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【開催報告 & 資料公開】 AI/ML@Tokyo #10 これからAI/MLを始めるために

アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 機械学習ソリューションアーキテクトの大渕です。AWS Japan では、AI/ML 関連情報を発信するイベント「AWS AI/ML@Tokyo」を定期的に開催しています。2021年4月8日にオンラインで開催された AWS AI/ML@Tokyo #10 では、AWS の機械学習ソリューションアーキテクト 鮫島より AWS で始める Machine Learning Journey についてご紹介し、また、お客様事例として、三菱UFJトラスト投資工学研究所 須田様よりAmazon SageMaker を活用した実践・金融データサイエンスについて、DXYZ株式会社 安永様よりAWSを利用した顔認証IDプラットフォーム構築と Amazon Rekognition 活用事例についてお話いただきました。

「AWS で始める Machine Learning Journey」[Slides]

アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社
機械学習ソリューションアーキテクト 鮫島 正樹

本セッションでは、これから機械学習に取り組もうとされている方に向けて、機械学習を実際にビジネスで活用するまでの過程 (Machine Learning Journey) について説明しました。機械学習はデータを前提とする技術です。そのため、企業内でデータを1箇所に集約し、セキュアかつ簡単にデータへアクセスでき、高度な分析を行える環境を用意しておくことが、機械学習を始める上で重要です。これらの基盤を整えることができれば、機械学習を実践するフェーズにおいて、どのデータが重要であるかわからない、必要なデータをすぐに入手できない、といった課題を低減することができます。機械学習を実際に始めてから大きな効果を得るまでには、多くの試行錯誤が必要であることをAmazon におけるエピソードをもとに紹介しました。また、Amazon のビジネス成長の考え方である FlyWheel にもとづいて、AI/ML ビジネスをどのように成長させるべきかを説明しました。AWS では、AI/ML 活用のフェーズに合わせて様々な支援が可能で、初期段階でのパートナーのご紹介から、高度なデータサイエンティストにも活用いただける機械学習サービスを提供しています。

これから機械学習を始めようとされている方にとっては、Amazon がこれまで歩んできた道のりと同様に、まずは試してみて、深く学んでいくという、反復的なプロセスを取り入れていただくのが良いと思います。最初の第一歩として、AWS Hands-on for Beginners というコンテンツを提供しており、その AI/ML 版は 2021/3に公開 されました。ぜひお試しください!

 

「Amazon SageMaker を活用した実践・金融データサイエンス」[Slides]

三菱UFJトラスト投資工学研究所(MTEC)
研究部 須田真太郎 様

三菱UFJトラスト投資工学研究所(MTEC)研究部の須田様からは、「Amazon SageMakerを活用した実践・金融データサイエンス」というタイトルで、 社内における金融データサイエンス実践のお取り組みについてご紹介いただきました。

実際に取り組まれたニュース研究の事例などを題材として、クオンツが直面するさまざまな課題の解決にAmazon SageMakerをはじめとしたAWSサービスを利活用されたお話しや、プロジェクトを進める際の課題や工夫についてご紹介いただきました。

 

「AWSを利用した顔認証IDプラットフォーム構築と Amazon Rekognition 活用事例」[Slides]

DXYZ株式会社(ディクシーズ)
CTO 安永 郁哉 様

DXYZ株式会社は、顔認証 ID プラットフォーム事業と DX 推進支援事業を手掛けている企業です。今回は FreeiD 顔認証プラットフォームで Amazon Rekognition の顔認証機能を活用された事例をお話しいただきました。

FreeiD サービスはオフィス受付機能を搭載しており、来客があった際に Amazon Rekognition を利用した顔認証が実行され、担当者の呼び出しが行われます。Amazon Rekognition を導入するにあたっては、導入時のコストや運用時のコスト、顔認証の精度などを比較検討し、いずれにおいても Amazon Rekognition が適切と判断しました。また、AWS の他のサービスと組み合わせて疎結合になるよう設計しました。運用時に、顔認証で別人が不正認証されるケースが発生しましたが、パラメタのチューニングを行うことで、他人受け入れをゼロにすることができました。

Amazon Rekognition の顔認証機能を利用することで、コスト効率良く十分な性能の顔認証を実現することができました。また、運用保守で有用な豊富な API サービス群やアプリケーションとの連携がしやすいライブラリを活用することで、効率的な開発・運用を実現できました。

まとめ

今回は AWS より、AWS のサービスを使って機械学習を始める方法をご紹介しました。また、お客様から金融業界における Amazon SageMaker 事例と、Amazon Rekognition の顔認証機能の活用事例をご紹介いただきました。

2019年に開催した「Amazon SageMaker事例祭り」、2020年からスタートした「AWS AI/ML@Tokyo」の開催報告と登壇スライドは、以下のリンクからご覧いただけます。
AWS AI/ML@Tokyo 開催報告まとめ