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消費財企業と物流ベンダーにとって車両管理データレイクが必要な理由

消費財企業にとって輸送は重要なパズルのピースです。現材料と構成部品を製造施設に配送し、完成品を小売業者と消費者に届けることが重要です。これは、輸送と物流に問題が起こると、消費財企業が大きな影響を受けることを意味します。inboundlogistics.com によると、労働力不足や消費者の購入増加、世界中の輸送の課題、予測困難な気象イベント、COVID-19 パンデミックの全体的な影響のため、2021 年中は輸送はタイトになると予想されています。

これらの要因から考えるべきポイントは何でしょうか?消費財企業は、輸送のニーズを注意深く監視する必要があります。 さらにできれば、問題が発生した際に迅速に対応できるよう、インバウンドおよびアウトバウンドの輸送ニーズを積極的に管理するべきです。

輸送ニーズを積極的に管理するために何ができるのか、疑問に思われるかもしれません。答えは車両管理 (フリートマネジメント) のためのデータレイク構築です。 このブログでは、消費財企業と物流ベンダーが輸送と配送車両を管理するために、データレイクがどのように役立つかを示します。

消費財企業の車両管理の概要

車両管理は、輸送ニーズと車両に関連するすべてのデータをトラッキングする方法です。たとえば多くの消費財企業では、配送コスト、商品単位あたりコスト、輸出入の料金と税金、配送タイミング、燃料消費とコスト、事故、ドライバーとルート詳細、および配送に影響を与える可能性のある、燃料不足や気象イベント等のその他の情報をトラッキングしています。

企業が独自に車両を保有している場合、車両のメンテナンス、ドライバーの資格と満足度スコア、時間通りの配達、運転速度、燃費効率、安全性の問題もトラッキングする必要があります。消費財企業であっても物流ベンダーであっても、これらの情報は輸送のパターンとニーズを理解するのに役立ちます。情報を活用することで、車両管理を最適化して運用効率を高め、コストを削減し、車両の使用率を向上させ、商品の全体的なスループットを向上させることができます。

車両管理におけるデータ

これまで述べたデータポイントと出荷詳細の情報は、洞察に満ちた不可欠なものですが、特有の課題があります。つまり、すべての情報を管理して理解する必要があるということです。困ったことに、データは構造化されたデータだけでなく非構造化データを含んでおり、リアルタイム車両センサーからの温度や速度情報、外部ソースからの車両のメンテナンス情報、燃料ログ、DOT (Department of Transportation: アメリカ合衆国運輸省) のレコード、社内データストアからの HR、SCM、CRM の情報など、さまざまなチャネルから取り込まれます。消費財企業と物流ベンダーは、これらの情報を抽出・収集、結合し、洞察を得る必要があります。 このデータエコシステムをより迅速に管理できるほど、輸送のニーズをより積極的に最適化し、混乱が発生したときに対応することができます。

消費財企業の輸送と車両情報を管理するデータレイク

データレイク (データリポジトリとも呼ばれる) を使用することで、データのタイプや形式に関わらずあらゆる規模の情報を保存することができ、輸送および車両情報を管理するための効果的なソリューションになります。すべてのデータを単一のリポジトリに保存することで、機械学習、ビッグデータ処理、リアルタイム分析、ダッシュボード可視化から分かる情報を頼りに分析を実行し、洞察を得て、より適切な意思決定を行うことができます。

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さまざまなデータソース(左側)を収集して分析することで、輸送と車両ニーズを最適化してプロアクティブに管理するための洞察を得られ、情報に基づいた意思決定を行うことができます(右側)

消費財企業の輸送と車両管理のユースケース

輸送と車両の管理に AWS データレイクを使用する一般的なユースケースは次のとおりです:

  • 車両メンテナンス — リアルタイムセンサーから、油温、タイヤ空気圧、車両部品の振動等の車両関連データを管理できます。ドライバーと車両整備士は異常を検出して、機器の問題に前もって対処できます。車両センサーから収集された生データを AWS データレイクに保存・分析することで、計画外のメンテナンスを削減し、スペアパーツを費用効果の高い方法で管理できます。
  • ドライバーの安全性 — 車内センサーから得られる音声や動画と、車速・加速度・ブレーキのデータを組み合わせることで、ドライバーが交通規則を遵守しているかを判断できます。データが AWS データレイクに保存され、天気・地理的位置・交通データを付与することで、潜在的に危険な状況を検出し、リアルタイムに車内の Alexa デバイスを通して警告をドライバーに送信し、交通の遅延、危険な状態、または無謀運転を警告できます。このデータを使用して、安全コンプライアンスに基づいてドライバーをスコアリングし、安全なドライバーに報酬を与えるインセンティブプログラムを構築することもできます。
  • ルートの最適化 — 車両情報を交通量、天気、配達場所、サプライチェーンデータと相関させ、機械学習アルゴリズムによって学習することで、配達ルートを最適化できます。天候や交通状況の変化に応じて、リアルタイムで更新された配送ルートを取得できます。
  • 顧客満足度 — 最適な配達スケジュールを作成するために、顧客の人口統計および行動に関する情報を、成功および失敗した配達、SKU、およびパッケージレベルの特徴量などのデータと集約して分析できます。
  • コストと CO2 排出量削減 — 一日の車両あたりの配送スループットを向上させることで、輸送コストと車両のCO2排出量を削減できます。これには、ルート最適化、車両あたりの積載量、および車両への積載をシームレスに行うための貨物積載の微調整が含まれます。受注処理情報、配送ルート、車両の寸法、貨物重量と体積をトラッキングすることで、配送車両の数を減らしながら配送スループットを向上させることができます。

 

続くパート2のブログ投稿では、堅牢でスケーラブルな車両管理データレイクを構築するための手順と AWS サービスを共有します。

車両管理データレイクを進める準備ができている場合は、AWSアカウントチームにコンタクトしてください。


著者について

Michele Sancricca

Michele Sancricca は、AWS の輸送・物流テクノロジーのワールドワイドヘッドです。以前は Amazon Global Mile のサプライチェーン製品の責任者を務め、世界で2番目に大きな海運会社である Mediterranean Shipping Company のデジタルトランスフォーメーション部門を率いていました。引退した少佐である Michele は、イタリア海軍で電気通信士官および指揮官として 12 年間過ごしました。

Shailaja Suresh

Shailaja Suresh は、ソフトウェア製品のアーキテクチャ、戦略、デリバリにおいて 16 年の専門的な経験があります。彼女は AWS のシニアソリューションアーキテクトであり、お客様に AWS クラウドへのジャーニーのために、規範的な技術ガイダンスを提供しています。 Shailaja はエンジニアリングスキルを持ち、ソフトウェアエンジニア、アーキテクト、リード、およびプロジェクトマネージャーとしての役割を果たしてきました。Shailaja は、メンタリングとコーチングを通じてチームに力を与えることができると強く信じています。

 

翻訳は Solutions Architect 国政が担当しました。原文はこちらです。