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新しいAWS Well-Architected Machine Learning Lensの紹介

この記事は、「Introducing the new AWS Well-Architected Machine Learning Lens」を翻訳したものです。

AWS Well-Architected Frameworkは、お客様のワークロードをベストプラクティスと比較するための一貫したアプローチを提供します。また、どのように改善すべきかの指針も含まれています。

機械学習(ML)アルゴリズムは、データのパターンを発見および学習し、将来のデータを予測する数理モデルを構築します。これらのソリューションは、病気の診断の改善、環境保護、製品やサービスの変革など、生活に革命をもたらします。

MLモデルが正確な結果を出すためには、入力データの質が重要です。データは時間とともに変化するため、問題を継続的に検出し、修正し、緩和するためのモニタリングが必要です。これにより、精度とパフォーマンスが向上します。また、最新のデータを使ってモデルを再学習する必要がある場合もあります。

アプリケーションワークロードでは、順を追った手順に従って問題を解決していきます。一方、MLワークロードでは、アルゴリズムが反復的かつ継続的なサイクルでデータから学習します。今回、AWS Well-Architected Machine Learning Lensホワイトペーパーの全く新しいバージョンを発表します。このホワイトペーパーは、Well-Architected Frameworkを補完し、その上に構築することで、これら2種類のワークロードの違いに対応します。

このホワイトペーパーでは、クラウドやテクノロジーにとらわれない一連の確立されたベストプラクティスを提供しています。このガイダンスとアーキテクチャーの原則は、MLワークロードを設計する際に適用することができます。このホワイトペーパーには、これらのベストプラクティスをAWS上で実装するためのガイダンスとリソースも含まれています。

Well-Architected Machine Learning Lensの構成要素

このレンズには、4つのフォーカスエリアがあります。

  1. Well-Architected Machine Learning Design Principles – Well-ArchitectedなMLワークロードの基礎となる検討事項のセット。これらの設計原則は、ML Lensのベストプラクティス集の指針となります。
  2. Well-Architected Machine Learning LifecycleWell-Architected Frameworkを図1の機械学習ライフサイクルに統合したもの。
    • Well-Architected Frameworkの柱は以下の通りです。
      1. 運用上の優秀性
      2. セキュリティ
      3. 信頼性
      4. パフォーマンス効率
      5. コスト最適化
    • ML Lensで言及されている機械学習ライフサイクルのフェーズは以下の通りです。
      1. ビジネスゴールの特定
      2. MLの問題設定
      3. データ処理(データ収集、データ前処理、特徴量抽出)
      4. モデル開発(トレーニング、チューニング、評価)
      5. モデルデプロイ(予測、推論)
      6. モデルモニタリング
Figure 1. Well-Architected Machine Learning Lifecycle

図1. Well-Architected Machine Learning Lifecycle

Well-Architected ML LensホワイトペーパーWell-Architected Machine Learning Lifecycleのセクションでは、Well-Architected Frameworkの柱をライフサイクルの各フェーズに適用しています。

  1. クラウドやテクノロジーにとらわれないベストプラクティス – Well-Architected Frameworkの柱に沿った、各MLライフサイクルのフェーズにおけるベストプラクティス。それぞれのベストプラクティスには以下が付随しています。
    • 実装ガイダンス:各ベストプラクティスに対するAWSにおける実装計画を、AWSの技術やリソースを参照しながら提供します。
    • リソース:ベストプラクティスとその実装計画をサポートするリソースとして、AWSドキュメント、ブログ、ビデオ、コード例へのリンクをまとめています。
  2. MLライフサイクルのアーキテクチャー図 – 図2に示すように、ベストプラクティスの多くをサポートするプロセス、テクノロジー、構成要素を示しています。特徴量ストア、モデルレジストリ、リネージトラッカー、アラームマネージャー、スケジューラーなどが含まれています。これらのアーキテクチャー図を使って、さまざまなパイプラインテクノロジーを説明しています。
Machine Learning Lifecycle phases with expanded components

図2. 機械学習ライフサイクルのフェーズと構成要素の展開

どのようにWell-Architected Machine Learning Lensを利用すべきでしょうか?

Well-Architected ML Lensを使って、以下のことを行えます。

  • 情報に基づいた意思決定 – 新しいワークロードの設計を開始する前にベストプラクティスを確認することで、早期に計画を立て、十分な情報に基づいた意思決定を行う。
  • 迅速な構築とデプロイ – ベストプラクティスを使用して、MLライフサイクル全体にわたって新しいWell-Architectedなワークロードの構築をガイドする。
  • リスクの低減または緩和 – 既存のワークロードを定期的に評価し、潜在的な問題を早期に特定、緩和、対処する。
  • AWSのベストプラクティスを学ぶ – Lens内で提供されている実装プランを、AWS上でベストプラクティスを実装するためのガイダンスとして使用する。

まとめ

新しいWell-Architected Machine Learning Lensホワイトペーパーが公開されました。このレンズを利用して、MLワークロードが、運用上の優秀性、セキュリティ、信頼性、パフォーマンス効率、コスト最適化を念頭に置いて構築されていることを確認してください。

AWSのソリューションアーキテクチャーと機械学習コミュニティの皆様に感謝します。 皆様の貢献により、新しいAWS Well-Architected Machine Learning Lensを開発する上で、多様な視点、専門知識、経験を得ることができました。

翻訳はパートナーソリューションアーキテクトの本橋が担当しました。原文はこちらです。