Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2022/2/28週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの下佐粉です。
今週も週刊AWSをお届けします。
最初に2つイベントのお知らせを。16歳以上の学生を対象にしたレーシングリーグ「AWS DeepRacer Student League」が日本でも開催される事になりました。これに合わせて、初めて機械学習に触れるという学生の皆様向けに機械学習の基礎やAWS DeepRacer の概要を説明するワークショップが 3 月 17 日(木)に開催されます。これから機械学習にチャレンジしたいという学生の方はぜひご参加ください。
– AWS DeepRacer Student ワークショップ
もう1つ、大阪リージョンがフルリージョンとしてオープンして1周年を記念した座談会をAWSメンバーで実施させていただく事になりました。3月9日(水)19時の開催で、JAWS-UG磐田支部、JAWS-UG愛媛、 JAWS-UG金沢、JAWS-UG群馬、JAWS-UG アーキテクチャ専門支部、JAWS-UG浜松、JAWS-UG KANSAIのどこからでも参加いただける形になっています、座談会の内容は同じですが、その後の懇親会や検討は各JAWS-UG個別に行うという形です。私も久しぶりにJAWS-UGに登壇させていただく予定です。ぜひご参加ください。
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2022年2月28日週の主要なアップデート
- 2/28(月)
- Amazon Braket が Oxford Quantum Circuits の新しい量子処理ユニットへのサポートを追加し、欧州 (ロンドン) リージョンで利用可能に
AWS の量子コンピューティングサービスの Amazon Braket で、英国の Oxford Quantum Circuits (OQC) の新しい超伝導ゲートベース量子処理ユニット (QPU) である通称 Lucy のサポートが追加されました。日本時間の平日午後7~10時に利用可能です。 - AWS Application Migration Service が Windows Server 2003、2008、2022 および Windows 10 のサポートを開始
アプリケーションをクラウドに移行する事を支援するAWS Application Migration Service (AWS MGN) で、Windows Server 2003 (32 ビットおよび 64 ビット)、および Windows Server 2008 (32 ビットおよび 64 ビット) 、Windows 10 および Windows Server 2022 のサポートが追加されました。サポートOSの情報についてはこちらをご確認ください。 - EC2 Hibernation がアジアパシフィック (ジャカルタ) とアジアパシフィック (大阪) AWS リージョンで利用可能に
Amazon EC2 の Hibernation 機能が利用可能なリージョンが拡張され、大阪リージョンでもご利用いただけるようになりました。メモリの状態をストレージに保存して一時停止、およびそこから再開することを可能にする機能です。 - AWS expands NAT64 and DNS64 capabilities in all AWS Commercial and AWS GovCloud (US) regions
AWSのVPCで NAT64 と DNS64 が利用可能になりました。東京・大阪の両リージョンでも利用可能です。これによりVPC内部はIPv6のみで構成しつつも、外部のIPv4ネットワークにアクセスが可能になります。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - Announcing the first iteration of the new unified AWS Health Dashboard
AWS Health Dashboardが利用可能になりました。これはAWSサービス全体の状況を示す AWS Service Health Dashboard とユーザの利用環境での情報を示す Personal Health Dashboard が統合され、1か所で確認可能な形になったものです。
- Amazon Braket が Oxford Quantum Circuits の新しい量子処理ユニットへのサポートを追加し、欧州 (ロンドン) リージョンで利用可能に
- 3/1(火)
- AWS が Customer Carbon Footprint Tool の提供を開始
Customer Carbon Footprint Tool の提供が開始されました。これは、利用中の AWS ワークロードによる環境への影響を算出することを支援するもので、二酸化炭素排出量の履歴、AWS の使用量が増加した場合に見込まれる排出量の評価、オンプレミスのデータセンターの代わりに AWS を導入したことで回避できた二酸化炭素排出量の推定値等を提供します。詳細はこちらのブログ記事をご確認ください。 - Amazon Fault Injection Simulator now supports Task-Level Faults for Amazon Elastic Container Service
AWS上で意図的に障害を挿入(インジェクション)することでその影響を確認するテストを可能にする AWS Fault Injection Simulator (FIS)で、 Amazon Elastic Container Service (ECS) のタスク単位での失敗(Failure)を挿入できるようになりました。詳細はこちらのドキュメントをご覧ください。同時にFISのCloudWatch Logsへのロギング機能追加も発表されています。
- AWS が Customer Carbon Footprint Tool の提供を開始
- 3/2(水)
- Achieve faster database failover with the Amazon Web Services JDBC Driver for MySQL
AWS JDBC Driver for MySQL が一般提供開始(GA)になりました。これは、RDS for MySQL, MariaDB、およびAurora MySQL Compatibility 用のOSSで提供されるJDBCドライバです。このドライバを利用することで、フェイルオーバー完了までにかかる時間を短縮化することが可能であり、Java言語からのアクセス時にはこのドライバの利用が推奨されます。 - Introducing a new Amazon RDS Multi-AZ option with up to 2x faster transaction commit latency, automated failovers typically under 35 seconds, and readable standby instances
Amazon RDS for PostgreSQLとMySQLで新しマルチAZデプロイメントオプションが利用可能になりました(現在はN. Virginia, Oregon, Irelandで利用可能です) 。RDSはこれまでもマルチAZデプロイメントが利用可能でしたが、これはスタンバイ側のDBはデータのキャッチアップのみ実施しており、スタンバイにはアクセスできませんでした。新しい方式では3つのAZに分散され、スタンバイDBも読み取りアクセス可能になった事が大きな違いです。この構成によりフェイルオーバーが高速になる(通常35秒以内)というメリットがあります。また利用するR6gd/M6gdインスタンスが持つ高速なNVMe SSDを活用することでより高速な書き込み処理が実現されます。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - You can now choose from two different compression options on Amazon FSx for OpenZFS
Amazon FSx for OpenZFSで圧縮アルゴリズムとして、これまで利用可能であったZ Standardに加え、LZ4が選択可能になりました。Z Standardは高い圧縮率を提供するアルゴリズムである一方、LZ4はZSTDよりは圧縮率は低くなりますが、圧縮に必要なリソースが少ないため、書き込み時により高いスループットを実現可能になります。詳細はこちらのドキュメントをご覧ください。
- Achieve faster database failover with the Amazon Web Services JDBC Driver for MySQL
- 3/3(木)
- Amazon RDS for Oracle now supports ALLOW_WEAK_CRYPTO* parameters for the Oracle Native Network Encryption (NNE) option
Amazon RDS for Oracle で新たにOracle Native Network Encryption (NNE) を利用可能にするsqlnet.oraオプションが設定可能になりました。これにより通信の暗号化に利用するアルゴリズムを限定して、例えば古いアルゴリズムを利用した接続をできなくするといった設定が可能になります。詳細はこちらのドキュメントをご覧ください。
- Amazon RDS for Oracle now supports ALLOW_WEAK_CRYPTO* parameters for the Oracle Native Network Encryption (NNE) option
- 3/4(金)
- You can now customize how data is stored on your Amazon FSx for OpenZFS file system to optimize performance for database applications
Amazon FSx for OpenZFS でレコードサイズを設定可能になりました。これはデータを読み書きする最小の単位を変更可能にするものです。多くのアプリケーションにはデフォルトの128KBで問題ありませんが、アプリケーションによってはより小さいサイズ(4KB等)で大量のデータを読み書きする場合があり、FSx側のレコードサイズを合わせることでパフォーマンスの向上が見込めます。
- You can now customize how data is stored on your Amazon FSx for OpenZFS file system to optimize performance for database applications
最後に1つ重要なお知らせを。これまでも何度かお伝えしていますが、RDS for Oracle Database 12.2.0.1および12.2.0.2のサポート終了が間近に迫っています。もしまだ該当バージョンのRDSをお使いの場合は以下の情報をご確認ください。
– Amazon RDS for Oracle バージョン 12.1.0.2と12.2.0.1 のサポート終了のお知らせ
それでは、また来週!
ソリューションアーキテクト 下佐粉 昭 (twitter – @simosako)