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Capella が宇宙環境を利用して地球をより身近に

オンデマンドで合成開口レーダー (Synthetic Aperture Radar, SAR) により撮影した地球観測画像を提供している Capella Space 社は、AWS へ All-in する方針を発表しました。これにより Capella 社は、業務の自動化や規模拡大に向けて、IT インフラすべてを AWS 上で稼働します。 AWS Ground Station では簡単かつ高いコスト効率で衛星コンステレーションのコマンド制御が実施でき、世界中に展開されている AWS のフルマネージドなアンテナシステムのネットワークを通して、人工衛星からダウンリンクしたミッションデータを直接 AWS で受け取ることができます。

「地上局のインフラを AWS で稼働させることによって、Capella および Capella のお客様はグローバル規模へ業務を拡大しつつ、自動化が実施できるため、レイテンシや対応時間を最小化することができます。今回、クラウドで提供される最新機能やイノベーションを活用できるよう我々の運用プロセスを最適化しており、AWS と Capella のパートナーシップは両社の強固な関係性を築く礎となります。」と Capella Space の Founder と CEO である Payam Banazadeh 氏は言っています。

衛星画像を利用した地球観測は、地球上の変化をモニタリングすることによって、地球上でも最も規模の大きい課題を解くことができます。例えば、ハリケーンや洪水のような自然災害が起こった場合に、政府は地球観測データを利用することで被害状況の全体像が得られ、その情報を利用して復旧活動を早めることに利用できます。自然保護団体は、データを利用して地表面の変化をモニタリングし、野生動物への影響を調べ、絶滅危惧種の保護活動への参考情報とすることができます。研究者たちは、土壌の水分を調べることで、作物の収穫量に関する予測精度を改善でき、飢餓を防ぐために利用できます。

これらのようなシナリオにおいては、人工衛星データを即時に利用できるといったことが不可欠ですが、タスク登録を完了して、衛星との通信をスケジュールし、通信を確立してミッションデータのダウンリンクしてから処理をする際には、ほとんどの地上局の場合は最大で24時間もかかってしまうことがあります。また、従来の人工衛星はほとんど特定の軌道へ投入されるため、毎日数時間しか地球を観測できず、穀物の状態監視や天気予報のような常時モニタリングが必要なユースケースにおいて、変化を精度よく観測することができません。加えて、多くの場合は天候や日照条件の課題もあり、地球表面上の75%は観察することができません。さらに、必要な時に必要な場所で人工衛星のデータをダウンロードするためには、維持・管理するのに非常に大きなコストがかかる地上局に対して、複数の地理的に分散された箇所に渡って投資が必要で、地上局の上空を通るまで待たなくてはいけません。

Capellaの合成開口レーダが搭載された人工衛星は、曇天や暗闇であったとしても、ミリメートルオーダの空間分解能がある衛星画像をどんな天候条件下でも24時間年中無休で取得でき、国防や人道支援の分野のように観測条件が激しく変動する場合でも、恒常的なモニタリング機能を提供できます。「世界中のどこでも、すぐにかつ高頻度で高解像度の衛星画像を利用できる環境というのは、これまで存在していませんでした。今となっては衛星画像をかつてないほど簡単かつニアリアルタイムで取得することができます。」とBanazadeh 氏は言っています。

AWS を利用することによって、Capella のお客様は人工衛星の画像を取得してから分単位のオーダーでデータへアクセスすることができ、これは従来の衛星データを提供するサービスよりも圧倒的に速いです。 世界中にある AWS Ground Station のアンテナと直接通信することによって、 Capella の地球観測ソリューションは人工衛星のデータをこれまでよりもずっとコスト効率良くサービスが提供できますし、農業、インフラ、国防、災害復旧に携わるお客様が迅速にデータを解析して価値を引き出せるよう支援できます。「また、データを高速かつ確実に提供し、迅速な配信ができるようにするという部分においても、AWSには本当に助けてもらっています。」(Banazadeh 氏)

仕組み

Capella は Areas of Interest (AOI) と呼ばれる関心地域に関する衛星画像の取得リクエストをウェブアプリケーションまたは API を通じてお客様から受領します。画像取得のタスクは Capella の対地同期軌道にある通信中継衛星によって、特定の人工衛星へすぐにルーティングされ、データダウンリンク用のコンタクトは AWS Ground Station のスケジューリング用 API を通じて予約されます。Capella の人工衛星は AOI の上空を飛行しており、ミリメートルレベルの変化を検出するタスクや大域の画像データを収集するといったタスクに応じて自身の状態を調整します。Capella の人工衛星が画像を取得し、宇宙飛行を続ける間に、合成開口レーダで取得した画像を AWS クラウドの環境へとデータをダウンリンクし、すぐに提供できるように高品質な画像へと変換されます。

生データを AWS の AWS Ground Station を通してダウンリンクすることによって Capella は人工衛星データの鮮度を改善でき、お客様に対して分単位のオーダーでデータを提供できるようになっています。フルマネージドなサービスなので、AWS Ground Station を利用することで Capella Space のチームは自分たちの地上局のインフラ設備を構築または管理しなくとも、衛星との通信、データの処理、運用を規模拡大させることができます。AWS の地上局のインフラを利用することによって、Capella はデータ処理・解析・配信を行う新しいアプリケーションのイノベーションにリソースを集中できるようになりました。「AWS との協業で我々が構築している宇宙をベースとした技術は、21世紀以降の人類におけるセキュリティ・商取引・環境保護そして幸福を向上できると Capella Space では信じています。」

AWSを利用して航空宇宙および人工衛星のワークフローを構築する方法についてはここで学べます。

原文はこちら。AWS ソリューションアーキテクトの奥野が翻訳いたしました。