Amazon Web Services ブログ

週刊AWS – 2023/6/26週

みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの下佐粉です。
今週も週刊AWSをお届けします。

AWSでは多様なサービスが提供されていますが、種類が多い分、どのサービスをどのように組み合わせて使うのか?その場合の費用の考え方は?という点で迷われる方も多いのではと思います。そのような疑問にお答えするため、AWSには「クラウド構成と料金試算例一覧」というページがあるのをご存じでしょうか?「ソフトウェアVPNを使ってリモートアクセスしたい」とか「データレイクにあるデータを使った分析環境を構築したい」といったように、ユースケース別にAWSサービスの構成例と、費用概算が分かりやすく掲載されていますので、ぜひ活用してください。

~基礎から応用まで~ クラウド導入をお考えの方のための クラウド構成と料金試算例一覧

それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。

2023年6月26日週の主要なアップデート

  • 6/26(月)
    • AWS SAM CLI announces remote invoke feature for AWS Lambda
      AWS Serverless Application Model (SAM) のコマンドラインインターフェース(CLI)にsam remote invokeコマンドが追加され、デプロイ済の AWS Lambda 関数を簡単に呼び出すことができるようになりました。このコマンドは、イベントペイロードと Lambda ID を入力として受け取り、Lambda 関数を呼び出し、レスポンスを出力します。
    • Amazon OpenSearch Service now lets you update cluster manager nodes without blue/green
      Amazon OpenSearch Service で、マスターマネージャ (マスターノード) のインスタンスタイプまたはインスタンス数を更新できるようになりました。この機能ではクラスター操作の中断を最小限に抑えつつ、マスターマネージャの更新を実現します。
  • 6/27(火)
    • AWS announces AWS AppFabric
      AWS AppFabric が一般提供開始(GA)になりました。AppFabricは、Asana、Atlassian Jira suite、Dropbox、Miro、Okta、Slack、Smartsheet、Webex by Cisco、Zendesk、Zoom、Google Workspace、Microsoft 365等のSaaSとAWSサービスを容易に連携可能にするサービスです。これに加えて、Logz.io、Netskope、NetWitness、Rapid7などのセキュリティサービスも統合することが可能です。詳細はこちらのブログをご覧ください。SaaSとの連携がコードを書くことなく実現できることが解説されています。
    • Announcing general availability for watchOS and tvOS support on AWS Amplify Library for Swift
      AWS Amplify for Swift v2.12.0 がリリースされ、 watchOS と tvOS のサポートが一般提供開始(GA)になりました。これにより Apple Watch デバイスや Apple TV デバイス向けのクラウド接続アプリケーションをより容易に構築できるようになるだけでなく、1つの Swift プロジェクトから iOS、macOS、watchOS、tvOS の各プラットフォームに向けにビルドできるようになりました。
  • 6/28(水)
    • Amazon Timestream now offers a free trial
      時系列データベースサービスの Amazon Timestream で、一か月間の無料トライアルが利用可能になりました。無料トライアルにはデータ取り込み用に最大 50 GB、マグネティックストア用ストレージ 100 GB、メモリストア用に 750 GB、クエリ用に 750 GB が含まれます。
    • AWS announces Amazon Aurora MySQL zero-ETL integration with Amazon Redshift (Public Preview)
      ETL不要で Amazon Aurora MySQL のデータをニアリアルタイムに Amazon Redshift にレプリケーションする、Amazon Aurora MySQL zero-ETL integration with Amazon Redshift が申し込み不要で利用可能なPublic Previewになりました。合わせてPreview利用可能リージョンが拡大され、東京リージョンでも利用可能になっています。詳細はこちらのブログをご覧ください。
  • 6/29(木)
    • Amazon Kinesis Video Streams Edge Agent is now generally available
      Amazon Kinesis Video Streams Edge Agent が利用可能になりました。エッジデバイス(ローカルのデバイス)に本エージェントを導入することで、エッジ側で録画&蓄積したうえで、定期的なスケジュールでクラウドにストリーミングするということが可能になります。
  • 6/30(金)
    • Amazon SageMaker Canvas announces support for Apache Parquet file format
      Amazon SageMaker Canvas はコードを書くことなく、機械学習ベースの予測を生成することを支援するビジュアルインターフェースです。今回入力ファイルフォーマットとして、Apache Parquet がサポートされました。Paquetフォーマットで保存されているデータレイクからの読み取りが楽になるだけでなく、列単位でのアクセスにより、データ取り込み時の性能向上が見込めます。
    • Amazon ECS now launches tasks faster alongside tasks with prolonged shutdown
      Amazon Elastic Container Services(Amazon ECS) で、シャットダウンに時間がかかるコンテナ環境において、より迅速に新しいタスクが起動可能になりました。これまではECS エージェントが新しいタスクを開始する際、シャットダウン中のすべてのタスクが停止するのを待っていたのですが、今回の改善によりシャットダウン待ちのタスクがあっても必要なリソースがあれば新しいタスクを開始できるようになりました。
    • Mountpoint for Amazon S3 adds support for creating new files
      Mountpoint for Amazon S3 は、S3を通常のファイルシステムのように操作することを実現するためのOSSです。今回の機能改善でS3上に新ファイルを作成できるようになりました。このソフトウェアはよく質問を受けるので、その際にいつも答えている注意点を書いておきます。1/ 現在はaplha版で、本番業務で利用しないようにというリリースである点にご注意ください。 2/ 一見、EBS等にアクセスするかのようにS3にアクセスできますが、S3上のオブジェクトを操作している以上、一般的なストレージとは違うものだと考える必要があります。例えば性能特性は大きく異なりますし、ロック回り等の挙動も異なると思われますので、注意が必要です(現状はファイル更新できないので、今後実装されたらの話ですが)。つまり普通のファイルシステムだと考えず、このソフトウェアを利用することのメリット・デメリットを検討の上でご利用ください。また、今後のロードマップについてはこちらで公開されていますので参照してください。
    • AWS introduces CSI Driver for Amazon FSx for OpenZFS
      Amazon FSx for OpenZFS Container Storage Interface (CSI) Driver がOSSとして公開され、利用可能になりました。CSI ドライバーを使用すると、Amazon Elastic Kubernetes Service (EKS) または Amazon EC2 上の Kubernetes コンテナから Amazon FSx へのアクセスが容易になります。CSI ドライバーはこちらで公開されています
    • Amazon DynamoDB now simplifies and lowers the cost of handling failed conditional writes
      Amazon DynamoDB で、アイテムを書き込んだ際に条件に合致せずに失敗した際のハンドリングが楽になりました。これまでは条件チェックエラーが発生した場合、その項目を取得してエラーの原因を調査するために別の読み取りリクエストが必要でした。今回追加された ReturnValuesOnConditionCheckFailure パラメーターを使用することで、書き込みを試みたときのコピーを DynamoDB エラーメッセージに含めることができるようになり、手間とコストを削減することが可能になりました。

それでは、また来週!

ソリューションアーキテクト 下佐粉 昭 (twitter – @simosako)