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週刊生成AI with AWS – 2024/10/14週

みなさん、こんにちは。AWS ソリューションアーキテクトの小林です。

7月下旬の発表以来、たくさんのお客様にお申し込みを頂いた「AWSジャパン生成AI実用化推進プログラム」ですが、一部のお客様からもう少し準備に時間が欲しいというフィードバックを頂いています。それを受けて申込み締め切りを11月22日まで延長しました。生成AIによる課題解決に取り組みたいと考える方は、ぜひご検討ください。

業界特化のイベントも色々企画しています。今週木曜日、10/24には「【流通小売/消費財/EC 企業向け】クラウドと生成AI によるオペレーション改革」というオンラインイベントを開催します。ユーザ企業さんの成功事例を軸としたコンテンツ構成になっていますので、該当する業界の方は(それ以外の方も参考になるかも?)必見です。

それでは、10 月 14 日週の生成AI with AWS界隈のニュースを見ていきましょう。

さまざまなニュース

サービスアップデート

    • Amazon Q in AWS Supply Chainを発表
      AWS Supply Chainが持つサプライチェーンの諸情報を分析し、運用上・財務上のインサイトを提供するとともに、ユーザからの質問に回答する生成AIアシスタント、Amazon Q in AWS Supply Chainがご利用頂けるようになりました。「この製品の今後2ヶ月の需要予測は?」といった質問を(現時点では英語で)投げると、Amazon Qがデータを分析して予測数値とその根拠を提示する、といった形でデータ分析に習熟したエンジニアやアナリストの支援を待たずに、サプライチェーンの現状について掘り下げることを可能にします。本ブログポスト執筆時点では、バージニア、オレゴン、シドニー、フランクフルト、アイルランドのリージョンでご利用頂けます。
    • Amazon Q Businessを独自アプリケーションに組み込み可能に
      WebアプリケーションにAmazon Q Businessによる生成AIアシスタントを埋め込むことができるようになりました。アプリケーションデータや技術資料、ウェブサイトのコンテンツなどをインデックス化しておくことで、エンドユーザに対してAIアシスタントを利用して質問への回答を得たり、情報を要約したりといった機能を容易に提供できます。データはワークフロー全体で分離され、第三者へ公開を防ぐ仕組みとなっており、Amazon Q Businessのセキュリティ・プライバシー機能を継承しているため、エンドユーザ向けの権限制御を再実装する手間を省くことにもつながります。
    • Amazon Q Businessでメタデータを使用した検索精度向上が可能に
      Amazon Q Businessはデータソースコネクタを利用して様々なデータソースのデータを取り込んで検索対象とすることが可能です。今回、Amazon Q Businessがコネクタメタデータを利用してより高精度な情報検索を行えるようになりました。例えば、あるユーザが2024年9月に作成したドキュメントを抽出する、といった処理を実行する際は、データのメタデータとして作成者や作成日の情報を使う事が可能になり、より意図に沿った結果を出力できるようになります。
    • Amazon Bedrock AgentのConversational Builderを発表
      Bedrock Agentの構築に利用できるチャットインタフェースを提供する新機能、Conversational Builderを発表しました。これを利用するとエージェントの開発をサポートするアシスタントとチャットで会話するという形式で、エージェントの開発を行うことができます。従来の手動構成よりも簡潔にプロトタイプが作成できますので、ぜひお試しあれ。
    • Amazon Bedrock Model Evaluationがインポートされたカスタムモデルの評価に対応
      Amazon Bedrockでは対応するアーキテクチャのモデルをインポートして利用することができます。今回、モデルの性能評価を自動または手動でシステマチックに実行できるAmazon Bedrock Model Evaluationがインポートされたモデルの評価にも対応しました。異なるモデル同士での比較にとどまらず、ベースモデルとカスタムモデルの比較を実行しカスタマイズがどれくらい効果的だったのかを判断するためにも利用できるのがポイントです。
    • AWS CloudShellがAmazon Q CLIをサポート
      AWS CloudShellは、マネジメントコンソールに組み込まれたコマンドライン操作環境です。今回、AWS CloudShellでAmazon Q CLIが利用できるようになりました。これによってパーソナライズされたコマンドの提案や、自然言語からコードへの変換など、生成AIによるユーザ支援によりコマンドライン操作環境をより使いやすくサポートします。詳細はドキュメントをどうぞ。
    • Amazon EKSがAL2023を利用したNVIDIA/Neuronによるアクセラレーションに対応
      Amazon EKS(Elastic Kubernetes Service)に最適化されたAL2023(Amazon Linux 2023) AMIが一般利用開始になりました。NVIDIAのGPUやAWS Inferentia, AWS Trainiumによるアクセラレーションを必要とするワークロードで、強化されたセキュリティ機能や起動時間の最適化、AL2023の新しいバージョンのカーネルなどのメリットがあり、モデルトレーニングの実行環境の選択肢がさらに広がりました。

著者について

Masato Kobayashi

小林 正人(Masato Kobayashi)

2013年からAWS Japanのソリューションアーキテクト(SA)として、お客様のクラウド活用を技術的な側面・ビジネス的な側面の双方から支援してきました。2024年からは特定のお客様を担当するチームを離れ、技術領域やサービスを担当するスペシャリストSAチームをリードする役割に変わりました。好きな温泉の泉質は、酸性-カルシウム-硫酸塩泉です。