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週刊AWS – 2022/7/11週

みなさん、こんにちは。AWS ソリューションアーキテクトの小林です。

このポストでも取り上げていますが、Amazon Redshift Serverless が一般利用開始になりました。クラスタの構成を決めたり、負荷に応じて再構成したりといった作業をすることなくシンプルに「データを入れて、分析する」という仕事に注力できるサービスになっていますので、ぜひ試してみて頂きたいと思います。来週火曜日、7/26 の 19:00-20:00 で Amazon Game Tech Night というオンラインイベントを開催します。このイベントでは Redshift Serverless の機能やクエリエディタを利用したユーザ体験のデモを予定しています。ゲームの分析にフォーカスしていますが、ゲーム業界と関わりのない方にも得るものがあるイベントですので、もしご都合が合うようでしたらご参加ください。

それでは、7 月 11 日週のアップデートを振り返ってみましょう。

2022 年 7 月 11 日週の主要なアップデート

  • 7/11(月)
    • Amazon EMR runtime for Apache Spark の Result Fragment Caching でクエリ性能を最大 15 倍高速に
      Amazon EMR runtime は Apache Spark 向けのランタイム環境です。今回、EMR runtime で利用可能な新機能として Result Fragment Caching を発表しました。Result Fragment Caching を利用すると、結果のフラグメントを自動的にキャッシュすることで性能改善を行うことにより、変更されないデータに対して繰り返し実行されるタイプのクエリを最大 15 倍高速化することが可能です。
  • 7/12(火)
    • AWS Cloud WAN の一般利用開始を発表
      AWS Cloud WAN の一般利用開始をアナウンスしました。このサービスは統合されたグローバルネットワークの構築・管理・モニタリングを可能にする WAN サービスで、AWS リソース群とオンプレミス環境の間を流れるトラフィックを管理可能です。日本のお客様からも注目度の高いサービスですので、日本チームからも情報発信をする準備を進めていますので、少しだけお待ちください。
    • Amazon Redshift Serverless の一般利用開始を発表
      DWH クラスタのプロビジョニングや管理の手間なく、データの蓄積や分析を行える Amazon Redshift Serverless が一般利用開始になりました。従来の Redshift が備えるほぼ全ての機能がそのままご利用頂けます。コンピューティング費用は秒単位で計算される従量課金になっていますので、需要にムラがあって負荷量を予測しづらい分析業務など幅広くご利用頂けます。ブログ記事もご覧ください。
    • Amazon Redshift の自動マテリアライズドビュー機能の一般利用開始を発表
      Amazon Redshift で自動マテリアライズドビュー (AutoMV) 機能が一般提供開始になりました。この機能は繰り返されるクエリの処理時間を短縮するため、機械学習の技術を活用して自動的にマテリアライズドビューを作成します。エンジニアが性能改善のためにマテリアライズドビューを設計し、作成するという手間なく、分析ワークロードを効率化することが可能です。
    • Amazon Redshift が行レベルセキュリティをサポート
      Amazon Redshift で行レベルセキュリティ (RLS) をご利用頂けるようになりました。
  • 7/13 (水)
    • 大きなアップデートはありませんでした。
  • 7/14 (木)
    • Amazon QuickSight の IE11 サポートが 7 月末で終了します
      Microsoft 社による Internet Exproler のサポートは既に終了していますが、これを受けて Amazon QuickSight でも2022 年 7 月 31 日をもって Internet Exproler 11 のサポートを終了します。この期日以降は IE11 での動作が保証されなくなるため、Edge/Chrome/Firefox などのブラウザをご利用頂くようお願いします。
    • Amazon Redshift でクラスタリサイズ時のパフォーマンスを改善
      クラスタをプロビジョンするタイプの (Serverless ではない) Amazon Redshiftでは、クラスタのリサイズには複数の方法があります。基本的には「伸縮自在なサイズ変更 (Elastic Resize)」をご利用頂くのがベストですが、構成によっては「従来のサイズ変更 (Classic Resize)」を利用する必要があります。今回、従来のサイズ変更 (Classic Resize) のパフォーマンスが改善され、数分で実行できるようになりました。また、暗号化されていないクラスタのスナップショットから暗号化されたクラスタに直接リストアしたり、暗号化鍵を変更することも可能になっています。
    • AWS Firewall Manager で AWS Network Firewall がルールを評価する順序を明確に指定可能に
      AWS Firewall Manager を利用して、AWS Network Firewall がルールを評価(適用)する正確な順序を指定可能になりました。例えば、パスルールの前にドロップルールを評価する、アラートルールを先に評価するといった要件を明確に指定できるようになります。
    • Amazon VPC Flow Logs が Transit Gateway をサポート
      Amazon VPC Flow Logs は IP トラフィックに関する情報をキャプチャできるようにする機能です。今回 VPC Flow Logs が Transit Gateway をサポートしました。これにより、Transit Gateway を通過するトラフィックについて送信元・送信先の IP アドレスやポート、プロトコルなど、様々な情報を収集できるようになります。
  • 7/15 (金)
    • Amazon SageMaker でモデルのデプロイ先インスタンスとして ml.g5/ml.p4d/ml.c6i をサポート
      Amazon SageMaker ではワークロードに併せて最適なインスタンスタイプを選択できるようになっています。今回、リアルタイムまたは非同期の推論インスタンスとしてml.g5、ml.p4d、ml.c6i をご利用頂けるようになりました。
    • AWS Lambda Powertools for TypeScript が一般利用開始に
      サーバレスのベストプラクティスを Lambda 関数のコードに組み込むために役立つオープンソースの開発者ライブラリ、AWS Lambda Powertools for TypeScript が一般利用開始になりました。今回のリリースでは可観測性向上に役立つ、Tracer/Logger/Metrics という3つの機能にフォーカスしています。このツールは Lambda の Node.js ランタイム向けにコードを書く際に利用できますが、Python と Java 向けにも Powertools が用意されていますので、Python/Java で開発する場合はそちらをご利用ください。ブログ記事もぜひ。
    • Amazon Aurora ( PostgreSQL 互換) で R6i インスタンスを利用可能に
      PostgreSQL 互換の Amazon Aurora で R6i インスタンスがご利用頂けるようになりました。R6i インスタンスは第 3 世代の Intel Xeon Scalable Processor を搭載し、最大で 128vCPU/1,024GiB のメモリを搭載した R6i.32xlarge をご用意しています。なお、R6i インスタンスは Aurora PostgreSQL 12.9/13.5/14.3 以上のバージョンでご利用頂けます。

それでは、また来週!

ソリューションアーキテクト 小林 正人 (twitter – @maccho_j)