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Amazon Kendra 入門ハンズオンを公開しました!– AWS Hands-on for Beginners Update

こんにちは!ソリューションアーキテクトの三好です。
この度 AWS Hands-on for Beginners シリーズの新作コンテンツとして、Amazon Kendra 入門ハンズオン を公開しました。

「社内の書類が多すぎて必要な情報を探すのに毎回時間がかかっている」といったお悩みはありませんか?AWS にはこのような場合にご利用いただける、Amazon Kendra という AI サービスがあります。Amazon Kendra を利用すると、機械学習を用いたドキュメントの検索システムを簡単に構築することができます。このハンズオンでは AWS の公式ドキュメントを用いて実際に検索システムを構築し、検索を体験する手順を含めてご紹介します。

こちらのブログでは、今回公開したハンズオンと、ハンズオン実施後の Next Step として、オーディオやビデオ等のメディアコンテンツからも検索するソリューションや、生成系 AI(GenAI)と Amazon Kendra を組み合わせたアプリケーションの一例をご紹介いたします。

AWS Hands-on for Beginners とは?

AWS Hands-on for Beginners は、動画にそって実際に手を動かしながら AWS サービスについて学んでいただく無償のコンテンツです。名前の通り、初めて AWS サービスをご利用される方向けの内容ですので、学習の最初のステップとしてご活用いただけます。オンデマンド形式での配信となるので、移動時間などのスキマ時間での学習もできますし、分かりにくい部分を巻き戻して何度でもご覧いただくことができます。

Amazon Kendra 入門ハンズオンを公開しました!

Amazon Kendra 入門ハンズオンとして、Amazon Kendra で簡単に検索システムを作ろう!を公開しました。こちらのハンズオンは、以下のような方に特におすすめとなっております。

  • 社内のIT、人事、法務、知財部門等でよく調べ物をする方
  • コンタクトセンターにおける応対時間短縮に関心のある方
  • 営業部門やマーケティング部門で社内報告書をよく検索する方

Amazon Kendra を利用すると、機械学習を用いたドキュメントの検索システムを簡単に構築することができます。なぜ検索システムが必要であるのかという話から始まり、検索システムを構築して AWS ドキュメントを検索してみるという操作をハンズオン形式で解説しているコンテンツです。

今回のシリーズでは、

  • テキストファイルを Amazon S3 に保存し、欲しい情報を検索する
  • Web で公開されている膨大なマニュアルから欲しい情報を検索する

といったユースケースを想定しています。Amazon Kendra のセットアップや、Amazon S3 にあるファイルや Web ページをどのように検索するのかをマネジメントコンソール上での手順もあわせてご紹介します。

まず初めに、なぜ検索システムが必要かについてです。ビジネスの成長に伴い、データ量はますます増えているかと思いますが、データの増大に比例して、重要な情報を見つけるのはより困難になっているのではないでしょうか。例えば、

「半年前の提案資料が見当たらない。」

「膨大なマニュアルのどこにほしい情報があるのかわからない。」

といった声を社内から聞きませんか?その結果、必要な情報を探すのに時間がかかり業務の生産性が低下してしまったり、お客様の質問に迅速に回答することができずユーザーエクスペリエンスが低下してしまうといったことが起きている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこでおすすめするのが、自然言語処理と機械学習で動作するエンタープライズサーチである Amazon Kendra です。Amazon Kendra を利用することで、欲しい情報が自然言語 (日常的に書いたり話したりしている言語) で簡単に見つけられます。そしてセキュアな検索が可能です。更に、セットアップも非常に簡単です。どの程度簡単なのかについては、ぜひハンズオンを通して試してみてください。

Next Step

1) MediaSearch ソリューション

今回のハンズオンでは、PDF ファイルや Web ページの情報から検索しました。しかし、必要な情報がテキストファイルであるとは限りません。ビデオ形式のマニュアルや、ポッドキャスト、会議の録音など、オーディオやビデオのメディアコンテンツも多数存在します。そこでご紹介するのが MediaSearch です。MediaSearch は、Amazon Transcribe を使用してメディアの音声をテキストに変換し、Amazon Kendra を使用してインテリジェントな検索を提供します。質問に対しての回答をテキストファイルからもメディアファイルからも見つけ出すことが可能になりますのでぜひ試してみてください。詳細は MediaSearch のブログを参照ください。

2) 高精度な生成系 AI アプリケーションを Amazon Kendra、LangChain、大規模言語モデルを使って作る

昨今、生成系 AI(Gen AI, Generative AI)と大規模言語モデル(LLM, Large Language Model)を導入したインテリジェントな会話型体験が話題になっています。しかし、「ハルシネーション(誤った発言) への懸念 」「膨大な社内データへのアクセス」「組織外へデータが流出する危険性」などの懸念により、社内ツールへの導入にはハードルがあります。この問題解決にも Amazon Kendra が役立ちます。Amazon Kendra から得られた検索結果をもとにして LLM で文章要約を行うことで、Gen AI アプリケーションの出力は社内データをもとにした回答となります。こちらのブログでは、検索拡張生成 (RAG, Retrieval Augmented Generation) と呼ばれる手法を Amazon Kendra で実現した例となります。これにより、先述した懸念が大きく軽減され、社内データに関する会話体験を安全に実現できます。Amazon Kendra の機能と LLM の機能を組み合わせて RAG ワークフローを実装し、会話型のエクスペリエンスを提供する最先端の GenAI アプリケーションを作成する方法が示されていますのでぜひご覧ください。

まとめ

このブログでは AWS Hands-on for Beginners シリーズの新コンテンツである、Amazon Kendra で簡単に検索システムを作ろう!についてご紹介しました。

「社内の書類が多すぎて必要な情報を探すのに毎回時間がかかっている」

といったお悩みをお持ちの方には特におすすめのコンテンツとなっております。このコンテンツが、皆様の課題の解消やビジネスへの活用に貢献できれば幸いと考えています。ご実施いただいた際は、ぜひアンケートからフィードバックをいただければと思います。それではハンズオンをお楽しみください!

このブログの著者

 

三好 雄登 (Yuto Miyoshi)

お客様のプロダクト開発の支援を行うソリューションアーキテクトです。居酒屋巡りが好きなので、場所、人数、目的に応じたお店選びの支援も行います。