Amazon Web Services ブログ

AWS Innovate 2020 : ハンズオンセッションで実践力を高めよう!

2020年3月10日 から開催している「AWS Innovate」をお楽しみいただいていますでしょうか?

AWS Innovate はグローバルでも人気のある「クラウド活用のための無償オンラインカンファレンス」です.今回は 2020年3月10日 から 2020年4月17日 までの「計39日間」毎日開催をしており,「計42個のセッション」を何度でも視聴可能です.参加申込みは簡単です!以下の申込みサイトにアクセスをしましょう.

 

先週に続き「AWS Innovate 2020 の見どころ」を紹介します.本記事も AWS テクニカルトレーナーの吉田慶章が担当します.先週の記事も合わせて読んでいただけると嬉しいです.

 

ハンズオンセッション

「AWS Innovate なのにハンズオン?」と驚かれるかもしれませんが,今回は3種類の「ハンズオンセッション」をご用意しています.セッションを視聴することも重要ですが,知識と実践を融合することで理解度をグッと高めることができます.今回は「ハンズオンセッション」の楽しさを紹介したいと思います.

  • サーバーレス入門ハンズオン – AWS Lambda と AWS AI Services を組み合わせてサーバーレスの世界を体験しよう!
  • システム管理で使えるデータ分析ハンズオン:システム構成情報の収集と可視化
  • 機械学習の知識・プログラミング不要!写真から異常部分を見つける外観検査の機械学習モデルを作ろう

 

見どころ 1. サーバーレスに入門しよう!

最初に「サーバーレス入門ハンズオン – AWS Lambda と AWS AI Services を組み合わせてサーバーレスの世界を体験しよう! (Lv.200)」を紹介します.本セッションでは,Amazon Comprehend や Amazon Transcribe など,AWS AI Services を使ったアプリケーションを構築できます.

実装するコードをダウンロードすることもできますが,本セッションはライブコーディングをしながら進んだり,ドキュメントを検索してスニペットを取得したり,現場さながらの開発プロセスをステップ・バイ・ステップに体験できます.視聴を止めて,写経しながら進めると理解度が高まり,達成感も得られるのではないでしょうか?

 

さっそく!私もハンズオンに挑戦してみました \( ・3・)/
(ハンズオンで作成したリソースの削除はお忘れなくお願いします)

 

ハンズオン 1 : ポジネガ分析

ハンズオン 1 の題材は「ポジネガ分析」です.入力した文章に対して「ポジティブなのか?ネガティブなのか?」を定量的な数値で表現する API を実装します.ハンズオンで使う代表的なサービスは以下となります.

  • Amazon API Gateway
  • AWS Lambda
  • Amazon Comprehend

 

実装が完了し,以下の文章を入力してみました.

Innovateは楽しいです

 

すると「Positive 78%」という結果でした!

  • Positive(肯定的) : 0.7847895622253418
  • Negative(否定的) : 0.00038976798532530665
  • Neutral(中立的) : 0.21481598913669586
  • Mixed(混在) : 0.000004646121851692442

 

今度は,以下の文章を入力してみました.

セッション動画を42本も視聴するのは大変です

 

すると「Negative 50%」「Neutral 47%」という結果でした!私の気持ちとしては「Positive 100%」なんですけども!笑

  • Positive(肯定的) : 0.020382169634103775
  • Negative(否定的) : 0.5085678100585938
  • Neutral(中立的) : 0.4710472524166107
  • Mixed(混在) : 0.0000027685587156156544

 

ハンズオン 2 : 文字起こし

ハンズオン 2 の題材は「文字起こし」です.入力した mp3 音源をテキストに書き出せるようにします.ハンズオンで使う代表的なサービスは以下となります.

  • Amazon S3
  • AWS Lambda
  • Amazon Transcribe

 

実際に以下の文章を録音してみました.

こんにちは!テクニカルトレーナーの吉田慶章(よしだよしあき)です!

 

以下に抜粋した結果を貼りました.リテイクをせず,1発勝負で挑戦しましたが,私の滑舌が致命的に悪すぎたようです(笑)とは言え,AWS AI Services を使って楽しく学べるのは満足度が高いのではないでしょうか?オススメです!

{
  "transcript": "こんにちは テクニカルトレーダー の 吉田 蒸し焼き です"
}

 

なお,関連するハンズオンも公開しています.ご活用ください!

 

見どころ 2. システム構成情報を可視化しよう!

次に紹介するのは「システム管理で使えるデータ分析ハンズオン:システム構成情報の収集と可視化 (Lv.200)」です.Amazon EC2 のインベントリ情報を AWS Systems Manager を使って収集し,最終的に Amazon QuickSight で可視化します.AWS の実践的な運用やデータ分析基盤の構築に入門したい方などにオススメです!ハンズオンで使う代表的なサービスは以下となります.

  • Amazon EC2
  • AWS Systems Manager
  • Amazon S3
  • Amazon QuickSight
  • Amazon Athena
  • AWS Glue

 

さっそく!私もハンズオンに挑戦してみました \( ・3・)/
(ハンズオンで作成したリソースの削除はお忘れなくお願いします)

 

ハンズオンを進めると,まず「AWS Systems Manager インベントリ」に構成情報を収集できます.地道に台帳管理をする必要はなく,またマニュアル操作によるドリフトで台帳と乖離してしまうなど,よくある課題もなく便利に使えます.

最終的には Amazon QuickSight で可視化します.今回は私がトレーニングのデモ環境として稼働させている環境も対象にしていますが,Amazon QuickSight のフィルタ機能で nginx をバージョンごとに可視化してみました.少し古めの nginx を発見することができ,バージョンアップすることにしました.自由に可視化を試せることもあり,実践的に学べるのではないでしょうか?

 

見どころ 3. プログラミングをせずに機械学習モデルを作ろう!

最後に紹介するのは「機械学習の知識・プログラミング不要!写真から異常部分を見つける外観検査の機械学習モデルを作ろう (Lv.200)」です.例えば工場での異常検知を自動化するなど,外観検査を行う機械学習モデルをプログラミングをせずに作ります.2019年12月にリリースされた Amazon Rekognition Custom Labels を試せる点も特徴的です.ハンズオンで使う代表的なサービスは以下となります.

  • Amazon S3
  • Amazon SageMaker Ground Truth
  • Amazon Rekognition Custom Labels

 

さっそく!私もハンズオンに挑戦してみました \( ・3・)/
(ハンズオンで作成したリソースの削除はお忘れなくお願いします)

 

ステップ 1 : 異常画像の準備

まずは,データセットを Amazon S3 にアップロードします.今回私は本セッションと同じデータセットを使いましたが,例えばペットの写真を撮影したり,公開されているデータセットを活用するなど,事前にデータセットを準備していただく必要があります.

 

ステップ 2 : ラベル情報の作成

次に,アップロードしたデータセットにラベル情報を付与していきます.今回は Amazon SageMaker Ground Truth のプライベートワークフォースを使います.以下のように写真に対して4種類あるラベル(赤色/青色/直線/曲線)を選び枠を囲っていきます.最初は楽しく進めていましたが,今回のデータセットは計200枚の写真があり,途中から心を無にして進めていました(笑)

 

ステップ 3 : 外観検査モデルの作成

最後は Amazon Rekognition Custom Labels を使って外観検査モデルを作成します.学習が終わり,AWS CLI で aws rekognition detect-custom-labels を実行し,特定の写真を指定すると,以下のような結果でした.

{
  "CustomLabels": [
    {
      "Name": "red curved",
      "Confidence": 70.64399719238281,
      "Geometry": {
        "BoundingBox": {
          "Width": 0.06789000332355499,
          "Height": 0.06210999935865402,
          "Left": 0.06322000175714493,
          "Top": 0.5072299838066101
        }
      }
    }
  ]
}

短時間で外観検査の機械学習モデルを作れました.実際にモデルを作り,推論を実行できるのはワクワクしますね!

 

まとめ

本記事では「「AWS Innovate 2020 の見どころ」を紹介する連載2回目として「ハンズオンセッション」を紹介しました.AWS Innovate の開催は 2020年4月17日 まで続きます.クラウド学習に AWS Innovate をご活用いただければと思います!

また来週お会いしましょう! (。・ω・)ノノノ

 


著者について

吉田慶章 (Yoshiaki Yoshida)
AWS トレーニングサービス本部 テクニカルトレーナー