Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2021/10/25週
みなさん、こんにちは。AWSソリューションアーキテクトの小林です。
11月10日の15時から、年内最後のAWSome Dayが開催されます。AWSに関する基礎知識を3時間で効率よく学習することができる無償のオンラインイベントですので、ぜひご参加ください。1:1のチャット形式によるQ&Aもできるようになっています。
さて、今回の週刊AWSですが、ぜひ取り上げたいと思うアップデートが多く大盛り号になってしまいました。Amazon DocumentDBの複数のアップデートや、Amazon EC2 Spot placement score、Amazon RDS Custom for Oracle、Babelfishなど興味深いアップデートが多数ありますので、ぜひ時間を取って目を通して頂ければ幸いです。
それでは、10月25日週のアップデートを振り返ってみましょう。
2021年10月25日週の主要なアップデート
- 10/25(月)
- Amazon DocumentDB(MongoDB互換)で利用可能なJDBCドライバを公開
Amazon DocumentDB(MongoDB互換)向けのJDBCドライバが公開され、TableauやMicroStrategy、QlikViewなどのBIツールからの接続が可能になりました。また、SQL WorkbenchなどのツールからDocumentDBのクラスタに対してSQLクエリを実行することもできます。なお、このドライバはApache 2.0ライセンスによるオープンソースでご利用頂けます。詳細についてはドキュメントをご覧ください。 - Amazon DocumentDB(MongoDB互換)で互換性強化のためのAPIサポート強化とインデクシングの改善を発表
Amazon DocumentDB(MongoDB互換)のバージョン 3.6と4.0において、Mongo DB APIのサポート強化とインデクシングの改善を行い、新たに$literal、$map、$$ROOTを使用できるようになりました。この機能はDocument DBが利用できる全てのリージョンでご利用頂けるようになっています。 - Amazon DocumentDB(MongoDB互換)で地理空間データの保存、クエリ、インデクス作成をサポート
Amazon DocumentDB(MongoDB互換)で地理空間データの保存、クエリ、インデクス作成が可能になりました。球面上のジオメトリ演算を行うクエリをサポートする2dsphere indexや、近接クエリ(proximity query)に利用される$nearSphere、$geoNear、$minDistance、$maxDistanceなどのMongoDB APIがサポートされました。詳細についてはブログ投稿をご確認ください。 - Amazon DocumentDB(MongoDB互換)でユーザ定義ロールを使ったアクセスコントロールが可能に
Amazon DocumentDB(MongoDB互換)でユーザ定義ロールを付与することで、ユーザに対してどういった操作を可能にする権限があるかを定義できるようになりました。これまでは組み込みのロールを使用する必要がありましたが、今回のリリースでこれまでよりも柔軟にロールベースのアクセス制御を実現することができるようになります。詳細についてはブログ記事もご覧ください。 - Amazon CloudFrontがクライアントのIPアドレスと接続ポート情報を含むヘッダを提供開始
Amazon CloudFrontがクライアントのIPアドレスと接続ポート情報を含んだヘッダ、CloudFront-Viewer-Addressヘッダを提供するようになりました。従来これらの情報はアクセスログから辿れるものの、リアルタイムには取得できませんでした。今回のアップデートにより、これらの情報に基づいて処理を行うことが可能になります。 - Amazon RDS for MySQLがバージョン8.0.26をサポート
Amazon RDS for MySQLと、Amazon RDS for MySQL on OutpostsでMySQLのバージョン8.0.26をご利用頂けるようになりました。
- Amazon DocumentDB(MongoDB互換)で利用可能なJDBCドライバを公開
- 10/26(火)
- Amazon QuickSightでSPICEデータセットの増分リフレッシュが利用可能に
Amazon QuickSightはSPICEと呼ばれる超高速で並列処理を行うインメモリ計算エンジンを内包しています。今回、SPICEに取り込んだデータセットを更新する際に、全てを更新するのではなく増分データのみを取り込む増分リフレッシュが可能になりました。増分リフレッシュはRedshiftなどのデータソースで利用でき、全体に対して更新データの割合が少ない場合に特に効果的です。詳細についてはドキュメントをご覧ください。 - Amazon RDS Custom for Oracleを発表
Amazon RDSをご利用のお客様から、OSやDB環境に直接アクセスをしたいというご要望を頂くことがありました。主な目的は従来のアプリケーションの移行や、パッケージがそれを必要するから、というものです。これまではこういったご要望にお答えすることはできませんでしたが、Amazon RDS Custom for Oracleではそれが可能になります。必要に応じてOSの設定をカスタマイズしたり、パッチを適用したり、DBMS(Oracle)の設定を変更したりといった作業が実行可能です。詳細についてはこちらの記事もご覧ください。 - Amazon EC2 DL1インスタンスを発表
Habana Labsが提供するGaudiアクセラレータを搭載したAmazon EC2 DL1インスタンスが一般利用開始になりました。深層学習モデルの学習処理をコストパフォーマンス高く実行するのに最適で、現行世代GPU搭載タイプのEC2インスタンスと比較してコストパフォーマンスを最大40%改善します。特に画像分析、物体検出、自然言語処理などに最適化されています。現時点ではDL1インスタンスはバージニアとオレゴンのリージョンでご利用頂けます。
- Amazon QuickSightでSPICEデータセットの増分リフレッシュが利用可能に
- 10/27(水)
- Amazon EC2 Spot placement scoreを発表
スポットインスタンスを起動する際に、どこのリージョン・アベイラビリティゾーンで起動するのが有利かを推奨する機能がEC2 Spot placement scoreです。必要なキャパシティ量やインスタンスタイプを指定すると、各リージョン・アベイラビリティゾーンの推奨度を示すスコアが1から10の範囲で応答されます(10が最も有利です)。あくまでも推奨の度合いを出力するもので、保証ではありませんのでその点にはご注意を。ブログ記事も出ています。 - Amazon EC2のAuto Scalingグループ、EC2フリート、Spotフリート向けに属性に基づいたインスタンスタイプ選択が可能に
Amazon EC2で属性ベースのインスタンスタイプ選択機能が利用可能になり、インスタンスタイプを明示的に指定しなくてもインスタンス群を起動・維持できるようになりました。必要なvCPUやメモリ量を指定するか、それに加えてストレージタイプ、ネットワークインタフェース、CPUのメーカー、アクセラレータの有無などの属性を指定すると、EC2 Auto ScalingやEC2/Spotフリートはそれを考慮して適切なインスタンスを起動します。ドキュメントとブログもぜひご確認を。 - AWS SAM Accelerateのパブリックプレビューを開始
AWS SAM CLIの新機能、SAM Accelerateのパブリックプレビューを開始しました。AWS SAM CLIはサーバレスアプリケーションの開発、テスト、パッケージング、デプロイを容易にする開発者ツールです。SAM Accelerateを利用すると、ローカルで行われたコードの変更をクラウドベースの環境にほぼリアルタイムで反映し、実環境でのテストに迅速に取りかかることができるようになります。興味のある方はブログ記事もどうぞ。
- Amazon EC2 Spot placement scoreを発表
- 10/28(木)
- AWS FargateがAmazon ECSのWindowsコンテナをサポート
Amazon ECSでWindowsコンテナを実行するワークロードにおいて、AWS Fargate上でコンテナを実行することが可能になりました。FargateにおいてWindowsコンテナを実行した場合、請求は1秒毎の粒度で最小15分のルールで行われます。Windows Server 2019 Long-Term Servicing Channel(LTSC)がFargate Windows Platform Version 1.0.0以降でサポートされます。北京、寧夏、AWS GovCloud(US)を除く全てのリージョンでご利用頂けます。 - Amazon Aurora PostgreSQLのバージョン13.4/12.8/11.13/10.18が利用可能に
PostgreSQL互換のAmazon Auroraで、PostgreSQL 13.4/12.8/11.13/10.18がサポートされました。なお、Amazon Aurora PostgreSQLのバージョン9.6は2022年1月31日にサポート終了となりますので、ご注意ください。 - Amazon Aurora PostgreSQLがPostGIS 3.1をサポート
PostgreSQL互換Amazon Auroraのバージョン13.4/12.8/11.13/10.18以降で、PostGISのバージョン3.1を利用できるようになりました。 - オープンソースプロジェクトBabelfish for PostgreSQLが利用可能に
オープンソースプロジェクト、Babelfish for PostgreSQLが利用できるようになりました。BabelfishはMicrosoft SQL Server向けに作成されたアプリケーションをPostgreSQLに移行しやすくすることを目的としており、SQL Serverとの通信に使われるプロトコルと、SQL Serverのクエリ言語であるT-SQLを解釈しPostgreSQLに引き渡すことができます。これによって従来のデータベース移行作業と比較して、作業量を減らすことが可能になります。 - Babelfish for Aurora PostgreSQLが一般利用開始に
PostgreSQL互換のAmazon Auroraの新機能として、Babelfish for PostgreSQLをご利用頂けるようになりました。Babelfishを利用すると、ドライバを切り替えることなくAuroraクラスタに読み書きを命令することができ、データベース移行に伴う作業を削減することにつながります。この機能はAurora PostgreSQLがサポートされる全てのリージョンでご利用頂けます。 - Amazon EC2のC6iインスタンスを発表
第3世代のIntel Xeon Scalable processor(Ice Lake)を搭載したコンピューティング最適化インスタンス、C6iが一般提供開始になりました。最大で128vCPU、256GiBのメモリを搭載したc6i.32xlargeもご用意しています。現時点ではバージニア、オハイオ、アイルランドのリージョンでご利用頂けます。
- AWS FargateがAmazon ECSのWindowsコンテナをサポート
- 10/29(金)
- Amazon EC2がAWS Organizationsを利用したAMIの共有をサポート
Amazon EC2でAMI(Amazon Machine Image)を共有する際に、特定のアカウントIDを対象にするのではなくAWS Organizationsの組織や組織単位(OU)を対象にすることができるようになり、自組織内でAMIを一元管理することが容易になりました。
- Amazon EC2がAWS Organizationsを利用したAMIの共有をサポート
それでは、また来週!
ソリューションアーキテクト 小林 正人 (twitter – @maccho_j)