Amazon Web Services ブログ

週刊AWS – 2023/9/25週

みなさん、こんにちは。AWS ソリューションアーキテクトの小林です。

今週号は各サービスの対応リージョン拡張のニュースが凄く多かったのですが、何よりも注目すべきはAmazon Bedrockの一般利用開始ですね。生成系AIアプリケーションにおいて大規模言語モデルや基盤モデルは中核をなすものですが、それ自体を安定的に稼働させ続けたり負荷に応じてスケーリングさせることが重要です。また、用途に応じたモデルを自分たちのデータを利用してカスタマイズするファインチューニングすることが必要になることもあります。こういった用途にあわせて開発されたサービスがAmazon Bedrockですので、ぜひ詳細を確認してみてください。

それでは、9 月 25 日週のアップデートを振り返ってみましょう。

2023 年 9 月 25 日週の主要なアップデート

  • 9/25(月)
    • Amazon EC2 Serial Consoleが大阪ほか10のリージョンでご利用可能に
      オンプレミスのハードウェアを触ってきたエンジニアの方にとっては懐かしく感じるかもしれませんが、Amazon EC2ではシリアルコンソールにアクセス可能です。このシリアルコンソールへのアクセス機能が大阪リージョンをはじめ11のリージョンでご利用いただけるようになりました。
  • 9/26(火)
  • 9/27(水)
    • Amazon S3で削除マーカーに対する最終更新日時を提供開始
      Amazon S3でHead/Get APIをリクエストした際に、削除マーカーの最終更新日時(Last-Modified Time)情報を取得できるようになりました。バージョニングが有効になっているバケットでは、オブジェクト削除を行うとデータが物理的に削除される代わりに削除マーカーが作成され、削除されている状態を論理的に表現します。この削除マーカーの最終更新日時が取得できるようになったということは、データ削除が行われた日時を容易に追跡できるようになった事を意味します。バケット内で発生した変化をトラッキングする必要がある場合に便利な機能です。
    • Amazon EC2 Instance Connectが大阪リージョンほか10のリージョンで利用可能に
      いわゆる踏み台サーバを利用することなく、パブリックなIPアドレスを持たないインスタンスへのSSH/RDP接続を可能にするEC2 Instance Connectが、大阪リージョンをはじめ11のリージョンで利用できるようになりました。
  • 9/28(木)
    • Amazon Bedrockが一般利用開始に
      基盤モデルを利用した生成系AIアプリケーションを簡単に開発・スケーリングできるようにするためのサービス、Amazon Bedrockが一般利用開始になりました。様々な用途に合わせてAI21 Labs, Anthropic, Cohere, Meta, Stability AI, Amazonなどが提供する基盤モデルから最適なものを選択し、APIを利用してアプリケーションから呼び出すことで、アプリケーションの開発や運用維持を容易に実現します。ブログ記事料金設定のページもご覧ください。
    • Amazon Titan Embeddingsが一般利用開始に
      自然言語テキストを数値表現に変換する埋め込みモデルであるAmazon Titan Embeddingsが一般利用開始になりました。単語やフレーズ、ドキュメントなどの自然言語を利用して、意味的な類似性に基づいて検索したりパーソナライズする際に利用でき、検索拡張生成(RAG)という生成系AIアプリケーションで利用されるアプローチにも応用可能です。Titan Embeddingsは25の言語をサポートしています。
    • Amazon QuickSightのGenerative BI機能によるダッシュボード作成がプレビュー可能に
      Amazon QuickSightで3つのGenerative BI(生成系BI)機能をプレビューできるようになり、自然言語で指示することで求める出力結果を得ることができるようになりました。ひとつめはどのように可視化したいかを指示できる機能。ふたつめは複雑な計算を実行する機能。みっつめはダッシュボード上のグラフなどの見た目を調整する機能です。ちなみに、QuickSightのGenerative BI機能はAmazon Bedrockを利用して構築されています。
    • Amazon SageMaker Canvasによる予測が最大50%高速に
      コード開発不要で機械学習による予測を可能にするAmazon SageMaker Canvasで、精度とパフォーマンスを向上するためのアップデートが行われました。予測モデルの作成が最大50%高速になり、同時にモデルを利用した予測処理も最大45%高速になりました。
  • 9/29(金)

ソリューションアーキテクト 小林 正人 (twitter – @maccho_j)