Amazon Web Services ブログ

クイックアップデート:2019年ゴールデンウィーク中に発表された新機能・サービス(抜粋)

AWSでは毎日のように新機能・新サービスがリリースされていますが、それはゴールデンウィークの期間でも例外ではありません。今年のゴールデンウィークの期間中にはre:invent 2018で予告されていたサービスのGA(一般提供開始)等、多数の発表がありました。

ゴールデンウィーク中だったために見逃してしまった方も多いのではと思いますので、今回はその中から日本のAWSユーザに関係が大きそうなリリースをピックアップしてざっくりとご紹介します。なお筆者の感覚で選んでいるため、より重要なものが抜けているかもしれませんがご容赦ください。発表は以下のAWS What’s newページに記載されています。

https://aws.amazon.com/jp/new/(まだ翻訳されていないものもありますので、全ての情報を見るには表示言語をEnglishに切り替えてください)

EC2&ネットワーク関連

Announcing AWS Direct Connect Support for AWS Transit Gateway

AWS Transit GatewayがDirect Connect(DX)からの経路をサポートしました。つまり、DX経由でオンプレミス環境からAWSへ来る通信をTransit Gatewayで制御できるようになりました。現時点では東京リージョンのサポートはまだですが、他のリージョンも追ってサポート追加されていくという事が記載されています。

 

Elastic Fabric Adapter の一般提供が開始されました

EFA(Elastic Fabric Adapter)は、EC2インスタンスに低レイテンシーネットワークを提供するアダプターで、数値流体力学、気象モデリングといったHPC系アプリケーションでの利用が期待される機能です。アプリケーションの通信を全て改善するというものではありませんので、詳しくはこちらの解説ブログを参照してください。現時点では米国東部 (オハイオ)、米国東部 (バージニア北部)、米国西部 (オレゴン)、欧州 (アイルランド) および AWS GovCloud (米国) でのサポートです。

 

Amazon EC2 T3a インスタンスの一般提供開始

AMDのEPYCプロセッサを搭載したEC2 T3aインスタンスがGAになりました。現時点では米国東部 (バージニア北部)、米国東部 (オハイオ)、米国西部 (オレゴン)、欧州 (アイルランド)、アジアパシフィック (シンガポール) リージョンでの提供です。

 

Amazon S3関連

Amazon S3 Introduces S3 Batch Operations for Object Management

多数のS3オブジェクトに対してのプロパティ変更や、各種操作(コピーやアクセスコントロールの変更等)を、一括(バッチ)で操作できるBatch Operation APIがGAになりました。膨大な数のオブジェクトに対して操作をする場合、大幅な時間短縮が見込めます。

 

Amazon RDS/Aurora関連

Performance Insights is Generally Available on Amazon Aurora MySQL 5.7

RDSのDBパフォーマンスを分析するための機能(GUI)であるPerformance Insightsは、これまでAurora MySQL 5.6、 Aurora PostgreSQL、 RDS for PostgreSQL、 RDS for MySQL、 RDS for SQL Server、 RDS for Oracleについてサポートされていますが、これらに追加してAurora MySQL 5.7でも利用可能になりました。

 

Aurora Global Database Expands Availability to 14 AWS Regions

Aurora Global Databaseは、リージョンをまたいで分散されているアプリケーション用に、リージョンまたぎでデータベースを提供する機能です。現時点ではAurora MySQL compatibility で利用可能ですが、この提供リージョンが増え、東京リージョンでも利用可能になりました。Global Databaseは短いレイテンシで実行されるリージョン間データベースがレプリカ(読み取り専用)を構築するというもので、全てのアプリに適しているというわけではありませんが、リージョンをまたがってシステムやサービスを提供している場合に有用です。詳しくはこちらのドキュメントを参照してください。

 

Amazon RDS for PostgreSQL Supports New Minor Versions 11.2, 10.7, 9.6.12, 9.5.16, and 9.4.21

RDS for PostgreSQLが各メジャーバージョンの最新マイナーバージョンに追従しました。最も進んだバージョンである11.2を含んでいます。

 

Amazon RDS now supports per-second billing

EC2と同様に、RDSのオンデマンド料金の粒度が秒単位に変更されました。ただし最初の10分間は最低でもチャージされます。つまり、起動して2分後に削除しても10分間分の費用が発生します。

Amazon RDS for PostgreSQL が Amazon S3 からのデータインポートのサポートを開始

RDS for PostgreSQLでAmazon S3上にあるデータをインポートできるようになりました。RDS for MySQLでは以前より提供されていた機能です。この機能を使うには現時点ではRDS for PostgreSQLのバージョン11.1以降が必要です。

 

 Amazon Aurora および Amazon RDS で MySQL 5.7 データベースからの移行を高速化

Percona XtraBackupで取得したMySQL 5.5 5.6, 5.7のバックアップイメージをAmazon RDS for MySQL, MariaDBや、Amazon Aurora (MySQL Compatibility)へリストア可能になりました。大規模データベース移行においてはmysqldump等のDDL+生データでの移行よりも高速な移行を可能にします。バージョン等、制約もありますので、詳細は上記What’s newからリンクされているドキュメントを参照してください。

 

その他色々

Amazon EMR announces Support for Multiple Master nodes to enable High Availability for EMR applications

EMRのマスターノードでHA(高可用性構成)が組めるようになりました。プライマリのマスターノードが異常になった場合にスタンバイに切り替える機能です。

 

Announcing General Availability of Amazon Managed Blockchain

Hyperledger Fabric や Ethereum環境をマネージドで提供するAmazon Managed BlockchainがGAになりました。現時点ではHyperlederのみ、かつ米国東部 (バージニア北部)のみでの提供です。

 

AWS RoboMaker がアジアパシフィック (東京) リージョンで利用可能に

ロボット工学アプリケーションの開発、シミュレーション環境であるAWS RoboMakerが東京リージョンでご利用いただけるようになりました。

 

AWS Systems Manager がより高い API スループットでのパラメーターストアの使用のサポートを開始

Systems Managerのパラメータストアで最大1,000リクエスト/秒までのアクセスリクエストに対応できるようになりました。多くのパラメータを多数のシステムから参照しているような場合に重要なアップデートです。このより高いAPIスループットを利用するには、設定で有効にしたうえで、利用には費用が発生します。

 

AWS 下佐粉 昭 (@simosako)