチャ)X(継続的デリバリー)X(複数の環境)=年間数百万のデプロイメント
この方程式が示す例をあげます。Amazon.com において1,000を超えるマイクロサービスが構築されていますが、自律型2ピザチームによってサポートされ、必要に応じて毎秒更新することが可能であり、お客様のニーズに迅速に対応できる理由です。 この公式に従うことで、あなたもアマゾンのようにイノベーションをすることができます。
Andy Jassy による最高の要約
AWS CEO 当時の Andy Jassy は以下のように述べています:
私にとって最も重要なことは、競合の動向に焦点を合わせるのではなく、お客様の声に注意深く耳を傾けることです。 そして、ビルダーを解き放ち、お客様のために構築する能力を持つこと。 そして、絶えず繰り返し、絶えず実験し、顧客体験を進化させること。 これが、現在ビジネスを構築している私たちが、生き残るビジネスを構築するチャンスを得る唯一の方法です。 また、AWSのような、お客様に代わって顧客体験を進化させ、実験し、イノベーションする能力をビルダーに提供するプラットフォームはありません。
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翻訳は Solutions Architect 齋藤が担当しました。原文はこちらです。