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【開催報告】第4回 Amazon SageMaker 事例祭り

アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 (AWS) アソシエイトソリューションアーキテクトの小田桐昂史です。

AWS 目黒オフィスでは、お客様の事例紹介登壇を交えた Amazon SageMaker のセミナーとして、「Amazon SageMaker 事例祭り」を毎月開催しています。2019年4月17日に開催された第4回 Amzon SageMaker 事例祭りでは、GMOクラウド株式会社の山下様、株式会社オークネット・アイビーエスの黒柳様、株式会社ミクシィの岩瀬様をゲストスピーカーにお迎えし、Amazon SageMakerの基礎から、具体的な導入・運用事例まで、100名を超える大勢の方にお越しいただき、会場は満員でした。

 

Amazon SageMaker 紹介

「Amazon SageMaker の基礎」

アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 ソリューションアーキテクト 鮫島 正樹 [slides]

AWS ソリューションアーキテクトの鮫島より、AWSの機械学習のマネージドサービスであるAmazon SageMakerの基礎について紹介しました。まず、開発・学習・推論といった一連の機械学習のワークフローにおける課題を整理し、それぞれAmazon SageMakerを活用することでどのように解決できるかを説明しました。Amazon SageMakerを利用することで、必要に応じて必要なだけリソースを開発・学習・推論向けに確保できるほか、APIを1つ呼ぶだけで複数インスタンスによる分散学習やエンドポイントの作成が可能です。Amazon SageMakerはワークフロー全てで取り入れる必要はなく、必要なフェーズで取り入れることができます。また、SDKやコンテナ環境はオープンソースで公開されており、同様の環境をオンプレミスでも実現することができます。最後のデモでは、Amazon SageMakerの画面操作を見ていただき、サービスの使い方をイメージしやすい形で紹介いたしました。

 

「Amazon SageMaker Ground Truth の使い方」

アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 ソリューションアーキテクト 針原 佳貴 [slides]

Amazon SageMaker Ground TruthはAWS re:Invent 2018で発表されたAmazon SageMakerの新機能です。Amazon SageMaker Ground Truthを使うと、機械学習モデルの構築に必要なデータセットの効率的・高精度なラベリングを簡単に行うことができます。AWSソリューションアーキテクトの針原より、機械学習を行う際のラベリングの課題について解説し、Amazon SageMaker Ground Truthの提供する、一般的なラベリングのワークフロー、画像分類など4種類の組み込みタスク、クラウドソーシングのマーケットプレイスであるAmazon Machanical Turkを含む3つのワーカータイプをデモを含めて紹介いたしました。Amazon SageMaker Ground Truthは必要に応じてアクティブラーニングを使用し、ラベリングを自動化することによりコストと時間の削減を行うこともできます。

 

Amazon SageMaker お客様事例紹介

「『Diversity Insight for Retail』でのSageMaker導入と今後」

GMOクラウド株式会社 プロダクトマネージャー 山下 久知 様 [slides]

GMOクラウド株式会社 山下様より、深層学習を利用した店舗のカメラ映像解析およびヒートマップ等の技術を活用し、実店舗におけるお客様・ニーズの多様化に対しての販促をサポートする「Diversity Insight for Retail」に関してのAmazon SageMaker導入事例についてお話いただきました。システムを構築する上でAmazon SageMakerを利用することで、エンドポイント作成の煩雑さからの解放、マネージドサービスによる運用・管理・監視コストの削減、オートスケーリングの際のコストバランスの良さ、3点の導入メリットによりスピーディーなサービス開発が可能となったとお話しされました。また、開発言語系のパフォーマンスの限界もあり、当初の想定よりノード数を増やす対応やインスタンスをスケールアップすることが必要な状況になったという課題に関しても共有いただきました。今後の展望として、推論のバッチ化、非Python化そしてエッジ推論比率増等を検討されているとのことでした。

 

「『えっ、なぜSageMakerなの?』」

株式会社オークネット・アイビーエス ジェネラルマネージャー 黒柳 為之 様 [slides]

株式会社オークネット・アイビーエスの黒柳様より、SODAI (225品目の粗大ゴミの判定と料金を検出するAPI)と、Andy Photo Book (アルバム制作時の画像の選定にAIを用いたサービス) のサービスを例にAmazon SageMakerの活用事例をお話いただきました。どちらのサービスにおいてもAWSの様々なサービスを活用いただいておりました。SODAIでは、サービス立ち上げまでの素早さ、インスタンスの管理の手間を省くといったAWS利用によるメリット、Andy Photo Bookでは、Amazon RekognitionとAmazon SageMakerを併用することにより、コストを20分の1まで削減したメリットを共有いただきました。以前よりAWSのGPUインスタンスを利用し機械学習を行なっておりましたが、学習インスタンスを自前で管理する必要や、APIとして提供する際に環境を自前で用意される必要があったところから、Amazon SageMakerに移行され、特にAPIが豊富なところを評価いただき、実行環境を含め、Amazon SageMakerのみで開発・運用されているとお話されました。また、移行の際もDockerコンテナを以前より採用されていたため、スムーズに移行できたとのことです。現状、Amazon SageMakerの提供しているビルトインアルゴリズムのサポート状況や、パラメータ指定制限、API経由でのジョブの状況確認などの課題に関しても共有していただきました。

 

「『不適切コンテンツ検出』の機械化と安定運用」

株式会社ミクシィ Vantageスタジオ mixi事業部 岩瀬 靖彦 様 [slides]

株式会社ミクシィ 岩瀬様より、SNS mixiに欠かせない「健全性の維持」の課題に対する技術的なアプローチに関してお話いただきました。SNS mixiでは、利用者に安心して使っていただくための活動として、不適切な投稿の監視や、スタッフによる24-365の通報対応を行なっているそうです。この活動には定常的に大きなコストがかかるため、機械学習モデルによる監視を取り入れたとのことです。この機械学習による危険度判定モデルの開発・管理・運用部分にAmazon SageMakerをご利用いただいております。SNS mixiの事例では、日本語投稿の解析に必要な形態素解析の処理をエンドポイント内で行うため、OSSとして公開されているAmazon SageMakerのコンテナイメージをカスタマイズして利用しています。また日々変わる違反投稿のパターンに対応するため、Amazon ECSのScheduled Tasksを活用してモデルを定期的に更新されています。Perlで実装されているmixiアプリケーションからモデルへアクセスするために、Amazon API GatewayとAWS Lambdaを使ってエンドポイントをREST API化するなど、様々なAWSサービスを活用し、機械学習モデルの開発・管理・運用を低コストで実現されています。またAmazon SageMakerを利用する際、Amazon SageMakerによって単語辞書が管理されないといったケースが紹介され、独自実装で回避した方法などが共有されました。

詳しい話は mixi developers にも投稿されております。

 

まとめ

今回はAmazon SageMaker、新機能Amazon SageMaker Ground Truthのご紹介、ゲストをお迎えし、実例についてお話いただきました。

次回の開催は2019年5月21日(火)を予定しております。皆様のご来場をお待ちしております。なお、過去の Amazon SageMaker 事例祭りの開催概要と登壇スライドは下記のリンクからご覧いただけます。

  1. 第1回 Amazon SageMaker 事例祭り 2019年1月15日
  2. 第2回 Amazon SageMaker 事例祭り 2019年2月12日
  3. 第3回 Amazon SageMaker 事例祭り 2019年3月12日