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AWS におけるパブリック IPv4 アドレスの使用状況の特定と最適化

この記事は、Identify and optimize public IPv4 address usage on AWS を翻訳したものです。

本日、AWS は2024 年 2 月 1 日から始まるAWS提供のパブリック IPv4 アドレスに対する新しい費用請求について 発表しました 。このブログ記事では、アイドル状態及び使用中のパブリック IPv4 アドレスの追跡と監視、将来のコストの見積もり、最適化の機会の特定に役立つ、本日リリースされた 2 つの新機能を紹介します。これらの変更が AWS の費用請求にどのような影響を与えるかをよりよく理解していただくため、本日より AWS Cost and Usage Report (CUR) に、パブリック IPv4 アドレスに関する詳細情報を提供する新しい使用タイプが表示されるようになります。また Public IP Insights もローンチしています。これは Amazon VPC IP Address Management (IPAM) の新しい機能で、パブリックIPv4アドレスの監視、分析、監査を容易にします。最後に、パブリック IPv4 アドレスの使用と最適化の機会の特定に関する一般的なベストプラクティスを紹介します。
まず、4 種類の AWS パブリック IPv4 アドレスと、それぞれのアドレスが公表されている料金にどのように影響するかを簡単に説明しましょう。

AWS パブリック IPv4 アドレスの種類

AWS は、Amazon EC2 パブリック IPv4 アドレス、Amazon が所有する Elastic IP アドレス、サービス管理のパブリック IPv4 アドレス、Bring Your Own IP (BYOIP) の 4 種類のパブリック IPv4 アドレスを追跡します。新しい料金は、BYOIP を除くすべてのパブリック IPv4 アドレスタイプに適用されます。

1. Amazon Elastic Compute Cloud (EC2) パブリック IPv4 アドレス
AWS リソースをデフォルトの Amazon Virtual Private Cloud (VPC) で起動する場合、またはパブリック IP アドレスの自動割り当て設定が有効になっているサブネットでは、Amazon プールからパブリック IPv4 アドレスを自動的に受け取ります。自動的に割り当てられたパブリック IPv4 アドレスは AWS アカウントには関連付けられません。そのため、EC2 パブリック IPv4 アドレスとインスタンスの関連付けが解除されると、Amazon アドレスプールに戻され、再使用できなくなります。EC2 パブリック IPv4 アドレスは、インスタンスが停止、休止、または終了すると自動的に解放され、インスタンスを再起動すると新しいアドレスが割り当てられます。詳細については EC2 パブリック IPv4 のドキュメントを参照してください。2024 年 2 月 1 日以降、VPC 内のリソースに関連付けられているすべての EC2 パブリック IPv4 アドレスに料金が適用されます。

2. Elastic IP アドレス
Elastic IP アドレス(EIP) は、特定のリソースではなく、AWS アカウントに割り当てることができるパブリック IPv4 アドレスです。EC2 パブリック IPv4 アドレスの代わりに EIP を使用すると、VPC 内のリソースとの関連付けを管理できます。EIP は Amazon プールへの解放が不要で、関連付けの解除及び再度の関連付けが可能です。現在は、実行中のインスタンスに最初に関連付けた EIP については無料ですが、追加されたEIPおよびアカウントに割り当てられたアイドル状態の EIP に対しては課金されます。2024 年 2 月 1 日以降、AWS アカウントのすべての Elastic IP アドレスに新しい料金が適用されます。

3. サービス管理のパブリック IPv4 アドレス
インターネットに接続する Elastic Load BalancerNAT gatewayAWS Global Accelerator など、アカウントにデプロイされる AWS マネージドサービスは、Amazon プールのパブリック IPv4 アドレスを使用します。パブリック IP の自動割り当てオプションが有効になっているサブネットにマネージドサービスをデプロイすると、そのサービスはパブリック IPv4 アドレスを自動的に受け取ります。パブリックアドレスを使用する AWS サービスに一覧があります。2024 年 2 月 1 日以降、サービスによって管理されるすべてのパブリック IPv4 アドレスおよび Amazon VPC、AWS Global Accelerator などで起動されたリソース、 AWS Site-to-Site VPN トンネルのエンドポイントに料金が適用されます。

4. BYOIPアドレス
独自の IPv4 アドレスを使用しても料金は適用されません。パブリックにルーティング可能な IPv4 アドレス範囲の一部または全部をオンプレミスネットワークから AWS アカウントに持ち込むことができます。1 つ以上の BYOIP アドレスプールを EC2 に直接、または Amazon VPC IPAM を利用して設定できます。BYOIP を使用する際は、引き続きアドレス範囲を所有し、インターネット上の広告ステータスを管理できます。BYOIP プールのパブリック IPv4 アドレスは Elastic IP アドレスとして無料で、EC2 インスタンスや NAT ゲートウェイなどの AWS サービスに割り当てられます。また、AWS Global Accelerator でも BYOIP アドレスを使用でき、料金はかかりません。

注:これ以降、EC2 パブリック IPv4 アドレス、使用中の Elastic IPv4 アドレス、およびサービス管理のパブリック IPv4 アドレスを、使用中のパブリック IPv4 アドレス と呼びます。アイドル状態の Elastic IP アドレスをアイドル状態のパブリック IPv4 アドレスと呼びます。

パブリック IPv4 アドレス料金の見積もり

本日より、デフォルトで、Cost and Usage Report (CUR) には、使用中のパブリックIPv4アドレスとアイドル状態のパブリックIPv4アドレスの両方に関連する包括的な使用状況データが含まれます。CUR を設定する際、「リソース ID を含める」を選択して、より詳細なリソース分析を追加することもできます。これを次のスクリーンショット (図 1) に示します。

図 1: リソース ID の選択場所を示す CUR

更新された CUR では、パブリック IPv4 アドレスの 2 つの新しい使用タイプが表示されます。

  • PublicIPv4:IdleAddress: お客様の AWS アカウント上のですべてのアイドル状態のパブリック IPv4 アドレスの使用状況を表示します。
  • PublicIPv4:InUseAddress: お客様の AWS アカウント上のですべての使用中のパブリック IPv4 アドレスの使用状況を表示します。これらには、EC2 パブリック IPv4 アドレス、Elastic IP アドレス、およびサービス管理のパブリック IPv4 アドレスが含まれます。BYOIP アドレスには料金はかからないため、含まれていません。

新しい CUR 情報を使用して、請求データに関する自動処理を更新したり、パブリック IPv4 の追跡とコスト計算を簡略化したりできます。これらの新しい使用タイプは、パブリック IPv4 関連の料金を見積もるのに役立つように、本日追加されましたが、 2024 年 2 月 1 日までは請求されません。次の画像 (図 2) は、これらの使用タイプが CUR でどのように表示されるかの例を示しています。

図 2: 新しい PublicIPv4: IdleAddress と PublicIPv4: InUseAddress の使用タイプを示すCUR (クリックすると、新しいタブで拡大画像が開きます)

使用タイプ別のコストの計算

PublicIPv4:IdleAddressを集約してアイドルIPv4アドレスの使用量を推定し、PublicIPv4:InUseAddressを集約して使用中のIPv4アドレスの使用量を推定できます。図 2 に示すデータを使用して、2023-07-28 01:00 から 2023-07-28 02:00 までの 1 時間について、以下のように計算できます。

  • アイドル状態のパブリック IPv4 アドレスの総使用量: 2 IP x 1 時間
  • 使用中のパブリック IPv4 アドレスの総使用量: 7 IP x 1 時間

2024 年 2 月 1 日以降、これら 9 つのパブリック IPv4 アドレスを使用するには1時間あたり $0.045 かかります。これは次のように分類されます。

  • 従来のアイドル状態のパブリック IPv4 アドレスの合計使用量に対するコスト:2 IP x 1 時間 x $0.005/IP/時間 = $0.010
  • 新しい使用中のパブリック IPv4 アドレスの合計使用量に対するコスト:7 IP x 1 時間 x $0.005/IP /時間 = $0.035

オペレーション別のコストの計算

より詳細な分析が必要な場合は、LineItem/Operation 列の情報を使用して、IP タイプに基づいてパブリック IPv4 の使用状況を特定できます。

  • AllocateAddressVPC: AWS アカウントでアイドル状態の Elastic IP アドレスを追跡します。
  • AssociateAddressVPC: 使用中の AWS リソースに関連付けられている Elastic IP アドレスを追跡します。
  • RunInstances: AWS リソースに関連付けられているすべての EC2 パブリック IPv4 アドレスを追跡します。
  • DescribeNetworkInterfaces: サービス管理のパブリック IPv4 アドレスを追跡します。

前の例で使用したのと同じ、2023-07-28 01:00 から 2023-07-28 02:00 までの1時間のサンプルを分析してみましょう。オペレーションデータを使用して、各 IP タイプについて次の使用量を計算します。

  • アイドル状態の Elastic IP アドレスの合計使用量:2 IP x 1 時間
  • 使用中の Elastic IP アドレスの総使用量: 2 IP x 1 時間
  • 使用中の EC2 パブリック IPv4 アドレスの総使用量: 3 IP x 1 時間
  • 使用中のサービス管理パブリックIPv4アドレスの総使用量: 2 IP x 1 時間

2024 年 2 月 1 日以降、これら 9 つのパブリック IPv4 アドレスを使用するためには1時間あたり $0.045 かかります。これは次のように分類されます。

  • アイドル状態の Elastic IP アドレスの合計使用量に対する既存のコスト:2 IP x 1 時間 x $0.005/IP /時間 = $0.010
  • 使用中の Elastic IPv4 アドレスの合計使用量に対する新しいコスト:2 つの IP x 1 時間 x $0.005/IP /時間 = $0.010
  • 使用中の EC2 パブリック IPv4 アドレスの合計使用量に対する新しいコスト:3 つの IP x 1 時間 x $0.005/IP /時間 = $0.015
  • 使用中のサービスマネージドパブリックIPv4アドレスの総使用量に対する新しいコスト:2 IP x 1時間 x $0.005/IP/時間 = $0.010

つまり、9 つのパブリック IPv4 アドレスが合計で1時間あたり $0.045 になります。

次に、新しい Amazon VPC IPAM Public IP Insights を使用して AWS でのパブリック IPv4 の使用状況をモニタリングおよび管理する方法を確認しましょう。

Amazon VPC IPAM Public IP Insights によるパブリック IPv4 の使用状況のモニタリング

Public IP Insights のみを使用している場合は、Amazon VPC IPAM の利用料金は発生しません。Public IP Insights は Amazon VPC IPAM の新しい、無料の機能で、AWS アカウントのパブリック IPv4 アドレスの使用状況を AWS リージョン別に監視、分析、監査するのに役立ちます。Public IP Insights は次のことを発見するのに役立ちます。

  • アカウント内でどのリソース及びサービスがパブリック IPv4 アドレスを使用しているか: Amazon が所有する Elastic IP、サービス管理の IP、EC2 パブリック IP、Bring Your Own IP (BYOIP) アドレスなど、さまざまなタイプのパブリック IPv4 アドレスが表示されます。次のスクリーンショット (図 3) は、Public IP Insights のダッシュボードです。パブリック IPv4 アドレスの総数が、タイプ別および関連付け状況別の内訳とともに強調表示されています。

図 3: Amazon VPC IP Address Manager (IPAM) コンソール内の Public IP insights ダッシュボード

  • パブリック IP アドレスが特定のリソースで使用される理由: ネットワークインターフェイスに関連付けられたセキュリティグループが表示されるため、パブリック IPv4 接続に依存するインターネットアクセスポリシー(たとえば、TCP ポート 80 でリッスンしているウェブサーバや TCP ポート 22 が開いている要塞ホスト)を識別しやすくなります。これにより、より効率的な代替案を採用できるかどうかを評価できます。たとえば、次のスクリーンショット (図 4) は、インターネットからのリモート SSH アクセス用に TCP ポート 22 が開かれていることを示しています。ユースケースによっては、この必要がない場合もあります。

図 4: リモート SSH アクセス用のセキュリティグループで設定されたインスタンスに関連付けられた EC2 パブリック IPv4 アドレス

パブリック IPv4 利用の最適化に関するベストプラクティス

以下の一般的なベストプラクティスは、パブリック IPv4 の使用を最適化するのに役立ちます。

  • 次のスクリーンショット (図 5) に示すように、デフォルトサブネットでのパブリック IPv4 アドレスの自動割り当てを無効にすることを検討してください。たとえば、Amazon ECS をホストするサブネットや RDS にはパブリック IPv4 アドレスは必要ない場合があります。

図 5: パブリック IPv4 アドレスの自動割り当てをオフにする場所

  • サブネットレベルでパブリック IPv4 アドレスの自動割り当てを無効にできない場合は、インスタンスの起動時にパブリック IP アドレスを自動割り当てするよう変更することを検討してください。サブネットのパブリック IP アドレス属性を上書きすると、次のスクリーンショット (図 6) に示すように、リソースがパブリック IPv4 アドレスを受け取るときの粒度を制御できます。

図 6: インスタンス起動時にパブリック IPv4 アドレスの自動割り当てを無効にする場所を示す Amazon VPC コンソール

  • どのリソースをパブリックサブネットにデプロイし、個別のパブリックIPv4アドレスを必要とするかを評価してください。データベースやコンテナサービスなどのリソースは、インターネットに直接公開されることなく、プライベートサブネットにデプロイできます。これにより、リソースに関連付けられているパブリック IPv4 アドレスの数を最適化できます。
  • VPC 内のリソースへのリモートアクセスについては、各リソースにパブリック IPv4 アドレスを割り当てる代わりに、Amazon EC2 Instance Connect (EIC) Endpoints の利用を検討してください。これにより、リソースに関連付けられているパブリック IPv4 アドレスの数を最適化し、セキュリティ体制を強化できます。
  • インバウンドのインターネットトラフィックには、Elastic Load Balancers または AWS Global Accelerator の使用を検討してください。これらのサービスは、パブリック IPv4 の利用を最適化しながら、ワークロードの可用性とパフォーマンスを向上させるのに役立ちます。Elastic Load Balancer や AWS Global Accelerator の使用状況を評価する際には、アーキテクチャとトラフィック状況を考慮してください。
  • アウトバウンドのインターネットトラフィックの場合、NATゲートウェイはパブリックIPv4アドレスの使用率を最適化するのに役立ちます。NAT ゲートウェイでは、各アベイラビリティーゾーンで送信元アドレス変換を大規模に実行できます。NAT ゲートウェイの使用状況を評価する際には、アーキテクチャとトラフィック状況を考慮してください。

関連するソリューションとリファレンスアーキテクチャの例を見てみましょう。

EC2 Instance Connect Endpoint を使用する

EC2 Instance Connect Endpoint (EIC Endpoint) は、インターネットから EC2 インスタンスやその他の VPC リソースに安全に接続できる新機能です。EIC Endpoints を使用すれば、リソース上のパブリック IPv4 アドレスやVPC 内のinternet gateway、その他の環境管理用のエージェントは不要になります。EIC Endpointsの使用方法の詳細については、 パブリックからプライベートへの安全な接続: EC2 Instance Connect Endpoint の紹介 のブログ投稿を参照してください。 EIC Endpoints を使用して VPC リソースにプライベートに接続すると、Public IP Insights にあるセキュリティグループ情報が、パブリック IPv4 アドレスを必要としなくなったリソースを特定するのに役立ちます。

インターネットトラフィック用の NAT gateway と Elastic Load Balancer の統合

アウトバウンドのインターネットトラフィック

アウトバウンドのインターネットトラフィックには、AWS の可用性が高く水平方向にスケーラブルなネットワークアドレス変換 (NAT) サービスである AWS NAT gatewayを使用できます。AWS NAT gatewayでは、プライベートサブネット内のリソースが NAT gateway の IP アドレスを使用してインターネットエンドポイントに接続できます。さらに、NAT gateway はアベイラビリティーゾーン内で 100 Gbps、1 秒あたり 1,000 万パケットまで自動的にスケーリングされ、最大 8 つの Elastic IP アドレスをサポートします。NAT gateway の採否を評価する際、NAT gateway をアーキテクチャに統合できるかどうか、またその変更が全体的なコスト最適化につながるかどうかは、トラフィックパターンによるところが大きいです。

たとえば、us-east-1 のデフォルト VPC にデプロイされる、1ヶ月あたり平均100 台の Amazon EC2 インスタンス、合計のインターネット向けデータoutの通信量が100GBのワークロードを考えてみましょう。 次のアーキテクチャ図 (図 7) は、すべての EC2 インスタンスが EC2 パブリック IPv4 アドレスを自動的に受け取る、このデプロイの例を示しています。

図 7: パブリック IP の自動割り当て設定が有効になっていて、パブリック IPv4 アドレスを自動的に受け取るパブリックサブネットの Amazon EC2 インスタンス

EC2 パブリック IPv4 アドレスの使用コストを評価するには、前の例と同じ計算を適用できます。

  • EC2 パブリック IPv4 料金:100 EC2 パブリック IP x $0.005/IP/時間 x 730 時間/月 = $365/月

同じワークロードで、AWS NAT gateway を使用する場合、以下のアーキテクチャ (図 8) に示すように、パブリック IPv4 アドレスの使用を最適化できます。

図 8: 同じセットアップの NAT gateway アーキテクチャの例

us-east-1 の 2 つの AZ にサンプルワークロードをデプロイしたと仮定すると、AWS NAT gateway を統合するコストは合計になります。 $77.50/月:

  • NAT gateway の時間あたりの料金: $0.045/時間/NAT gateway x 730 時間 x 2 NAT gateway = $65.70/月
  • NAT gateway のデータ処理料金:$0.045/GB x 100 GB = $4.50/月
  • 使用中のパブリック IPv4 アドレス料金: $0.005 / IP / 時間 x 730 時間 x 2 Elastic IP = $7.30/月

この場合、NAT gateway アプローチのコストが $77.50/月なのに対し、EC2 パブリック IP のセットアップは $365/月のコストが掛かります。

逆に、4つの EC2 インスタンス、2 つの AZ に同じセットアップでデプロイされ、データ処理要件の合計は同じく1ヶ月あたり100 GBというワークロードを検討すると、パブリック IPv4 料金は次のようになります。

  • EC2 パブリック IPv4 料金:4 つの EC2 パブリック IP x $0.005/IP/時間 x 730 時間 = $14.60/月

この場合、NAT gateway アプローチのコストが前の例の計算同様 $77.50/月なのに対し、EC2 パブリック IP のセットアップは$14.60/月 のコストとなります。

結論として、インターネット通信のニーズによって、NAT gateway が提供するパブリック IPv4 最適化の恩恵を受けるワークロードもあれば、パブリック IPv4 アドレスを引き続き使用したほうがよいワークロードもあります。

インバウンドのインターネットトラフィック

インバウンドのインターネットトラフィックの場合、Application Load Balancer またはNetwork Load Balancerは、アプリケーションのトラフィックを 1 つ以上の AZ にある複数のターゲットまたは仮想アプライアンスに自動的に分散します。これにより、個々の EC2 インスタンスとそれぞれに関連するパブリック DNS レコードを管理する必要がなくなり、パブリック IPv4 の使用を最適化しやすくなります。機能と性能の一覧については Elastic Load Balancing を参照して下さい。

たとえば、デフォルトの VPC にデプロイされた、次のようなインターネット向けウェブアプリケーションを考えてみましょう。 この Web アプリケーションは1ヶ月あたり100台のAmazon EC2インスタンスを使用し、1 時間あたり 10 GB のクライアントトラフィック (リクエストとレスポンス)を処理し、1 GB のデータ をVPCからインターネットへ出力します。次のアーキテクチャ図 (図 9) は、サンプルセットアップの詳細を示しています。すべての EC2 インスタンスは Elastic IPv4 アドレスで設定され、ウェブアプリケーションエンドポイントの DNS は Amazon Route 53 で管理されます。

図 9: ウェブアプリケーション用の Elastic IPv4 アドレスを持つパブリックサブネット内の Amazon EC2 インスタンス

ウェブアプリケーションインスタンスに関連付けられた Elastic IP アドレスを使用するコストを評価するには、上記と同じ計算を適用できます。

  • EC2 パブリック IPv4 料金:100 EC2 パブリック IP x $0.005/パブリック IP/月 x 730 時間 = $365.00/月

このワークロードでは、クライアントトラフィック向けの Application Load Balancer とVPCからインターネットへのトラフィック向けの NAT gateway の両方の統合を評価できます。以下の図 (図 10) は、インターネット向け Application Load Balancer と NAT gateway ゲートウェイを各 AZ で使用しているこのウェブアプリケーションのアーキテクチャ例を示しています。

図 10: インターネットトラフィックに NAT gateway と Application Load Balancer を使用する

AWS NAT gatewayの統合によるコスト $73.045/月:

  • NAT gateway の時間あたりの料金:$0.045/時間/NAT gateway x 730 時間 x 2 NAT gateway = $65.70/月
  • NAT gateway データ処理料金:$0.045 /GB x 1 GB = $0.045/月
  • 使用中のパブリック IPv4 アドレス料金: $0.005 / IP / 時間 x 730 時間 x 2 つの Elastic IP = $7.30/月

Application Load Balancer の場合、処理されるトラフィック量によってロードバランサーキャパシティユニット (LCU) 数が決まると仮定し、コストの合計は $82.125/月:

  • ALB 時間あたりの料金:$0.0225/時間 x 1 ALB x 730 時間 = $16.425/月
  • LCU あたりの LAB の時間あたりの料金:$0.008/LCU 時間 x 10 LCU x 730 時間 = $58.40/月
  • 使用中のパブリック IPv4 アドレス料金: $0.005 / IP / 時間 x 730 時間 x 2 ALB Elastic IP = $7.30/月

Elastic IP アプローチによるコストが$365.00/月なのに対し、 AWS NAT gatewayとApplication Load Balancer の統合によりかかる総コストは $155.17/月となります。この例では、Elastic Load Balancer が提供するその他の利点を考慮しなくても、NAT gatewayとApplication Load Balancer を採用することで、パブリック IPv4 アドレスの使用量とコストを最適化できます。

AWS Global AcceleratorをVPC 内のプライベートリソースと使用する

AWS Global Accelerator は、パブリックアプリケーションの可用性、パフォーマンス、およびセキュリティを向上させるのに役立つネットワークサービスです。Global Accelerator は、Application Load Balancer、Network Load Balancer、EC2 インスタンスなどのアプリケーションエンドポイントへの固定エントリポイントとして機能する 2 つのグローバル静的パブリック IP を提供します。

AWS Global Accelerator で内部エンドポイント (たとえば、プライベートサブネットの EC2 インスタンス、または内部Application Load Balancer) を設定すると、インターネットトラフィックがパブリック IP アドレスを必要とせずに VPC のエンドポイントに直接流れるようになります。レスポンストラフィックも Global Accelerator を経由します。以下の図 (図 10) は、プライベート EC2 インスタンスをエンドポイントとする Global Accelerator を示しています。EC2 インスタンスは VPC内を起点とするアウトバウンドのインターネットトラフィックには引き続き NAT gatewayを使用することに注意してください。

図 11: インバウンドインターネットトラフィック用のプライベート EC2 エンドポイントを備えた AWS Global Accelerator

注:最適な最適化オプションは、ワークロードとアプリケーションの種類、およびそれらのトラフィック状況によって異なります。

結論

このブログ記事では、AWS Cost and Usage Report の新しいデータを使用してパブリック IPv4 アドレス料金を見積もる方法について説明しました。また、パブリック IPv4 アドレスの使用状況をモニタリングするのに役立つ Amazon VPC IPAM の新しい無料機能である Public IP Insights についても取り上げました。また、パブリック IPv4 の使用を最適化するための一般的なベストプラクティスとアーキテクチャについても取り上げました。この投稿について質問がある場合は、AWS re:Post から新しいスレッドを開始するか、AWS Supportまでご連絡下さい。

著者について

Alexandra Huides は、アマゾンウェブサービスのストラテジックアカウント担当プリンシパルネットワーキングスペシャリストソリューションアーキテクトです。彼女は、お客様が拡張性と耐障害性に優れた AWS 環境向けのネットワークアーキテクチャを構築および開発できるよう支援することに重点を置いています。Alex は AWS の講演者でもあり、お客様の IPv6 導入を支援しています。仕事以外では、セーリング、特にカタマラン、旅行、新しい文化の発見、読書が大好きです。

Aditya Santhanam は AWS の VPC 製品チームのシニアプロダクトマネージャーです。AWS のクラウドネットワーキングエクスペリエンスを向上させ、さまざまな顧客分野で IPv6 の導入を加速することに情熱を注いでいます。AWS に入社する前は、通信事業者クラウド、コンテンツ配信ネットワーク、サイバーセキュリティの分野で 10 年以上働いていました。余暇には、家族と過ごすのが好きで、野外活動を楽しんでいます。

Matt Lehwess は AWS のシニアプリンシパルソリューションアーキテクトです。Matt は長年、ネットワークサービスプロバイダーの分野でネットワークエンジニアとして働き、アジア太平洋地域と北米で大規模な WAN ネットワークを構築し、データセンターテクノロジーとそれに関連するネットワークインフラストラクチャをデプロイしてきました。そのため、ほとんど自宅で Amazon VPC や AWS Direct Connect、その他の Amazon のインフラストラクチャに焦点を当てた製品やサービスを担当しています。Matt は AWS の講演者でもあり、AWS クラウドプラットフォームを使用してお客様が大規模な問題を解決できるよう支援することを楽しんでいます。仕事以外では、Matt は屋内でも屋外でも熱心なロッククライマーであり、熱心なサーファーでもあります。