Amazon Web Services ブログ

新発表 – Amazon Forecast – 時系列予測を容易に

未来を予見する能力は、信じられないほどのスーパーパワーとなります。AWSは、あなたにその力を与えることはできませんが、機械学習において、数ステップで時系列の予測を行うお手伝いができます。

時系列予測のゴールは、毎週の売上、1日の在庫レベル、1時間ごとのウェブサイトトラフィックなどの時間依存データの将来の値を予測することです。 今日の企業は、シンプルなスプレッドシートから複雑な財務計画ソフトウェアまであらゆるものを使用して、製品需要、リソースニーズ、財務パフォーマンスなどの将来のビジネス成果を正確に予測しようとしています。

これらのツールは、時系列データと呼ばれる一連の履歴データを見て予測を作成します。例えば、そのようなツールは、レインコートの将来の売上を、過去の売上データと、未来が過去によって決定されるという前提をもとにして、単に予測しようとする場合があります。

このアプローチは、不規則な傾向を持つ大量のデータセットに対して正確な予測を生成するのに苦労する可能性があります。 また、時間とともに変化するデータ系列(価格、割引、ウェブトラフィックなど)を、製品の機能や店舗の場所などの関連する独立変数と簡単に組み合わせることもできません。

Amazon Forecast の紹介

Amazon は、20年以上にわたり、小売、サプライチェーン、サーバーのキャパシティなど、複数の分野にわたって時系列予測の課題を解決してきました。その経験から学んだ機械学習技術を使用して、今日、時系列予測のためのフルマネージドな Deep Learning サービスである Amazon Forecast を紹介します。Amazon Forecast は、スケーラブルで正確な予測テクノロジーの構築と運用における当社の長年の経験を、使いやすく完全にマネージドされたサービスにパッケージ化します。

Amazon Forecast を使用して、時系列データの予測を生成して推論することができます:

  • サーバーへのWebトラフィック、AWS使用率、IoTセンサーメトリックなどの操作メトリック。
  • 売上、利益、経費などのビジネス指標。
  • 特定の需要を満たすために必要なエネルギー量やバンド幅などのリソース要件。
  • 製造プロセスで必要とされる原材料、サービス、またはその他のインプットの量。
  • 価格割引、マーケティングプロモーション、その他のキャンペーンの影響を考慮したリテール需要。

Amazon Forecast はこれらの3つの主なメリットを考慮して設計されています:

  • 正確性: ディープニューラルネットと伝統的な統計的手法を使用して予測します。Amazon Forecast はあなたのデータから自動的に学び、あなたのデータのために設計されたモデルをトレーニングするための最良のアルゴリズムを選ぶことができます。 関連する時系列データが多い場合、 DeepARMQ-RNN などの Amazon Forecast ディープ・ラーニング・アルゴリズムを使用した予測は、指数関数的な平滑化などの従来の手法で作成した予測よりも正確になる傾向があります。
  • エンドツーエンドの管理: データのアップロードからデータ処理、モデルのトレーニング、データセットの更新、予測などのワークフローを自動化します。エンタープライズシステムは予測をAPIとして直接使うことができます。
  • ユーザビリティ: コンソールでは、さまざまな粒度で任意の時系列の予測を見つけて視覚化することができます。また、Predictor の予測の精度に関するメトリックも表示できます。機械学習の専門知識を持たない開発者は、トレーニングデータを1つ以上の Amazon Forecast Dataset にインポートし、モデルをトレーニングし、モデルを導入して Forecast を生成するために、Amazon Forecast API、AWSコマンドラインインターフェイス(CLI)、または AWS コンソールを使用できます。

Amazon Forecast の始め方

Amazon Forecast で予測プロジェクトを作成するときは、まず以下のリソースを使用して作業します。

  • Dataset –  データをアップロードします。Amazon Forecast アルゴリズムは Dataset を使用してモデルをトレーニングします。
  • Dataset Group – 1つまたは複数の Dataset のコンテナ、複数の Dataset をモデルのトレーニングに使用します。
  • Predictor –  モデルトレーニングの結果。Predictor を作成するには、Dataset Groupとレシピ(アルゴリズム)を提供するか、または Amazon Forecast がどの予測モデルが最適に機能するかを決定するようにします。そのアルゴリズムは Dataset のデータを利用してモデルをトレーニングします。
  • Forecast –  Predictor を使用して推論を実行して Forecast を生成することができます。

AWSコンソール、CLI、SDKで Amazon Forecast を使用できます。たとえば、AWS SDK for Pythonを使ってモデルをトレーニングしたり、Jupyter notebookで Forecastを取得したり、AWS SDK for Java  を使って既存のビジネスアプリケーションに予測機能を追加することができます。

価格と可用性

Amazon Forecast は使った分のコストを支払うだけです。Amazon Forecast には3種類のコストがあります:

  • 生成された Forecast:Forecastは、任意の時間軸上の単一の変数の将来の値の予測です。 Forecastは、1,000単位(千単位で切り上げ)で請求されます。
  • データストレージ:モデルをトレーニングするために使用されるデータのGBあたりの保管コスト。
  • トレーニング時間:顧客が提供するデータに基づいてカスタムモデルに必要なトレーニングの1時間あたりのコスト。

AWS無償利用枠の一部として、Amazon Forecast を初めて使用した最初の2ヶ月間は、次のコストは無料です:

  • 生成された Forecast: 1ヶ月あたり最大10,000回の時系列予測
  • データストレージ: 1ヶ月あたり最大10GB
  • トレーニング時間: 1ヶ月あたり最大10時間

Amazon Forecast はプレビューで次のリージョンで利用可能です: 米国東部 (バージニア北部)、米国東部 (オハイオ)

精度の高い時系列予測を行うことは決して容易ではありません。 私たちは、お客様がこのサービスを使って、どんなものを構築されようとしているのかを楽しみにしています!

Danilo Poccia

Daniloは新興企業をサポートするために、あらゆる規模のスタートアップや企業と協力しています。 Amazon Web ServicesのEvangelistとしての役割を担い、サーバーレスのアーキテクチャやイベント駆動型プログラミング、機械学習やエッジコンピューティングの技術的およびビジネス的な影響に焦点を当て、人々のアイデアを生かすための経験を活用しています。 彼はAWS Lambda in Manningの作者です。

 

 

この記事はSA桶谷が翻訳しました。原文はこちら