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ワシントン・ポストが Amazon Polly の声を使った音声記事を配信開始

AWS は、The Washington Post (以降同紙)が同紙の全てのウェブ・モバイルプラットフォームと Amazon Polly を統合し、テクノロジー関連の記事を始めとする記事への音声アクセス提供開始したことを発表できることを嬉しく思います。Amazon Polly は、テキストをリアルな音声に変換するサービスで、音声を発するアプリケーションを作成したり、全く新しいカテゴリの音声対応製品を構築することが可能です。同紙の購読者は多忙な生活を送っており、ニュースを読む時間も限られています。そんな同紙の世界レベルの文章によるジャーナリズムを音声で利用できるようにし、読者が他のことをしながら聞くなど、最新ニュースを入手する便利な方法を提供することが目的です。

同紙の発表で、編集長の Kat Down Mulder は次のように述べています。「マルチタスクをしながら記事を聴く場合でも、散歩をしながら引き込まれるような物語に没入する場合でも、音声はより便利な方法で我々のジャーナリズムと関わる新しい機会を提供します。昨年は、当社のアプリで音声記事を聴いた読者が、当社のコンテンツに 3 倍以上長くエンゲージメントしている傾向が見られました。私たちは、音声へのコミットメントをさらに強化し、この分野で迅速かつ大胆な実験を行う予定です。Amazon Polly を当社の出版エコシステムに完全に統合することは、読者にこの強力な利便性を大規模に提供すると同時に、当社の購読者と読者に当社すべてのプラットフォームで高品質で一貫した音声体験を保証する大きな一歩です。」

Amazon Polly を同紙の出版ワークフローに統合することは、簡単で分かりやすいものでした。記事の公開準備が整うと、コンテンツ管理システム(CMS)がテキスト記事を公開し、同時にテキストを音声 CMS に送信します。音声 CMS では、記事のテキストを Amazon Polly で処理し、記事の音声データを作成します。音声は mp3 として配信され、記事の文章部分と一緒に公開されます。

図1:Washington Post の記事制作のハイレベルアーキテクチャ

昨年、同紙は iOS と Android OS に搭載されている音声合成機能、アクセシビリティ機能を使った記事ナレーションのテストを開始しました。しかし、音声がロボット的であるとの指摘がありました。同紙は他の選択肢のテストを開始し、最終的に高品質な自動音声を提供する Amazon Polly を選択しました。「私たちは、人間の声と自動音声の両方に対するユーザーの反応をテストし、Amazon Polly の提供するサービスに高い満足度があることを発見しました。また、Amazon Polly を当社の出版ワークフローに統合することで、プラットフォーム間で一貫した視聴体験を提供し、購読者が喜ぶような新しい機能を試すことができます」と、同紙のシニアプロダクトマネージャー、Ryan Luu は述べています。

今後数ヶ月の間に、同紙は新しいセクション、新しい言語、より良いユーザビリティのために音声サポートを追加する予定です。「より多くの再生コントロール、聞き取りながらのテキストハイライト、スペイン語記事の音声バージョンなどの新機能を導入する予定です」と Luu 氏は語ります。「また、読者がオーディオプレイリストを作成する機能を提供し、読者が興味のあるストーリーをキューに入れ、外出先でそのコンテンツを簡単に楽しめるようにしたいと考えています。」

Amazon Polly は、Gannett(USA Today の出版社)、The Globe and Mail(カナダ最大の新聞社)などのメディア出版社や、BlueToad、Trinity Audio などの大手出版社のニュース記事への音声アクセスを強化するテキスト読み上げサービスです。さらに、Amazon Polly は、教育、ヘルスケア、ゲームなど他の分野でもコンテンツに声を与えるために、さまざまな言語とペルソナで自然な響きの音声を提供します。(訳注:日本語でも自然な響きの音声の機能 Neural TTS が利用可能です)

詳しくは、Amazon Polly とはをご覧いただき、Amazon Polly コンソールにログインして無料でお試しください。同紙の新しい音声記事を体験するには、以下の記事から聞くことができます。

Did you get enough steps in today? Maybe one day you’ll ask your ‘smart’ shirt.

翻訳はソリューションアーキテクト 前川 泰毅 が担当しました。原文はこちらです。