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生成 AI アシスタント Amazon Q を用いて、ソフトウェア開発を加速し、ビジネスデータを活用する

本記事は、2024 年 4 月 30 日に投稿された Accelerate software development and leverage your business data with generative AI assistance from Amazon Q を翻訳したものです。

我々は生成 AI があらゆる顧客体験を革新する可能性があると考えています。そのために、生成 AI スタックの 3 層すべてで最も包括的な機能を提供すべく、急速にイノベーションを進めています。これには以下が含まれます。

  • 上位層: 革新的なアプリケーションへの投資
  • 中間層: 生成 AI アプリケーションを簡単かつ迅速に構築するためのツール
  • 下位層: 大規模言語モデル (LLM) や他の基盤モデル (FM) を学習し、推論や予測を行うためのインフラ

これらすべてのレイヤーは生成 AI の進化に重要ですが、本記事では上位層にあたるアプリケーション層への投資について説明します。

生成 AI アシスタントを使って、開発者やビジネスアナリスト、さらに顧客サービスやサプライチェーン運用などの専門分野の従業員まで、誰もが今まで以上に生産的、創造的、データ主導的になれます。しかし、作業時に真に役立つ生成 AI アプリやアシスタントには、組織のデータ、顧客、業務、ビジネスを理解することが求められるものの、現在のアシスタントの多くは、簡単にカスタマイズができず、企業が必要とするデータプライバシーとセキュリティの要件を満たすように設計されていません。

Amazon Q は、ソフトウェア開発の加速とビジネスデータの活用を可能にする、最も優れた生成 AI 機能を備えたアシスタントとして開発されました。今日は Amazon Q DeveloperAmazon Q BusinessAmazon Q in QuickSight が利用可能になったこと、そして新機能が多数追加されたことをお伝えできてうれしく思います。Dr. Matt Wood の動画で、今日のアナウンスとデモの概要を見ることができます。

Amazon Q は、現在最も機能が優れた業務支援アシスタントで、私たちは設計段階からセキュリティとプライバシーを意識して構築しました。従業員が通常アクセスできないデータソースには、Amazon Q 経由でもアクセスできません。本記事ではたくさんの優れた機能と体験をご紹介しますが、ここではその中の一部を取り上げたいと思います。

Amazon Q Developer – 開発ライフサイクル全体をサポートする開発アシスタント

Amazon Q Developer は、開発者と IT 専門家が直面するすべてのタスク (コーディング、テスト、アップグレード、トラブルシューティング、セキュリティスキャンと修正、AWS リソースの最適化、データエンジニアリングパイプラインの作成など) をサポートします。既に顧客は Amazon Q Developer の価値を認めており、デジタルトランスフォーメーションサービスを提供する Eviden は 20 ~ 40 % の生産性向上、医療関連企業の Switchboard MD は新機能のデプロイ時間を 25 % 削減、倉庫管理と在庫ストックソリューション企業の Datapel Systems は 70 % 以上という素晴らしい効率改善を実現しています。

Amazon Q Developer では、リアルタイムに近いコード提案とレコメンデーションを生成することで、開発者がより早く、より安全にアプリケーションを構築できるようサポートします。実際、複数行にわたるコード提案を行うアシスタントでは、Amazon Q Developer が最も高いコード受入率だと報告されています。BT グループは Amazon Q Developer のコード提案の 37 %を、National Australia Bank は 50 %を受け入れたと報告しています。これらのコーディング支援機能の一部は、以前は Amazon CodeWhisperer によって提供されていましたが、現在は Amazon Q Developer の一部になっています。

Amazon Q Developer エージェントは様々なタスク、例えば、機能の実装、ドキュメントの作成、コードのリファクタリング、ソフトウェアのアップグレードを自動的に実行できる機能を備えています。Amazon Q Developer に E コマースアプリの新しいチェックアウト機能を追加するよう依頼すると、既存のコードベースを分析し、複数のファイルにまたがる実装計画を立て、承認を受けると、必要なすべてのコード変更とテストを数分で実行します。この機能の実動作は、Implement an API with Amazon Q Developer Agent for Software Development でご覧いただけます。また、ソフトウェア開発の能力をベンチマークするデータセット SWE-Bench のリーダーボードで 13.4 %、SWE-bench リーダーボード (Lite) で 20.5 % という最高スコアを達成しました。これらの機能強化は、数日中にお客様にご利用いただけるようになります。

Amazon Q はアプリのアップグレードも自動化でき、数日の作業を数分に短縮できます。Amazon の 5 人のチームは、Amazon Q Code Transformation エージェントを使用して 1,000 を超える本番環境のアプリケーションを Java 8 から Java 17 に 2 日でアップグレードしました (1 アプリあたりの所要時間は平均 10 分未満)。これによって数か月分の時間を節約し、アプリのパフォーマンスも向上しました。現在、Amazon Q は Java 言語のアップグレードを実行できますが、近々、.NET のクロスプラットフォーム環境の Linux への移行を支援することで、ライセンス料の節減に貢献する機能が追加される予定です。コード変換エージェントの実動作については Amazon Q Developer Agent for Code Transformation で Java アプリをアップグレードする で確認してください。

加えて、「 What instances are currently running in us-east-1 ? ( us-east-1 リージョンで現在実行中のインスタンスは何ですか?) 」や「 What’s my S3 bucket encryption ? (私の S3 バケットの暗号化設定は何ですか?) 」あるいは「 What were my EC2 costs by region last month ? (先月の EC2 コストをリージョン別に教えてください。) 」といった、自身の AWS アカウントについての質問を Amazon Q Developer に質問できるようになり、Amazon Q Developer が要約した回答とそれをさらに学ぶためのリンクを用いて、リソースや詳細をリスト化してくれます。

Amazon Q Developer の詳細は、AWS ニュースブログでご確認ください。

Amazon Q Business によって、従業員はより創造的で、データ駆動型で、効率的で、生産性の高い存在に

Amazon Q Business を提供する私たちのビジョンは、生成 AI の力を企業に広く利用してもらい、企業が保有するあらゆるデータから洞察を得られるようにし、アクションを起こし、アプリケーションを構築することです。

ほとんどの企業は、アクセスしにくくかつ活用されていない大量のデータを抱えています。Amazon Q Business では、従業員が企業ポリシー、製品情報、業績、コードベース、人材、その他多数のトピックにまたがる業務データに対して、質問に答えられます。これは、企業のデータリポジトリに接続し、データを論理的に要約、トレンド分析し、データについて対話することを可能にしています。Amazon Q Business は、他の生成 AI アシスタントよりも多くのビルトイン、マネージド、セキュリティ保護されたデータコネクタを備えているため、これが可能になっており、Wiki、社内イントラネット、Atlassian、Gmail、Microsoft Exchange、Salesforce、ServiceNow、Slack、Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) などの一般的なビジネスツールが含まれます。カスタムプラグインを利用すれば、休暇申請といったアクションを Amazon Q Business に直接実行させることも可能です。最新の売上データの概要を知りたい、見込みとなるお客様の競合情報を探したい、といった場合でも、Amazon Q Business の自然言語処理機能は、分散したドキュメント、データベース、チャットログから関連する情報をすばやく統合し、一貫性のある回答にまとめます。

今日の最も興味深いお知らせの 1 つが、Amazon Q Business の機能である Amazon Q Apps です。
Amazon Q Apps は、生成 AI が搭載されたアプリを会話から数秒で構築可能にし、日々の作業を合理化・自動化することを容易にしてくれます。Amazon Q Apps でアプリを作成するのは簡単です。従業員は、作りたいアプリの形式を自然言語で説明する、もしくはAmazon Qと問題解決方法について会話しながら作成することができます。例えば、マーケターは Q Apps に顧客の名前、使用製品、ビジネス上の課題や影響を入力するだけで、説得力のある顧客事例を生成するアプリを作れます。アプリは数秒で作成され、その後、組織内のマーケティング部門とで共有できます。他の例については Amazon Q Apps の紹介 (プレビュー) をご覧ください。

Smartsheet の製品・イノベーション統括責任者である Praerit Garg 氏に話を聞き、Amazon Q Business が従業員の回答時間の短縮と生産性の向上、さらには新入社員のオンボーディングの迅速化にどのように役立っているかについて議論しました。

AWS ニュースブログ および AWS Machine Learning ブログ で Amazon Q Business の詳細を確認してください。

生成 BI により詳細なダッシュボードを数分で構築し、ビジネスユーザーが素早く洞察を得ることが可能に

従来、企業は貴重な構造化データの大半をデータベースやデータウェアハウスに保存し、ビジネスインテリジェンス (BI) ツールでのみアクセス可能でした。ビジネスの経営陣がデータから情報を抽出する必要があった場合、多くのタスクを抱えているビジネスアナリストに頼んでダッシュボードを作成してもらう必要がありました。その作業には数日から数週間を要することがよくあり、ダッシュボードができたとしても、重要な洞察を抽出し共有するのは困難でした。しかし今や、Amazon Q が AWS のクラウド向けの統合 BI サービス Amazon QuickSight に先進的な生成 AI 技術を導入しました。Amazon Q in QuickSight によって、ビジネスアナリストは自然言語を用いて、ダッシュボードの構築を数時間から数分に短縮できるようになりました。また、データへのアクセシビリティが高まることによって、組織全体で誰もがデータに基づいた意思決定ができるようになります。Amazon Q によって、ビジネスユーザーがダッシュボードの AI による要約を閲覧したり、ダッシュボードで表示されている以外のデータにもすぐに質問することができます。さらに詳細でカスタマイズ可能なデータストーリーを作成することができ、重要な洞察、トレンド、動向を明確にできます。そしてこれは自然言語で行いたいことを質問するだけで操作できるのです。

営業支援ソリューションを提供する Showpad は、複雑なユーザーインターフェースや SQL の知識が無くともデータに問い合わせが可能な機能を顧客に提供できるようになりました。統合には 1 週間強の時間しかかからず、Showpad は自身の体験にシームレスに利用できるようカスタマイズできました。また、ヘルスケアIT企業の Clinigence Health は Amazon Q in QuickSight を利用して、従来はデータからインサイトやトレンドを把握するために数時間かかっていたプロセスを数分でできるようになりました。

Amazon Q in QuickSight の詳細については、AWS Business Intelligence ブログをご覧ください。

Amazon Q Developer 無料利用枠を含む新料金体系

これらの新機能に加えて、Amazon Q が使いやすくなる新しい料金体系を発表しています。個人向けには、IDE とコマンドラインでのコーディングが無料で、Amazon Q Developer Agent などの高度な機能を限られた範囲で無料で利用できるAmazon Q Developer 無料利用枠があります。組織でのライセンス管理や、コードベースをカスタマイズすることで、より関連性の高いコーディング候補を得られる、高度な機能を希望するお客様向けに、月額 19 ドル/ユーザーで Amazon Q Developer Pro をご利用いただけます。月額 20 ドル/ユーザーのサブスクリプション Amazon Q Business Pro では、Amazon Q Apps や Amazon Q in QuickSight (Reader Pro) の利用を含む、Amazon Q Business の全機能をご利用いただけます。最後に、Amazon Q Developer Pro と Amazon Q Business Pro の無料トライアルを 2024 年 6 月 30 日まで利用できます。

Amazon Q Developer、Amazon Q Business、Amazon Q in QuickSight で、これらの新機能を提供できることをうれしく思います。生産性を高め、組織のデータをより効果的に活用し、新しい働き方を生み出すお手伝いを我々は始めたばかりです。

この発表の詳細を知るためのリソースについて

著者について

Swami Sivasubramanian は、AWS のデータベースアナリティクスおよび機械学習担当のバイスプレジデントです。Swami はすべての AWS データベース・分析・AI & 機械学習サービスを監督しています。彼のチームの使命は、データを保存、アクセス、分析、視覚化、予測するための完全なエンドツーエンドのデータソリューションを使用して、組織がデータを活用できるよう支援することです。