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Amazon SageMaker での Apache MXNet 1.4 と Model Server のサポート

Apache MXNet は ディープニューラルネットワークのトレーニングとデプロイに使用するオープンソースの深層学習ソフトウェアフレームワークです。 データサイエンティストや機械学習 (ML) の開発者の多くが深層学習モデルの構築の際、その柔軟性と効率性から MXNet を好んで使用しています。 Amazon SageMaker では MXNet を含むすべての ML フレームワークとライブラリにおいて、カスタマーエクスペリエンスの向上に取り組んでいます。MXNet 1.4 の最新リリースでは、インターネット無料モードで MXNet コンテナを使用したり、Model Server for Apache MXNet (MMS) を使った深層学習モデルを推論用にデプロイしたりできるようになりました。

Model Server for Apache MXNet (MMS) は深層学習モデルを推論用にデプロイする作業を簡素化するオープンソースのツールセットです。MMS を使用すると、MXNet やその他のフレームワークモデルを簡単に、素早く、そして大きな規模で提供できます。詳細については、「Model Server for Apache MXNet v1.0 release」をご参照ください。

MXNet 1.4 の更新には、ネットワークの分離、Julia バインディング、実験的な制御フロー演算子、JVM メモリ管理、グラフの最適化と量子化、使いやすさの向上など、いくつかの新機能が含まれています。変更ログ情報については、「Apache MXNet (incubating) 1.4.0」をご参照ください。

Amazon SageMaker のトレーニングとデプロイ済み推論コンテナは、デフォルトでインターネットに対応しています。新しい MXNet コンテナを使用すると、インターネット無料モードでコンテナを使用できます。そのため、セキュアかつ隔離された環境内でトレーニングジョブを実行できます。 Amazon SageMaker をトレーニングまたは推論コンテナへの外部ネットワークにアクセスさせたくない場合は、トレーニングジョブやモデルの作成時にネットワークの分離を有効にできます。

MXNet 1.4 の更新には Python 3.6 のサポートが含まれています。そのため MXNet フレームワークでは、ディープニューラルネットワークを構築およびデプロイするときに Python 3.6 を使用できるようになりました。詳細については、「What’s New In Python 3.6」をご参照ください。

最新のリリースで、MXNet 用 Keras のバージョンが 2.2.4.1 になりました。 Keras 2.2.4.1 では、Keras 2.2.3 リリースで導入された API の完全性と API のユーザビリティの改善に加えて、バグやユーザビリティの修正が追加されています。リリースノートについては、Keras 2.2.4 GitHub リポジトリをご参照ください。

もう 1 つの更新は、ONNX の 1.4.1 リリースです。1.4.1 には大規模モデルのサポート、データを外部に保存する機能、制御フロー演算子を含む大きな機能がいくつか付属しています。さらに、C++ テストを有効にする ONNXIFI 用テストドライバも追加されました。

最適化した BLAS (Basic Linear Algebra Subprograms) ライブラリの OpenBlas は、MXNet 1.4 では使用できなくなりました。 新たに MXNet では、Intel ハードウェアで実行するとはるかに速い MKL pip パッケージを提供しています。

MKL BLAS ではモデルの計算負荷に応じて、可変範囲でパフォーマンスが向上しました。MKL DNN は BLAS ライブラリを内部で使用し、パフォーマンスを向上させるために MKLML または MKL とのリンクをサポートしています。詳細については、「Build/Install MXNet with MKL-DNN」をご参照ください。

Amazon SageMaker を開始する

ビルトインコンテナの新しい機能が強化され、Amazon SageMaker を利用できるすべての AWS リージョンでご使用いただけるようになりました。 Python SDK のバージョンを更新して、このリリースの MXNet と MMS を使用することをお勧めします。 これを行うには、次のコマンドを実行します。

pip install --upgrade sagemaker

Amazon SageMaker 内で設定済みコンテナを使用する方法の詳細については、「Amazon SageMaker で Apache MXNet を使用」をご参照ください。Amazon SageMaker で MXNet を提供するための Docker イメージの作成方法の詳細については、GitHub の「SageMaker MXNet Serving Container」のページをご覧ください。

 


著者について

Erkan Tas は、Amazon SageMaker のシニアプロダクトマネージャーです。人工知能を簡単に、アクセスしやすく、さらにスケーラブルにするという目標に取り組んでいます。彼は船乗りでもあり、科学と自然を愛し、囲碁をたしなみ、ストラトキャスターを奏でることもあります。