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週刊AWS – 2023/7/31週
みなさん、こんにちは。AWS ソリューションアーキテクトの小林です。
8月30日と、9月1日にAWSのオンラインカンファレンス、AWS Innovateを開催します。8月30日はAWS Innovate Data Editionということで、データ活用のための基盤構築や最適化、機械学習技術のビジネスへの応用などを4時間で学べるコンテンツをご用意しています。9月1日はAWS Innovate Every Application Editionとして、お客様の全てのアプリケーションを支えるAWSのインフラストラクチャやテクノロジーについて4時間で学べるようになっています。視聴には登録が必要ですが、1回登録すれば両方に参加できますので、是非ご参加ください。
それでは、7月31日週のアップデートを振り返ってみましょう。
2023 年 7 月 31 日週の主要なアップデート
- 7/31(月)
- Amazon Aurora MySQLでLocal Write Fowardingに対応
MySQL 8.0互換のAurora MySQL 3でRead after write consistency(書き込み後の読み込み整合性)を必要とする場合に向けて、Local Write Fowarding(ローカル書込転送)が利用できるようになりました。AuroraのRead Replicaに読み取り・書き込み両方のトランザクションを発行可能できるので、書き込みはWriterに、読み込みはRead Replicaに、という制御が不要になる点がメリットです。書き込みトランザクションはWriterに転送される形で実行されるので、読み取り主体で時々書き込み、といった場合に特にお勧めです。ご利用検討の際はドキュメントを確認するようにしてくださいね。 - Amazon Aurora MySQLのバージョン3.04(MySQL 8.0.28互換)が一般利用開始に
Amazon AuroraのMySQL互換エディションで、バージョン3.04が一般利用開始になりました。このバージョンはMySQL 8.0.28との互換性を持っています。詳細についてはAurora MySQL 3のリリースノートと、MySQL 8.0.28のリリースノートを参照してください。 - Amazon Inspectorの検知項目に含まれる脆弱性情報を強化
Amazon Inspectorでこれまでよりも幅広い脆弱性情報が提供されるようになりました。脆弱性の攻撃に利用されるマルウェアキットの名前や、MITRE ATT&CKフレームワークへのマッピング、CISAがKVECに脆弱性情報を追加した日付、EPSSスコアなどがコンソールで確認できるようになり、これまでよりも優先度や緊急度の判断や、詳細な情報収集が容易になるメリットがあります。
- Amazon Aurora MySQLでLocal Write Fowardingに対応
- 8/1(火)
- Microsoft 365 Apps for enterpriseがAmazon WorkSpacesで利用可能に
Amazon WorkSpacesの仮想デスクトップ環境でMicrosoft 365 Apps for enterpriseをご利用いただけるようになりました。Microsoft 365 E3/E5、Microsoft 365 A3/A5、Microsoft 365 Business Premiumが対象で、Microsoftのライセンス要件を満たす場合に、既存のライセンスを持ち込むことが可能です。 - Amazon ElastiCacheがGraviton 3ベースのM7g/R7gインスタンスをサポート
Amazon ElastiCacheでAWS Graviton 3プロセッサを搭載したM7g/R7gインスタンスを利用できるようになりました。Graviton 2ベースのインスタンスと比較してスループットが最大28%向上、P99レイテンシーが最大21%改善されています。 - Amazon SQSのFIFO High Throughput modeでスループット上限を拡張
Amazon SQS(Simple Queue Service)が提供するFIFOキューの高スループットモードでスループット上限が拡張され、より高負荷かつ順序関係の維持が必要なワークロードに対応しやすくなりました。東京リージョンではAPIアクションごとに4,500件/秒が上限ですが、リージョンによって異なるのでドキュメントを確認してください。 - AWS BackupでAmazon S3に対するバックアップのパフォーマンスを改善
AWS Backupで、3億を超えるオブジェクトを格納したS3バケットに対するバックアップのパフォーマンスが最大10倍に向上し、より大規模なバックアップフローの構築が容易になります。
- Microsoft 365 Apps for enterpriseがAmazon WorkSpacesで利用可能に
- 8/2(水)
- Amazon VPC IP Address ManagerがAWSリソースでのIPアドレス利用に関するメトリック情報を提供開始
Amazon VPC IP Address Manager(IPAM)でVpcIPUsage/SubnetIPUsage/PublicIPv4PoolIPUsageというメトリックが利用できるようになりました。これを利用すると、AWSリソース全体でのIPアドレスの利用状況をトラッキングして、最適化することが可能です。 - Amazon EC2 M7i-flex/M7iインスタンスを発表
Amazon EC2で、第4世代Intel Xeon Scalable prosessorのAWSカスタム版を搭載したインスタンスタイプ、M7i-flex/M7iインスタンスをご利用いただけるようになりました。M6iと比較してコストパフォーマンスが最大19%改善されています。現時点ではオハイオ、バージニア、オレゴン、アイルランドのリージョンでご利用いただけます。
- Amazon VPC IP Address ManagerがAWSリソースでのIPアドレス利用に関するメトリック情報を提供開始
- 8/3(木)
- Amazon EFSが最大55,000IOPSのパフォーマンスに対応
Amazon EFSでひとつのファイルシステムあたり、最大で55,000IOPSの読み込みと、25,000IOPSの書き込みに対応できるようになりました。
- Amazon EFSが最大55,000IOPSのパフォーマンスに対応
- 8/4(金)
- Amazon RDSでRDS/AuroraとAWS Lambdaの間の接続をシンプルに
Amazon RDS Proxyを利用して、AWS Lambda関数とRDS/Auroraのデータベースとの接続を自動的にセットアップできるようになりました。この機能を利用するとLambda関数とデータベースの接続に必要なネットワーク設定等を行い、自動的にデータベースと安全でスケーラブルな接続を確立します。 - Amazon SageMakerでSalesforce Data Cloudと直接の統合が可能に
Amazon SageMakerがSalesforce Data Cloudと直接統合され、SageMakerからSalesforce Data Cloudのデータに安全にアクセスし、MLモデルを構築・トレーニング・デプロイすることが可能になります。Salesforce Einstein Studioを利用してMLモデルをSalesforce Data Cloudに取り込んで、MLを組み込んだアプリケーションを開発することも可能です。詳細についてはブログ記事もご覧ください。
- Amazon RDSでRDS/AuroraとAWS Lambdaの間の接続をシンプルに
ちなみにですが、生成系AIの技術が盛り上がってきていますね。私自身もお客様から、自分たちのビジネスに活かせないか?というご相談を頂くケースが増えています。いろいろなお客様に適用可能なアプローチが様々な社内情報検索を、LLMを利用して高度化しようというRAGと呼ばれる方法です。AWSでRAGによる高度な情報検索を可能にするサンプルコードをGitHubで公開していますので、是非ごらんください。
ソリューションアーキテクト 小林 正人 (twitter – @maccho_j)