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新しい Amazon S3 ストレージクラス – Glacier Deep Archive

AWS のお客様の多くは、大量 (大抵の場合ペタバイト以上) の重要データを収集して保存しますが、そのデータにアクセスすることはほとんどありません。raw データを収集してからすぐに処理し、その後万が一さらに処理または分析する必要が生じたときのために数年または数十年にわたって保存しておく場合もあれば、データをコンプライアンスまたは監査目的のために保持する場合もあります。このパターンに当てはまる業界とユースケースには以下のようなものがあります。

金融 – 取引アーカイブ、活動 & 監査ログ、および通信ログ。

ヘルスケア/ライフサイエンス – 電子医療カルテ、医療画像 (レントゲン、MRI、または CT)、遺伝子配列、製剤開発の記録。

メディア & エンターテイメント – メディアアーカイブと未処理の撮影映像。

物理的なセキュリティ – 未処理のカメラ映像。

オンライン広告 – クリックストリームと配信ログ。

交通 – 車両テレメトリ、ビデオ、RADAR、および LIDAR データ。

科学/研究/教育石油および天然ガス探鉱のための振動実験に関連するデータを含む、研究のインプットと結果。

AWS は本日、Amazon S3 で重要な低頻度アクセスのデータを保存するための、新しく、コスト効率性がより高いストレージを導入します。

Amazon S3 Glacier Deep Archive ストレージクラス
新しい Glacier Deep Archive ストレージクラスは、耐久性があり、セキュアな大量のデータ向けの長期ストレージを、オフプレミスのテープアーカイブサービスに負けない価格で提供するよう設計されています。データは 3 つ以上の AWS アベイラビリティゾーンにまたがって保存され、12 時間以内に取りだすことができます。高価で扱いにくいテープドライブに対処し、オフプレミスストレージを手配して、新世代のメディアへのデータの移行について心配する必要はもうありません。

既存の S3 対応のアプリケーション、ツール、コード、スクリプト、およびライフサイクルルールのすべてを、Glacier Deep Archive ストレージで活用できます。オブジェクトのアップロード時に新しいストレージクラスを指定したり、既存オブジェクトのストレージクラスを手動またはプログラム的に変更したりでき、オブジェクトの年齢の基づいた移行を設定するためにライフサイクルルールを使うことも可能です。また、ストレージクラス分析オブジェクトのタグ付けオブジェクトロック、およびクロスリージョンレプリケーションなどの、その他 S3 機能も利用できます。

既存の S3 Glacier ストレージクラスは、数分内でのデータへのアクセスを可能にし (迅速取り出しを使用)、すばやいアクセスを必要とするデータに最適です。さまざまなオプションのすべてに関する詳細については、S3 開発者ガイドの「ストレージクラス」をお読みください。Glacier ストレージをすでにご利用で、データにアクセスすることがほとんどないという場合は、Deep Archive に切り替えて、即座にコスト節約を実現し始めることができます。

Glacier Deep Archive ストレージの使用 – コンソール
S3 コンソールを使って、既存の S3 オブジェクトのストレージクラスを Glacier Deep Archive に切り替えることができます。ファイルを見つけて、[プロパティ] をクリックします。

次に [ストレージクラス] をクリックします。

[Glacier Deep Archive] を選択して [保存] をクリックします。

この変更を行った後は、このオブジェクトをダウンロードしたり、プロパティまたはアクセス許可を編集したりすることはできません。

万が一この 2013-era ビデオにアクセスする必要が生じた場合は、[アクション] メニューから [復元] を選択します。

次に、復元されたコピーを利用可能にしておく日数を指定し、一括取得か標準取り出しのいずれかを選択します。

Glacier Deep Archive ストレージの使用 – ライフサイクルルール
S3 ライフサイクルルールを使用することも可能です。バケットを選択して [管理] をクリックし、[ライフサイクル] を選択します。

[ライフサイクルルールの追加] をクリックしてルールを作成します。ルール名 (ArchiveOldMovies) を入力します。オプションで、パスまたはタグフィルタを使用してルールの適用範囲を制限することができます。

次に、ルールをオブジェクトの [現行バージョン] に適用したいことを指定し、オブジェクトを作成してから 30 日後にそれらを Glacier Deep Archive に移動させたいことを指定します。

Glacier Deep Archive の使用 – CLI/プログラム的なアクセス
CLI を使って新しいオブジェクトをアップロードし、ストレージクラスを設定することができます。

$ aws s3 cp new.mov s3://awsroadtrip-videos-raw/ --storage-class DEEP_ARCHIVE

また、既存のオブジェクトのストレージクラスは、それ自体を上書きすることによって変更することができます。

$ aws s3 cp s3://awsroadtrip-videos-raw/new.mov s3://awsroadtrip-videos-raw/new.mov --storage-class DEEP_ARCHIVE

アーカイブと復元を管理するシステムを構築している場合は、復元が開始された、および/または完了したとときに、SNS トピック、SQS キュー、または Lambda 関数に関する通知を受け取るオプションを選択できます。

その他のアクセス方法
AWS Storage Gateway のテープゲートウェイ設定を使って仮想テープライブラリ (VTL) を作成し、アーカイブされた仮想テープのストレージ用に Glacier Deep Archive を使用するよう設定することもできます。これは、既存のバックアップワークフローに変更を行うことなく、既存のテープベースのバックアップを AWS Cloud に移動することを可能にします。Glacier Deep Archive にアーカイブされた仮想テープは、12 時間以内に S3 に取り出すことができます。テープゲートウェイと S3 Glacier Deep Archive を使用することによって、オンプレミスの物理的なテープライブラリが不要になり、テクノロジーの進化に合わせてハードウェアをリフレッシュしたり、新しい物理テープにデータを書き直したりする必要もなくなります。詳細については、Storage Gateway ユーザーガイドの「ゲートウェイセットアップのテスト」をご覧ください。

今すぐご利用いただけます
S3 Glacier Deep Archive ストレージは、今日からすべての商用リージョンと、両方の AWS GovCloud リージョンでお使いいただけます。価格はリージョンによって異なり、ストレージコストは既存の S3 Glacier ストレージクラスのコストよりも最大で 75% 低くなります。詳細については S3 の料金 ページをご覧ください。

Jeff;