Amazon Web Services ブログ
AWS ホットスタートアップ – 2017年7月
今月も引き続き、ホットなスタートアップ企業を紹介していきます。日々、スタートアップ企業は革新的であっと言わせるようなビジネス、アプリケーション、製品を世界中で製作しています。AWS では毎月、AWS を使用して何か優れたことをしているスタートアップ企業を紹介しています。
7 月は学習に関する企業を集めました。次の企業は様々な方法で知識や技術を拡張するためのツールやリソースへのアクセス提供に重点を置いています。
今月のスタートアップ企業をご紹介します。
- CodeHS – 中高生を対象に、使って楽しくアクセスしやすいコンピュータサイエンスのカリキュラムを提供しています。
- Insight – データサイエンス分野の技術的な才能を伸ばすための集中的なフェローシップを提供しています。
- iTranslate – 90 か国語以上の言語で読み取り、書き取り、会話ができるサービスを世界中で提供しています。
CodeHS (カリフォルニア州サンフランシスコ)
2012 年、スタンフォード大学の学生だった Zach Galant 氏と Jeremy Keeshin 氏は、コンピュータサイエンスを専攻していました。そして初級レベルのクラスの教育助手をしていた時に、ある傾向に気が付いたのです。多くの学生が、もっと小さい頃からコンピュータサイエンスに関わっていたかったということです。大学 4 年の時に Zach と Jeremy は中高生が楽しく、アクセスしやすいコンピュータサイエンス教育を提供するチャンスを作るために CodeHS を立ち上げました。CodeHS はウェブベースのカリキュラムで、指導者のリソース、レッスンプラン、専門的能力の開発チャンスで成り立っています。カリキュラムは時間節約を意図して作られた指導者用のツールを伴い、レッスンプランや採点、学習者のコードの評価、クラスルームの管理ができます。
CodeHS は、すべての生徒が将来に向けて意義ある影響力を培えるように取り組んでいます。また、コードを学ぶことは読解力と共に現代の新たな基礎的能力であると考え、そうした技術を身に着けることで生徒がより深く個人の興味や学習を拡大していくことができると見ています。CodeHS が設立された 2012 年には、コンピュータサイエンスのコースを提供している米国内の高等学校は 10% ほどでした。Zach と Jeremy は学校や学区が簡単に取り組めるようにするためのソリューションを提供することで、その現状を変えることに努めてきました。CodeHS により、何千人もの指導者がトレーニングを受け、何百何千人という世界中の生徒達に指導できるようになりました。CodeHS を使用するにあたり必要なのはインターネットとウェブブラウザだけです。生徒はオンラインでコードを書き、実行することができます。指導者は生徒が何に取り組んでいるか、そして進み具合などをすぐにチェックすることができます。
Amazon EC2、Amazon RDS、Amazon ElastiCache、Amazon CloudFront、Amazon S3 は CodeHS が世界中の学校のニーズに応えられるようにするため、同社のサイトをスケールできるようにしています。CodeHS はブラウザで生徒のコードをコンパイルし実行することに AWS を利用しています。これは、AP コースをサポートする Java のようなサーバー側の言語を教える上で非常に大切なポイントです。使用率は学校のスケジュールにより上下しやすいため、Amazon CloudWatch と ELB を使用して、生徒がコードを実行している時に簡単にスケールアップすることができ、シームレスな体験を可能にしています。
ぜひ CodeHS のウェブサイトをご覧ください。ご自分の教育機関でコンピュータサイエンスのコース導入をご検討の場合はこちらをご覧ください。
2012 年に設立された Insight は、新しい教育モデルを築き、データチームの雇用における最適化やデータプロフェッショナルの転職をサポートしています。過去 5 年に渡り、Insight は市場動向を上手く把握し、Data Science、Health Data Science、Data Engineering、Artificial Intelligence など、いくつものプロフェッショナルトレーニングフェローシップを提供してきました。大企業そしてスタートアップ企業が適切な技術や経歴そして個性を携えた人材を探すことは簡単ではありません。Insight は最高の人材を集めるために 7 週間の集中講座から成るフェローシップを行っています。現在に至るまで、Insight は Amazon、Google、Netflix、Twitter、The New York Times を含む 350 社を超える企業に 1,000 人以上の卒業生を送り込んできました。
Insight のデータエンジニアリングチームはオープンソースやテクノロジーにおける現在のエコシステムに精通しており、この分野でベストプラクティスの指導を提供しています。様々なデータアドバイザリや指導において、テクニカルチームは常に外部グループと共同で作業を行っていますが、Insight パートナーの大半がプロフェッショナルセッションに参加しています。企業は Insight のオフィスを訪れ、カジュアルな環境でフェローと話し合い、どういったプロジェクトに取り組んでいるのか、そしてどのようにチームが成長しているのか、といった詳細を伝えます。こうしたセッションはフェローが実に優れたインタビュープロセスを経験できるので、とても価値があり企業もやる気のある新しいチームメンバーに呼応しています。
ビッグデータパイプラインからいままでにない機能への貢献、そして業界標準のオープンソースへの取り組みなど、Insight のフェローシップで重要な面は実践的な仕事を行うチャンスがあることです。Insight はフェロー全員が使用できるように無料で AWS リソースを提供しているほか、データエンジニアリングチームから指導を受けることも可能にしています。通常、フェローは Amazon S3、Amazon EC2、Amazon Kinesis、Amazon EMR、AWS Lambda、Amazon Redshift、Amazon RDS およびその他のサービスを使用しています。AWS を利用する経験は業界で実際に仕事をしていく上で、フェローに揺るぎないスキルを提供しています。フェローシップは現在ボストン、ニューヨーク、シアトル、ベイエリアで提供されています。
データインフラストラクチャ、人工知能、最先端のデータ製品の傾向に関する詳細については Insight の公式ブログをご覧ください。
2008 年に App Store が公開され次第、iTranslate の設立者は何か大きなことに関わるチャンスをそこに見い出しました。4 人から成るこのグループは、iPhone とアプリが世界を変えると信じ、独自のアプリを製作するためにブレインストーミングを行いました。そこで翻訳とモバイルデバイスは自然な組み合わせであると考え、2009 年に iTranslate を製作しました。iTranslate の目的は、旅行者や学生、ビジネスプロフェッショナル、社員、医療関係のスタッフが、すべての言語で世界中のどこにいても読み書きや会話を可能にすることです。このアプリでは、ユーザーがテキスト、音声、ウェブサイトを様々なプラットフォームでほぼ 100 か国語に渡り翻訳することができます。そして現在、iTranslate は会話の翻訳や辞書アプリの分野をリードし、そのダウンロード件数は 6,000 万件を超え、毎月のアクティブユーザー数は 600 万人にもなりました。
iTranslate はディスラプティブ技術やイノベーションで言語の壁を排除し、ユーザーがリアルタイムで翻訳することを実現しています。このアプリにはオフライン翻訳、ウェブサイトや音声翻訳、言語の自動検出を含む生産性を最適化するように設計された様々な機能が含まれています。また、最近になって iTranslate はスマートイヤホンに重点を置いている Bragi と協力し、世界初の「ear translation」デバイスをリリースしました。Dash Pro はユーザーの耳に直接翻訳を流しつつ、自由にコミュニケーションを取ることを可能にしています。
iTranslate は Amazon Polly が公開されるとすぐにそれを使い始めました。CEO の Alexander Marktl 氏は「業界をリードする翻訳および辞書アプリの企業として、iTranslate の目的はユーザーが世界中ですべての言語で読み書き、会話ができるようにする最高のツールを提供することです。Amazon Polly は、我々が高品質かつ自然に合成された音声を効率的に生成することを可能にしています」と、語っています。安定性があり使い勝手が簡単な API、低レイテンシー、フリーキャッシュを使用することで、iTranslate は同社のアプリに機能を追加していくに連れてスケールすることを可能にしています。ユーザーは音声の速度を変えたり、女性または男性の声に変えることができる点も楽しんで使っているということです。同社製品の品質、速度、信頼性を確かにするため、iTranslate は Amazon EC2、Amazon S3、Amazon Route 53 も利用しています。
iTranslate を使用するにはこちらで同社ウエブサイトをご覧ください。
—–
ご覧いただきありがとうございました。
-Tina