Amazon Web Services ブログ

週刊AWS – 2024/3/11週

みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの下佐粉です。
今週も週刊AWSをお届けします。

2週前から、週刊AWSのOGP(SNSでシェアされたときや、ブログ一覧画面で表示される写真)がメンバー4名のものに更新されているのに気づいていただけたでしょうか?去年の夏ごろから4名体制になっていたのですが、先日ようやく4名で写真を撮ることができました。色々な面白い(?)OGPを用意していますので、こちらもお楽しみに。

さて、以前にQuickSightのコミュニティサイトで日本語でディスカッションできるタグができたことはお知らせしましたが、合わせてQLS(QuickSight Learning Series)と呼ばれる新機能等を解説するオンライン勉強会も日本語版が提供されることになりました。4月にその第一回が開催されます。QuickSightを利用中の方はぜひチェックしてみてください。

QLS:新機能とデモ:バックアップとリストア機能でアセットを効率的に管理する

それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。

2024年3月11日週の主要なアップデート

  • 3/11(月)
    • Amazon RDS for Db2 expands support for X2iedn instances in additional regions
      Amazon RDS for Db2 で X2iedn インスタンスが利用可能なリージョンが拡大され、東京・大阪両リージョンでも利用可能になりました。X2iednは高いコンピューティング能力(最大128 vCPU)、大容量メモリ(最大4 TB)、高いストレージスループット(最大256K IOPS)、32:1のメモリ対vCPU比を提供するように設計された、大規模DB用途に向いたインスタンスです。
    • Amazon Verified Permissions increases default quotas for authorization APIs
      Amazon Verified Permissions で、IsAuthorized APIとIsAuthorizedWithToken APIのデフォルトの処理能力クオーター(TPS)が30から200に引き上げられました。これらのAPIは名前の通りユーザーの認証とアクションの承認するために呼び出されるもので、より大規模な環境でも利用しやすくなりました。
    • CloudWatch Container Insights now delivers observability for NVIDIA GPUs on EKS
      Amazon CloudWatch Container Insights with Enhanced Observability for EKS がクラスター上のNVIDIA GPUに対して、observability (観測性)を提供するようになりました。この機能はCloudWatch Observability Add-on をクラスター上に導入することで利用可能です。これにより、GPU利用率やメモリの使用率の観測が容易になり、分散トレーニング時にリソースが効率的に利用されているかを確認しやすくなります。
    • Experience up to 40% faster stack creation with AWS CloudFormation
      AWS CloudFormation でスタック作成のスピードが最大40%速くなる改善が行われました。これまでスタックのイベントとしては CREATE_IN_PROGRESS と CREATE_COMPLETE のみでしたが、新たに CONFIGURATION_COMPLETE が導入されました。これはAWSサービスとの整合性チェックが完了するのを待ち始めたことを表すものですが、これを利用して CREATE_COMPLETE を待たずに依存するリソースのプロビジョニングを開始することができるようになりました。これにより待ち時間が減り、スタック作成が高速化されます。
  • 3/12(火)
    • Operationalize forecasting models and Fine-tuned FMs with SageMaker Canvas
      Amazon SageMaker Canvas と SageMaker Model Registry との統合が拡張され、時系列予測モデルと SageMaker JumpStart を利用したファインチューニングされた基盤モデル(FM)を利用するよう拡張されました。これによりワンクリックで、Amazon SageMaker Canvas で構築されたこれらの ML モデルを SageMaker Model Registry 登録することができ、本番環境へのデプロイを簡素化します。
    • AWS Backup now supports restore testing for Amazon Elastic Block Store (EBS) Snapshots Archive
      AWS Backup が Amazon EBS Snapshotからのリストアのテストをサポートしました。これにより、AWS Backup でバックアップ対象のAWSリソースに対し、容易にリストアのテストをしたり、テストの自動化が可能になります。
  • 3/13(水)
    • Amazon S3 Connector for PyTorch now supports writing checkpoints with PyTorch Lightning
      Amazon S3 Connector for PyTorch で、PyTorch Lightning モデルのチェックポイントをAmazon S3に直接保存することをサポートしました。これによりトレーニングジョブのコストとパフォーマンスを改善します。PyTorch Lightningは、PyTorchによるトレーニングのためのハイレベルなインターフェースを提供するOSSのフレームワークです。これまでのように、Amazon EC2インスタンスストレージにいったん保存する方式よりも最大40%高速になることが期待できます。
    • Amazon EFS now supports up to 20 GiB/s of throughput
      Amazon Elastic File System(Amazon EFS)は、フルマネージドのNFSサービスです。今回ファイルシステムあたりのスループットを、読みとりを最大 20 GiB/sに、書き込みを最大 5 GiB/sにそれぞれ性能向上させました(以前はそれぞれ10 GiB/sと、3 GiB/sでした)。先日、EFSの機能解説動画と資料が公開されたので、こちらも合わせてご覧ください。
  • 3/14(木)
    • Anthropic’s Claude 3 Haiku Model now available on Amazon Bedrock
      Anthropic の基盤モデル(FM)である Claude 3 Haiku が Amazon Bedrock で利用可能になりました。Claude 3 ファミリー(Claude 3 Opus、Claude 3 Sonnet、Claude 3 Haiku)は、Anthropic の次世代の最先端モデルであり、その中でも Haiku は高速なレスポンスを提供するのが特徴です。詳細はこちらのブログをご覧ください。これにより、Cloud 3 ファミリーのうち、SonnetとHaikuがBedrock上で利用可能になりました。なおOpusも近日の提供開始が予告されています。
    • Application Load Balancer enables configuring HTTP client keepalive duration
      Application Load Balancer (ALB)で、クライアントとロードバランサー間の通信における HTTP Client Keepalive の時間を設定できるようになりました。HTTP Client keepaliveはALBがクライアントとのHTTP接続を維持する最大時間を指定するもので、最小60秒から最大7日間の値を設定できるようになりました(デフォルトは3600秒です)。
  • 3/15(金)
    • Amazon Timestream for InfluxDB is now generally available
      Amazon Timestream for InfluxDB が一般提供開始(GA)になりました。東京リージョンでもすでに利用可能です。フルマネージドのInfluxDBサービスであり、InfluxData社とAWSとのパートナーシップにより実現しました。また、これまでのAmazon Timestreamは、Timestream for LiveAnalyticsという名前になり、InfluxDBと平行して選択可能になっています。詳細はこちらのブログをご覧ください
    • Amazon CloudWatch Synthetics now supports 30-day historical data on canary runs
      Amazon CloudWatch Synthetis はWeb アプリケーションやAPI を簡単に監視できるようにするサービスで、エンドポイントの継続的なテストを実現します。今回そのテスト(Canary run)の結果を履歴として最大30日間保存可能に拡張しました(以前は最大7日間でした。この履歴には実行時のスクリーンショット、HARファイル、ログファイルなどが含まれます。

最後に2つ紹介させてください。1つ目は株式会社明治が、30年基幹システムで使ってきたメインフレームのワークロードをAWSにマイグレーションしたという事例です。AWS Mainframe Modernizationというメインフレームのモダナイゼーションを支援するための仕組みを活用されたもので、食品業界だけでなく、多くの日本企業に参考になる事例ではないかと思います。

株式会社 明治、老朽化した基幹システムをクラウドで近代化 AWS Mainframe Modernizationを活用した日本国内初のお客様に

もう1つは、IBM Db2 をAWSにマイグレーションを検討される方向けのオンラインセミナーです。私も久しぶりにセミナー講師をやる予定です。オンプレミス上でDb2を利用している方はぜひご参加ください。AWSの基本的な部分からご説明する内容になっています。4月11日午前10時~12時の予定です。

IBM Db2 の資産を AWS で活用する ~ Amazon RDS for Db2 の概要とマイグレーション支援サービス ~

それでは、また来週!

ソリューションアーキテクト 下佐粉 昭 (X/twitter – @simosako)