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Amazon AppStream 2.0 – 新しいアプリケーション設定のパーシステンス機能の紹介および 2018 年に追加された機能概括

Amazon AppStream 2.0 を使用すると、ウェブブラウザ経由で Windows のデスクトップアプリケーションにアクセスできるようになります。SOLIDWORKS、Siemens、MathWorks など、数千社にのぼる AWS のカスタマーがすでに AppStream 2.0 を使用してアプリケーションを客先に届けています。

今回は、AppStream 2.0 の直近の追加機能をいくつかまとめておさらいをしておきたいと思います。さらには、アプリケーションのカスタマイズ (環境設定、ブックマーク、ツールバー設定、接続プロファイルなど) およびユーザーのセッション間の Windows 設定を自動保存するまったく新しい機能を詳しくご紹介します。

AppStream 2.0 で最近追加された機能は、次の 4 つに分類できます。

ユーザー機能強化 – タイムゾーン、ロケール、言語入力のサポート、コピーアンドペースト操作の改善、新しいアプリケーションのパーシステンス機能。

管理者向けの改善点 – アプリケーションのデフォルト設定、一部のシステムリソースに対するアクセス権限の管理、複数の AWS リージョンにまたがるイメージのコピー、ブランディングのカスタマイズ、複数の AWS アカウント同士のイメージ共有。

ストレージの統合Microsoft OneDrive for Business および Google Drive for G Suite のサポート。

利用可能リージョンの拡大 – AppStream 2.0 を利用できる AWS リージョンが、欧州およびアジアで 3 リージョン追加されました。

では、それぞれをご説明して、最後にアプリケーション設定のパーシステンス機能についてお話しします。

ユーザー機能強化
AppStream 2.0 でタイムゾーン、ロケール、言語入力設定をユーザーが管理できるようになったことは、6 月にお知らせしたとおりです。一度設定した値は、同じ AWS リージョン内の以後のセッションにも適用されます。本機能 (正式には、[Regional Settings (地域の設定)]) はAppStream 2.0 ユーザー用地域の設定を有効にするで説明されているとおり、AppStream 2.0 管理者が実行する必要があります。

7 月には、Google Chrome 使用時にユーザーのローカルデバイスと AppStream 2.0 セッションのあいだでコピーアンドペーストするためのキーボードショートカットを追加しました。

管理者向けの改善点
2 月には、AppStream 2.0 管理者向けの機能で AppStream 2.0 のイメージを別の AWS リージョンにコピーできるようになりました。この結果、アプリケーションのグローバルデプロイメントおよびその管理が簡略化されました (詳細は、イメージにタグを付け、コピーするをご覧ください)。

3 月には、AppStream 2.0 管理者向けに、ロゴ、色、テキスト、アプリケーションのカタログページ上のヘルプへのリンクを使用して、ユーザーエクスペリエンスをカスタマイズする追加機能をリリースしました。詳細は、Amazon AppStream 2.0 で、カスタムブランディングが可能にをご覧ください。

5 月には、AppStream 2.0 のストリーミングセッションとのあいだで転送されるデータに対する管理機能を追加しました。また、AppStream 2.0 管理者は、ファイルのアップロードおよびダウンロード、出力、ローカルのアプリケーションとのあいだでコピーアンドペーストできるようになりました。詳細は、AppStream 2.0 フリートとスタックを作成するをご覧ください。

6 月には、AppStream 2.0 管理者がユーザーの代わりにデフォルトのアプリケーション設定 (接続プロファイル、ブラウザ設定、プラグイン) を行うことができるようになりました。詳細は、Amazon AppStream 2.0 が、ユーザーのデフォルトのアプリケーション設定をサポートするようになりましたをご覧ください。

7 月には、AppStream 2.0 管理者が同一の AWS リージョンの複数の AWS アカウント間で AppStream 2.0 のイメージを共有できるようになりました。詳細は、UpdateImagePermissions API および update-image-permissions コマンドをご覧ください。

ストレージの統合
2 つの新機能はどちらも、AppStream 2.0 ユーザーがアクセス、編集、作成するドキュメントのストレージの選択肢を増やします。

6 月には、G Suite 用の Google ドライブのサポートを開始し、ユーザーのアプリケーション内の Google ドライブのファイルに簡単にアクセスできるようになりました。本機能の AppStream アプリケーションスタック用の使用方法は、Google Drive for G Suite is now enabled on Amazon AppStream 2.0 をご覧ください。

同様に、7 月に開始した Microsoft OneDrive for Business のサポートで、OneDrive for Business アカウントに保存したファイルにアクセスできるようになりました。設定方法は、Amazon AppStream 2.0 adds support for OneDrive for Business をご覧ください。

 

利用可能リージョンの拡大
1 月より、AppStream 2.0 がアジアパシフィック (シンガポール) リージョンおよびアジアパシフィック (シドニー) リージョンで利用可能になりました。

3 月より、AppStream 2.0 が欧州 (フランクフルト) リージョンで利用可能になりました。

AppStream 2.0 が利用可能なリージョンのフルリストは、製品およびサービス一覧 (リージョン別) をご覧ください。

アプリケーション設定のパーシステンス機能
ここまで最近の追加機能を振り返りましたが、それでは本日より開始される新機能、アプリケーション設定のパーシステンス機能についてお話しします。

新機能に関するここまでの概括でおわかりのとおり、AppStream 2.0 はセッション間の重要なアプリケーションおよびシステム設定を保存します。本日より、Windows ローミングプロファイルを作成する要素のサポートを開始します。本サポートに含まれるものは次のとおりです。

Windows プロファイルC:\users\user_name\appdata のコンテンツ。

Windows プロファイルフォルダC:\users\user_name のコンテンツ。

Windows レジストリHKEY_CURRENT_USER をルートキーとするレジストリエントリのツリー

本機能は、AppStream 2.0 管理者が実行する必要があります。Windows ローミングプロファイルのコンテンツは、管理者の AWS アカウントの S3 バケット内に保存されます。ストレージ許容量の初期値 (容易に増量可) は、ユーザー 1 名あたり最大 1 GB までです。S3 バケットは、S3 で管理された暗号化キーによるサーバー側の暗号化のために構成されます。データは、SSL 保護された接続を経由して、AppStream 2.0 と S3 間で転送されます。管理者は、S3 バージョニングの有効化を選択して、壊れたプロファイルを復元することができます。

アプリケーション設定のパーシステンス機能は、既存のスタックが AppStream 2.0 エージェントの最新バージョンを実行しているあいだは有効にできます。次に示すのは、新しいスタックを作成するときに有効にする方法です。

複数のスタックを同じ設定グループに指定すると、ユーザー設定の共通セットをシェアすることができます。当該設定はユーザーがログインすると適用され、その後にログアウトすると S3 に戻って存続します。

本機能は本日より利用可能で、AppStream 2.0 管理者の皆さんは今すぐ有効にできます。課金対象は保存したプロファイルが使用する S3 ストレージ料金のみで、通常の S3 価格が適用されます。

Jeff

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