Amazon Web Services ブログ

週刊AWS – 2020/4/13週

みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの下佐粉です。
今週も週刊AWSをお届けします。

最近は社内の打ち合わせもお客様との打ち合わせもAWSのオンライン会議システム Amazon Chimeで行うことが多くなっています。ところでオンライン会議でちょっと難しいのが、ホワイトボードを使ったディスカッションではないでしょうか。もちろんマウスで図を描いてChimeの画面共有機能で見せることは可能なのですが、私の場合はマウスでは思ったようにうまく描けずにいました。そこで、安価なペンタブレットを購入してみました。私が購入したのは6インチ x 4インチのコンパクトなものですが、マウスよりは全然楽に図が描けるようになりました。イラストレーターの方が使うような本格的なものではないですが、ホワイトボーディングには十分使えそうですので、図を描くことが多い方はお勧めです。

それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。


この週(4/13週)はイースター休暇の影響でしょうか、アップデートはほぼ4/16(木)と17(金)に集中していました。
特に16日には AWS Snowファミリーに関する新機能が多数発表されました。AWS  Snowファミリーは、大量のデータをAWSに、もしくはAWSから外部に物理運搬するためのサービス群です。最初にリリースされたSnowball、NFSマウントや内部でのEC2インスタンス(sbe-cインスタンス)起動やLambda実行の機能が追加されたSnowball Edge、大型トレーラーでエクサバイト級データの転送に対応するSnowmobileがあります(re:inventで場内に突然大型トレーラーが入ってきて驚いた方も多いのではないでしょうか)。色々なエンハンスが一度に発表されましたので、Snowファミリーについては以下の発表一覧に加えてこちらのBlogも合わせて確認いただくと理解が進むと思います。

2020年4月13日週の主要なアップデート

  • 4/16(木)
    • AWS Snowball Edge Storage Optimized now delivers 25% faster data transfer performance
      新しいSnowball Edge Storage Optimizedデバイスが利用可能になりました。データ転送速度が最大25%向上しています。内部には40vCPU、80GBメモリが搭載され、より多くのsbe-cインスタンスを起動させることも可能になっています。新しいハードウェアの料金は旧版と同じです。
    • AWS Snowball now supports local AWS IAM
      Snowball Edge内の処理にローカルのIAMが適用できるようになりました。これまではIAMの概念がなかったため、Snowballをアンロックした後はユーザ権限の区別がありませんでしたが、この機能でユーザごとの権限を設定することが可能になります。この新機能は4月16日以降にオーダーしたSnowball Edgeデバイスで有効です。
    • Introducing AWS OpsHub for Snow Family, a graphical user interface to manage AWS Snowball devices
      AWS OpsHub for Snow Familyがリリースされました。これまではSnowball EdgeはCLIで操作する必要がありましたが、このツールをPCもしくはMacにインストールすることでSnowball EdgeをGUIで操作できるようになります。ダウンロードはSnowballリソースページから可能です。(現時点では表示言語を英語に切り替えて利用してください)
    • AWS Snowball adds task automation with AWS Systems Manager
      AWS Systems ManagerでSnowballデバイス用のタスクを管理できるようになりました。前述のOpsHubと連携しているため、OpsHubの中からPythonもしくはPowerShellのタスク(自動化したい処理)を作成、登録し、Systems Managerから管理をして実行することが可能です。
    • Amazon EKS Now Supports Service-Linked Roles
      Amazon Elastic Kubernetes Service (EKS)がIAMのservice-linked roleをサポートしました。service-linked roleというのは、IAMのRoleの一種ですが、ユーザが作成するのではなく、AWSサービス側が自動的に作成しておくものです。あるサービスが稼働するために別リソースへのアクセスが必要な場合、その権限を持ったロールを用意する必要がありますが、これをサービス側で必要な範囲の権限だけ設定しておいたものがservice-linked roleです。今後新規に起動されるEKSクラスターは自動的にこのservice-linked roleが利用されます。
    • New AWS Public Datasets Available from Ford, the Allen Institute for Brain Science, the National Cancer Institute, and others
      AWSには、パブリックなデータを登録・共有するための仕組み(Open Data on AWS)があります。多様なパブリックデータがジャンル別に登録されており、こちらのサイトから閲覧が可能です。今回これに30の新しいデータが登録、もしくは更新されました。検索も可能ですので、どういったデータがあるかぜひ覗いてみてください。
    • Amazon Redshift announces general availability for federated querying
      Redshiftのフェデレーションクエリ機能が一般提供開始(GA)になりました。これはRDS for PostgreSQLや、Aurora PostgreSQLが持つ表を外部表として定義し、Redshiftの中からクエリを実行することが出来る機能です。リアルタイムの在庫データ等を別RDBから取得してRedshift内のデータとジョインしてレポートを作成したいといったユースケースでご利用いただけます。
    • Amazon RDS for SQL Server now supports Multifile Native Backups
      Amazon RDS for SQL Serverで複数ファイルでのネイティブバックアップをサポートしました。ネイティブバックアップとはSQL Serverが標準で持つバックアップファイル形式です。新しくネイティブバックアップ時に@number_of_filesでファイル数が指定可能になっています。この改善により大きなデータベースのバックアップ速度を改善します。詳細はこちらのドキュメントを参照してください(現時点ではまだ翻訳されていないため、英語版をご覧ください)。また、以前より複数ファイルからのリストアはサポートされています。
    • AWS X-Ray SDK for Go is now generally available
      AWS X-Ray SDK for Go が一般提供開始(GA)になりました。AWS X-Rayは、分散アプリケーションのデバッグを助けるための仕組みで、リクエストをトレースし、可視化する仕組みを提供します。
  • 4/17(金)
    • Amazon SageMaker now supports ml.g4dn and ml.c5n instances for ML model training
      Amazon SageMakerでml.g4dnとml.c5nインスタンスが新たに機械学習のトレーニング用に選択可能になりました。ml.g4dnはIntel Xeon Scalable (Cascade Lake)にNVIDIA T4 Tensor Coreを組み合わせたコスト効果に優れたインスタンス、ml.c5nはIntel Xep Sclable (Skylake)プロセッサを内蔵し、最大100Gbpsのネットワーク帯域とml.c5比で33%増加したメモリを利用可能なインスタンスです。
    • AWS Certificate Manager Private Certificate Authority now includes increased certificate issuance rate limits and support for Amazon S3 bucket encryption
      AWS Certificate Manager (ACM) のPrivate Ceftificate Authority (プライベート認証局) 機能で、証明書を発行する(certificate issuance request)の制限が緩和され、最大25リクエスト/秒まで対応可能になりました(以前は5リクエスト/秒)。この更新は自動的に適用されるため、ユーザが申請等をする必要はありません。同時にACMのプライベート認証局が生成するレポートが保存されるS3バケットが、SSE暗号化可能になりました。(これまでは暗号化されたS3バケットは未対応でした)

最後にお知らせを。開催中のAWSオンラインカンファレンス、 AWS Innovate ですが、好評につき5/8まで延長が決定しました。無料でAWSの勉強ができますので、ぜひご利用ください。合わせてAWS4/14時点の人気ランキングも発表されたのですが、この週刊AWSを元にした「AWS 最新アップデート 2020 春(出張版 週刊 AWS )」も嬉しいことに9位に入っています。まだの方はぜひご覧いただければと思います。

AWS Innovate オンラインカンファレンス

それでは、また来週!

ソリューションアーキテクト 下佐粉 昭 (twitter – @simosako)