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あなたのクラウドキャリアの始め方:Blog #3 – プレゼンテーションスキルの洗練

このブログは 2021 年 7 月 9 日に Shefali Emmanuel (Associate Solutions Architect) と Carole Suarez (Startup Solutions Architect) によって執筆された内容を日本語化したものです。原文はこちらを参照してください。

著者コメント:この記事は、AWS のクラウド技術職への応募に興味を持っている大学生、大学院生、第二新卒の方々に向けて書かれたものです。特に AWS のアソシエイトソリューションアーキテクト、アソシエイトテクニカルトレーナー、アソシエイトテクニカルアカウントマネージャー、アソシエイトカスタマーソリューションマネージャー、アソシエイトプロフェッショナルサービスコンサルタントのポジションに興味を持つ人に最適な記事です。

シリーズ第三弾、そして、シリーズの最後を飾るこの記事では、あなたの立ち振る舞いやプレゼンテーションスキルに関連する、技術職の採用面接に合格するためのベストプラクティスを紹介します。AWS の技術職に求められるスキルや能力 (blog #1)、採用面接のための準備方法 (blog #2) については、これまでのブログで解説しました。プレゼンテーションスキルは、どのような職業においても重要ですが、顧客と直に接するポジションにおいては特に重要となります。そして、本シリーズで取り上げてきた全ての AWS の技術職は、お客様と直接関わる機会を持ちます。心の中に Andy Jassy (訳注:AWS の元 CEO で、現在は Amazon の社長兼 CEO ) を思い描きながら、面接のための準備を進めましょう。

面接に向けたプレゼンテーション練習

どの技術職の採用面接においても、複数のサービスや機能から構成される特定の課題への解決策を含む、技術的な内容についてプレゼンテーションすることが期待されます。ホワイトボードを使った説明やプレゼンテーションを通して、複雑で専門的な課題に対してあなたが取ったアプローチを、分かりやすく説明することが重要になります。また新しく学んだことや、あなた自身の成長につながったような経験を共有することが求められる場合もあります。コミュニケーション能力、チームワーク、時間管理能力など、あなたが志望するポジションで成功するために必要な能力を持っていることを説明できるように準備しておきましょう。

前回のブログでは、自分の経験談を声に出して説明する練習をしてもらいました。今回は、技術的な話題について話す練習をしていただきたいと思います。家族、同僚、友人などに協力してもらい、他人からのフィードバックがもらえる環境で練習することを検討してください。一人で練習する場合は、鏡に向かって練習するのが良いでしょう。具体的には、以下のような形式で準備することをオススメします。

下記の内容を含む 30 秒の自己紹介を練習します。

  • 名前
  • 職歴や技術的な資格・能力についての簡単な紹介
  • あなたを際立たせる特徴(例:5ヶ国語が話せる、過去半年間で 2つのAWS認定資格を取得したなど)
  • 自己紹介の後に会話を続けるための質問(例:何に情熱を注いでいるのか?など)

下記の構成を意識しながら、あなたが強く興味を持っている技術トピックについて 2 分間で説明する練習をします。

  • 相手の興味を惹くための「つかみ」となるような、技術トピックの概要を話す
  • プレゼンテーションのメインに移り、そのトピックを詳しく理解してもらうための 3 つのポイントを提示する
  • 最後に、具体的なユースケースと、そのトピックについてもっと深く学ぶための場所や方法を伝える

あなたの選んだ技術トピックを理解するための専門的なバックグラウンドを持たない友人や家族に対して説明するつもりで、練習を繰り返してください。また、プレゼンテーション時間を 15 分 ~ 20 分に延ばし、1 枚の図を使ってそのコンセプトを説明するように練習してください。この練習は、トピックの核となる要素をどのように説明すれば、どんな聴衆にも理解してもらえるようになるかを学ぶための助けになります。

少なくとも 2 人の異なる人に協力してもらえば、もっと詳しく説明しなければならない部分や、簡略化してもよい部分があるかを確認することができます。明確でなかったところや、分かりにくかったところを聴衆に指摘してもらうことで、プレゼンテーションを改善し、引き締めることができます。技術的なバックグラウンドに関係なく、誰にでも、そのトピックを説明できる自信がつくまで練習を続けてください。そして、プレゼンテーションの長さを把握するために、必ず時間を計ってください。

上記の練習に取り組みながら、聞き手のこと、内容の構成、話し方やボディランゲージによるプレゼンの伝え方について考えてみましょう。そして、友人にフィードバックを求めてみましょう。

  • プレゼンテーションは明確、かつ、簡潔なものになっていますか? 相手に聞いてもらいたい重要な情報を何度も繰り返すことは重要です。しかし、繰り返しすぎるのも混乱を招くので注意が必要です。
  • プレゼンテーションの内容はどれくらい魅力的ですか? 万人にとって面白い話題でなかったとしても、どうすれば面白くなるか、あるいは聞き手の関心を引き続けることができるかを考えてみましょう。
  • プレゼンテーションは分かりやすい流れになっていますか? 明確な導入から、論理的な情報の流れに繋がり、しっかりとして結論で締めくくられるのが理想的です。
  • プレゼンテーション全体が意味をなすものになっていますか? 聞き手があなたの話す内容を理解し、関連づけられるように、比喩を使うことを検討してください。

話すスピードや、声のトーン、テンションの高さを意識すると共に、ボディランゲージで自信を示すことも大切です。下記のような質問を自分に問いかけてみましょう。

  • 話のスピードは適切ですか? 必要に応じて、話すスピードを抑え、はっきりとした発音を心がけてください。練習相手や面接官は、あなたの話をそこまで早く処理することはできません。興奮したり、緊張したりすると、早口になってしまうことがあります。その対処法や、一度立ち止まって、ひとつ呼吸を置くことです。これは特別なことではなく、聞き手も理解してくれるはずです。また「量より質」という言葉を忘れないでください。
  • 言葉遣いは適切ですか? ビジネスプロフェッショナルとしての言葉遣いを心がけながらも、自分らしさを自然に表現し、好きな話題についてワクワクしながら話すことが重要です。くだけた話し言葉を使わないようにしましょう。略語や聞き慣れない単語がある場合は、必ず相手に説明するようにしましょう。
  • 自信があることをどのように表現しますか? あなたが自信に満ち溢れているときのことを考えてみてください。そして、そのような瞬間を体現してみてください。面接の中では、笑顔、アイコンタクト、ポジティブな姿勢を示すことで自信を表現できます。

「分かりません」と言う技術

採用面接の目的は、あなたが応募先のポジションで成功するかどうかを確かめる質問によって、あなた自身のことをよく知ってもらうことにあります。あなたは、情報セキュリティに精通し、データベースを使った経験があるかもしれませんが、Webアプリケーションを開発したことはないかもしれません。それで良いのです。もしあなたがすべての質問に答えられなかったとしても、落ち込む必要はありません。各自が持っている知識の幅や深さはそれぞれ異なるものです。質問の答え方に迷ったときのヒントを、以下で紹介します。

  • 「分かりません」と言った後には、面接官へ自分が知っている事柄を話し、それが質問されているトピックと関連しているかどうかを尋ねましょう。「私はそのトピックには詳しくありません。しかし、<関連するかもしれないトピック> については詳しくお話することができます」と面接官へ伝えましょう。
  • 採用面接が終わった後に、答えられなかったトピックについて調べようと思っていたことや、どのように調べるかについて、面接官に話すのはやめましょう。私たちは、学習に対するあなたの姿勢を見たいと思っていますが、答えられなかった質問があるたびに、そのような発言が続くと、面接官の時間を奪うことになります。
  • 質問には簡潔に答えるようにしましょう。もしそのトピックに関連することを何も知らないのであれば、面接官にそう伝えて、次のトピックに移ってもらうようにする方が良いでしょう。

数日あるいは数週間かけて、上記の練習に取り組むことをオススメします。Andy Jassy が言うように「経験を圧縮するためのアルゴリズムは存在しない」のです。面接の前日に全てを詰め込むのではなく、自分のペースで継続的に活動した方が良い場合が多いのです。あなたは、学校、仕事、その他の責任を負っているかもしれません。自分のことは自分が一番よく分かっているはずなので、やるべきことに優先順位をつけながら、手を抜かずに練習に励んでください。

非常に刺激的なクラウド技術職に就くための、最高のヒントがここには用意されています。このブログシリーズから、少しでも多くのことを学んでいただければ幸いです。そして、クラウドに対する好奇心を持ち続け、学習を継続し、自分のキャリアや機会について野心的に考え、あなたが次に実現するイノベーションは何かについて思考を巡らせましょう!

その他のリソース

この記事の翻訳は、プロフェッショナルサービス本部の幾谷吉晴が担当しました。