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AI戦略策定のための人工知能・機械学習・生成系AIに関するAWSの新たなガイドライン

このブログ記事は AWS offers new artificial intelligence, machine learning, and generative AI guides to plan your AI strategy を翻訳したものです。

人工知能 (AI) および機械学習 (ML) に関するブレイクスルーはこの数か月の間、毎日のように話題になっていますが、それには正当な理由があります。これらのテクノロジーの新たな進化や機能は、あらゆる分野や業界のお客様に新たなビジネスチャンスをもたらすものだからです。その一方、これらの技術の進化があまりにも高速であるため、各企業では、これらのブレイクスルーが自分たちにとって具体的に何を意味するのかを評価することが難しくなっています。

アマゾン ウェブ サービス (以下、AWS) では、長年にわたり、AI、ML、そして Generative AI (以下、生成系AI) へのアクセスと理解の民主化に投資してきました。生成系 AI の最新開発に関する発表や 1 億ドル規模の Generative AI Innovation Centerの設立を通じて、AWS は、これらのイノベーションが個人と組織の両方の生活に果たす役割を深く理解するため、最前線に立って支援を行っています。AI と ML に関する選択肢を理解しやすくするため、AWS は 2 つの新しいガイドを公開しました:AWS Cloud Adoption Framework for Artificial Intelligence, Machine Learning, and Generative AI と、AWS機械学習サービスを選択するための意思決定ガイド です。

AI, ML, 生成系AIのためのAWSクラウド導入フレームワーク

AI, ML, 生成系AIのためのAWSクラウド導入フレームワーク (AWS Cloud Adoption Framework for Artificial Intelligence, Machine Learning, and Generative AI (以下, CAF-AI)) は、AI への移行を支援する目的で設計されており、AI/ML によってビジネス価値を生み出そうとする組織にとってのメンタルモデルを示しています。AWS自身、および当社のお客様の経験に基づいて作られた本フレームワークのベストプラクティスにより、AI 変革を実現し、AWSでのAIの革新的な利用を通じてビジネス成果を加速させています。

AWSのお客様およびパートナーチームでも利用されているCAF-AIは、AIによる変革のための戦略の導出、優先順位付け、進化、およびコミュニケーションに役立ちます。以下の図は、お客様が求めるビジネス成果 (1) を起点に考える「Working Backwards」のアプローチにより、AI、ML、生成系AIがもたらす機会 (2) 、自社内で変革の対象とする領域 (3) 、および基盤となるケイパビリティ (4) を、AI戦略のアクションアイテムの評価、導出、実装という反復的なプロセス (5) を通じてAIジャーニーを簡素化する方法を示しています。

AI Journey by CAF-AI overview

CAF-AIでは、AIとMLに関する組織内のケイパビリティが成熟するにつれて経験する可能性のあるAI/MLジャーニーについて説明します。その指針を示すため、組織がAIの成熟度をさらに高めるために役立つことが確認されている基本的なケイパビリティの進化に焦点を当てています。

また、これらの基本的なケイパビリティのターゲット状態の概要を通じて規範的なガイダンスを提供し、その過程でビジネス価値を生み出すためにケイパビリティを段階的に進化させる方法を説明します。以下の図は、クラウドと AI/ML の運用のための基本的なケイパビリティを示しています。ここでいうケイパビリティとは、所定のプロセスを使用してリソース (人、技術、その他の有形または無形の資産) を投入して成果を達成する組織の能力を指します。CAF-AIは現在も進化を続けている知識の指標であるため、時間の経過とともに成長し、変化することが見込まれます。

CAF-AI foundational capability list

CAF-AI は、お客様の ML と AI への取り組みの出発点および方向付けのポイントとして設計されており、組織が中期的な AI と ML のアジェンダを策定し、それに影響する重要なトピックや視点を理解しようとする際にインスピレーションを得られるドキュメントとなることを意図しています。AI/ML ジャーニーのどの段階にいるかによって、特定のセクションに焦点を当ててそこでスキルを磨くことも、ドキュメント全体を使って成熟度を判断し、短期的な改善領域を導出することも可能です。

AI/MLが適用可能なビジネス課題は単一の機能や領域に限定されないため、AI/MLが差別化要素となる市場で競争の場をリセットする方法を探しているあらゆるビジネスの機能と業界ドメインに当てはまります。AI、ML、生成系AIのための AWS クラウド導入フレームワークは、この成果を達成するために AWS が提供する多くのツールの 1 つです。AI/MLは、何十年もの間解決するのが経済的ではない (またはAI/MLなしでは技術的に不可能だった) 問題に対するソリューションと解決への道筋を可能にするため、結果的に得られるビジネス成果の可能性は計り知れません。

AWS機械学習を選択するための意思決定ガイド

AWSは、常にお客様のための選択肢を重視してきました。AI の活用機会の拡大にあたり、お客様のビジネスニーズに最適なサービス、モデル、インフラストラクチャを選択できるよう、適切なサポートを受けられることが最も重要と考えています。AWS機械学習サービスを選択するための意思決定ガイドは、AWS が提供する AI および ML サービスの詳細な概要を示し、お客様とお客様のユースケースに適したサービスの選択方法に関する体系的なガイダンスを提供することを目的としています。

Screenshot of AWS machine learning decision guide in JP

本ガイドは、適切な選択を行うための基準の明確化と検討にも役立てることができます。たとえば、AWS が提供する AI/ML サービスの適用範囲 (下記スクリーンショット参照) について説明しています。この説明を参照することにより、お客様において必要な制御とカスタマイズの度合いなど、さまざまなレベルの管理要件に対応するサービスを選定することが可能になります。

Screenshot of AI/ML services list in Japanese

また、本ガイドでは、生成系AIの基盤モデルの力を引き出すための AWS サービスの独自機能や、急速に進化する生成系AIの分野を最大限に活用できる機会についても説明しています。

さらに、本ガイドには、特定のサービスの詳細、詳細なサービスレベルのテクニカルガイドへのリンク、主要サービスの独自の機能を強調した比較表、AI サービスと ML サービスの選択基準が掲載されています。AWS で AI、ML、生成系 AIの サービスを使い始めるのに役立つ主要なリソースへのリンクもまとめられています。

AWS が提供する AI、ML、生成系 AI サービスの幅広さを理解したいお客様におかれましては、本ガイドは良いスタートポイントになると考えています。

結論

このブログ記事で紹介したAWS機械学習サービスを選択するための意思決定ガイドと、AWS Cloud Adoption Framework for Artificial Intelligence, Machine Learning, and Generative AIでは、お客様からよく聞かれる技術的ならびに非技術的な質問が網羅されています。これらのリソースが皆様のお役に立てば幸いです。各リソースに対するフィードバックをお待ちしています。

著者について

Caleb Wilkinson はAIソリューションの構築に10年以上携わっています。AWSのシニアMLストラテジストとして、組織が責任のある形でAIからベネフィットが得られる可能性を広げるための革新的なAIアプリケーションを開拓しています。本記事で紹介したCAF-AIの共著者の一人です。

Alexander Wöhlke は、AI/ ML の分野で 10 年の経験があります。AWS Generative AI Innovation CenterのシニアMLストラテジスト 兼 テクニカルプロダクトマネージャーです。大規模組織のAI戦略策定に取り組んでおり、お客様が技術開発の最前線で計算されたリスクを取れるよう支援しています。本記事で紹介したCAF-AIの共著者の一人です。

Geof Wheelwright は AWS Decision Content チームのマネージャーです。本チームは、AWS 入門リソースセンターに掲載されている意思決定ガイドの執筆と開発を行っており、本記事で紹介した「AWS 機械学習サービスを選択するための意思決定ガイド」も作成しました。1980年代初頭にシンプルなテキストベースの Apple II 搭載版のELIZAを体験して以来、AIとその先祖に相当する技術との仕事を楽しんでいます。