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Amazon EFS で可用性と耐久性の高いデータベースバックアップワークフローを実現

データベースのバックアップおよび復元ワークフローの一部として使用するストレージを決定するには、フォーマットのコンプライアンスから、スケーラビリティ、データの可用性と耐久性、コストまで、複数の要因を考慮する必要があります。 Amazon Elastic File System (Amazon EFS) は、AWS クラウドサービスおよびオンプレミスリソースで使用するための、シンプルでスケーラブルで弾力性のある完全マネージド型の NFS ファイルシステムを提供します。Amazon EFS は、データベースワークフローをバックアップするための効果的なソリューションです。バックアップサイズの変更に応じてペタバイト単位で拡張可能な、POSIX 準拠の完全マネージド型のファイルストレージを提供します。また、復元に必要な可用性と耐久性を、わずか 1 か月 0.08 USD/GB の実効料金* で設定します。このブログでは、データベースバックアップワークフローで EFS を使用する際の考慮事項とベストプラクティスを紹介します。

*米国東部 (バージニア北部) リージョンの価格で、ストレージの 80% が EFS Infrequent Access にあると仮定

データベースバックアップワークフローに Amazon EFS の使用を検討する必要がある理由

多くの場合、データベースワークフローは、バックアップ用の POSIX 準拠のファイルストレージの恩恵を受けています。ストレージは、変化するニーズに合わせてスケールアップとスケールダウンする必要があり、緊急時の復元をサポートするために可用性と耐久性が高い必要があります。Amazon EFS は、これらのすべての機能を提供し、1 か月 1 GB あたり数ペニーの実効料金で、インフラストラクチャをプロビジョニングおよび管理する必要がありません。

ストレージインターフェイス

まず、データベースで適切に機能するストレージインターフェイスのタイプを検討する必要があります。ほとんどのバックアップソフトウェアはファイルへのバックアップの書き込みを標準でサポートしているため、多くのお客様はデータベースのバックアップに Amazon EFS を使用しています。つまり、EFS ファイルシステムをデータベースにマウントし、EFS のパスにバックアップするだけです。さらに、ほとんどのデータベースは、POSIX 準拠のストレージをデフォルトでサポートしています。EFS は POSIX 準拠の共有ファイルストレージを提供しますが、他のストレージオプションでは、バックアップと復元を有効にするために特別なコードを作成する必要があります。

可用性と耐久性

また、バックアップに必要な可用性と耐久性も考慮する必要があります。お客様は、バックアップの最初の数週間以内にデータを復元することがよくあります。したがって、信頼できるが、パフォーマンスの高いターゲットを持つことが重要です。時間枠は企業によって異なる可能性がありますが、Amazon EFS のデータに対して 2~4 週間の保持ポリシーを使用したワークフローが数多くあります。データが必要な場合、災害復旧のためにデータがすぐに必要になることがよくあります。つまり、ストレージの可用性と耐久性を高める必要があります。EFS は、複数のアベイラビリティーゾーンにデータを保存することにより、高い可用性と耐久性を提供します。ゾーンは、独自の電源インフラストラクチャを備えた完全に分離されたパーティションで、有意な距離で物理的に分離されています。その距離は、他のゾーンから何キロメートルも離れていますが、すべてのゾーンは 100 km (互いに 60 マイル) 以内です。また、すべてのアベイラビリティーゾーンは、高帯域幅で低遅延のネットワークと相互接続されており、完全冗長の専用メトロファイバーを介して、ゾーン間で高スループットで低遅延のネットワークを提供します。複数のゾーンにまたがって保存することにより、単一のデータセンターに影響を与える可能性のある問題からデータが保護されます。

バックアップのサイズ

さらに、バックアップのサイズは時間とともに変化する可能性があるため、多くの企業がオンデマンドニーズに対応してコストを最適化するためには、ストレージの弾力的なスケーラビリティが重要です。Amazon EFS は、アプリケーションを中断することなく、リクエストに応じてペタバイトまで柔軟に拡張できます。ファイルを追加および削除すると、使用量を自動的に拡大および縮小できるため、容量をプロビジョニングおよび管理する必要がなくなります。さらに、これは、ストレージボリュームの管理の複雑さを排除し、必要なものだけを支払うという別の利点もあります。

費用

ワークフローの次のステップとして、多くの企業は、アクセス頻度の低いストレージオプションにバックアップを移動し、データが必要になる可能性が低くなるとコストを最適化することを選択します。一部のワークフローはここで停止するか、データ保持ポリシーに基づいてコストをさらに最適化する可能性があります。長期のデータ保持ポリシーのため、バックアップをよりコールドストレージ層に移動するワークフローがいくつかあります。たとえば、規制対象企業は、データを最大数年間保持する必要がある場合があります。 Amazon EFS Infrequent Access (EFS IA) は、毎日アクセスしないファイルに対してコスト最適化された価格/パフォーマンスを提供するストレージクラスであり、ストレージ価格は Amazon EFS Standard と比較して最大 92% 低くなっています。EFS IA ストレージクラスのコストはわずか 1 か月 0.025 USD/GB* です (*米国東部 (バージニア北部) リージョンの価格) EFS ライフサイクル管理ポリシーを使用すると、データを EFS IA に簡単に移行できます。ニーズに合ったライフサイクルポリシーを選択するだけで、EFS は EFS Standard ストレージクラスから低コストの EFS IA ストレージクラスにファイルを自動的に移動します。

ライフサイクルポリシーは、そのファイルへ最後にアクセスがあった日時に基づいて Amazon EFS Standard にデータを保持する時間を定義します。指定された期間ファイルにアクセスしなかった場合、EFS IA ストレージクラスに移動します。EFS は両方のストレージクラスのデータを透過的に提供するため、データがどのストレージクラスにあるかを管理する必要はなく、古いバックアップのコストを自動的に節約できます。コストを最適化するために他のストレージオプションを使用できますが、単一の透過的な POSIX インターフェイスは提供されず、バックアップを他のストレージ層に移動し、復元のためにアクセスできるようにするために特別なコードを作成および維持する必要があります。

データを暗号化できますか?

Amazon EFS を使用すると、送信中のデータと保存中のデータの両方を暗号化できます。AWS またはお客様のいずれかが管理するカスタマーマスターキー (CMK) を使って、ファイルシステムを作成するときに、保存データの暗号化を有効にすることができます。転送中のデータの暗号化は、接続ごとに設定されます。

どちらのパフォーマンスモードを使用すればいいですか?

Amazon EFS には、汎用と最大 I/O の 2 つのパフォーマンスモードがあります。お客様はどちらのオプションも使用しています。ただし、多くのデータベースでは、バックアップおよび復元操作に単一のクライアントを使用し、より低いメタデータ操作を対象としています。これは、汎用 (GP) モードに適しています。

どちらのスループットモードを使用すればいいですか?

どちらの Amazon EFS スループットモードを使用するかを検討する際、バックアップまたは復元するデータの量と予想される頻度を考慮する必要があります。ほとんどの場合、お客様は標準の Bursting Throughput モードで Amazon EFS を使用しています。これは、通常 1 日に 1 回または 2 回だけバックアップを行い、最大 250 MB/秒をサポートできる単一のクライアントを使用しているためです。Bursting Throughput モードでは、標準ストレージクラスに格納されているファイルシステムデータが増加するにつれて、Amazon EFS のスループットが増加します。通常、バックアップはスパイク状であり、短時間で高レベルのスループットと、それ以外の時間では低レベルのスループットになっています。これに対応するために、Amazon EFS は一定期間、高スループットレベルにバーストするように設計されています。

Amazon EFS はクレジットシステムを使用して、ファイルシステムがいつバーストするかを判断しています。各ファイルシステムは、標準ストレージクラスに格納されているファイルシステムのサイズによって決定されるベースラインレートで、時間の経過とともにクレジットを獲得します。ファイルシステムは、データを読み書きするたびにクレジットを使用します。ベースラインレートは、ストレージの TiB あたり 50 MiB/秒です (ストレージの GiB あたり 50 KiB/秒に相当)。ファイルシステムを最大限に活用する場合は、追加料金を支払ってプロビジョンドスループット (PT) で 250 MB/秒をプロビジョニングできます。これは、単一のクライアントバックアップで駆動できる量です。ストレージで 250 MB/秒を超える速度でドライブできる場合、PT の追加料金は発生しません。

要約すると、Amazon EFS はデータベースワークフローをバックアップするための効果的なソリューションを提供します。バックアップサイズの変更に応じてペタバイト単位で拡張可能な、POSIX 準拠の完全マネージド型のファイルストレージを提供します。また、復元に必要な高可用性と耐久性も備えています。何よりも、このソリューションは、インフラストラクチャをプロビジョニングおよび管理する必要なく、1 か月 1 GB あたり数ペニーの実効料金を提供します。データベースバックアップワークフローまたはその他に関係なく、Amazon EFS をどうお使いになったかご意見をお寄せください。