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【開催報告】自社製品/ソリューションのサービス化 ~SaaSビジネスおよびSaaS plus a Boxビジネスの促進セミナー~(2022/3/17)
こんにちは!アマゾンウェブサービスジャパン合同会社 ソリューションアーキテクトの百瀬です。2022年3月17日にオンラインで「自社製品/ソリューションのサービス化 ~SaaSビジネスおよびSaaS plus a Box*ビジネスの促進セミナー~」を開催いたしました。セミナーの開催報告として、ご紹介した内容の概要と当日の収録動画を公開いたします。
*SaaS plus a Boxとは、 ハードウェアの販売と、そのハードウェアを利用するサービスに対する継続課金を組み合わせたビジネスモデルの呼称です。
はじめに
技術革新と社会環境の急激な変化により、多くの企業でデジタルトランスフォーメーションへの取り組みが加速してきています。業務や働き方の改革、プロセスの再構築が進められる一方で、自社の製品やソリューションをサービス化したり、新しいビジネスモデルを通して継続的に顧客エクスペリエンスを変革し関係を維持していくことが求められています。
このセミナーでは、自社製品やソリューションのサービタイゼーションに関わるお客様を対象に、SaaS化やSaaS plus a Box化を実現する上での課題や、解決のための方法、進め方をご紹介するとともに、実際にサービス化に取り組まれているお客様の生の声を事例として紹介いたしました。
どうぞ皆様の事業のご参考に、各講演者の録画をお楽しみください。
製造業のサービタイゼーションの勘所
登壇者
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 シニア事業開発マネージャー 和田 健太郎
本セッションでは、昨今製造業の皆様が直面している環境変化要因とその中でのサービタイゼーションの必要性をまず確認致しました。その上で、製造業におけるサービス化のパターンとして3つのパターンをご紹介し、その中でもSaaS plus a BoxとSaaSについて、ビジネスモデルや組織/機能、サービス開発/提供の流れが従来のビジネスとどう変わるかをご説明致しました。更に、これらの新しいビジネスモデルはクラウドとの親和性が非常に高いため、AWSのクラウドをどうご活用頂くか、お客様事例と合わせてご紹介しています。最後に、サービタイゼーションという一連のトランスフォーメーションに対して、システム以外の要素も含めて、AWSが製造業の皆様をどうご支援できるかをご紹介させて頂きました。
アムニモ IoTとAIを活用したクラウドサービス 〜リカーリングビジネスを実現するクラウドサービス開発の振り返り〜
登壇者
アムニモ株式会社(横河電機グループ) クラウドサービス開発部 マネージャー 鳥越 研児 氏
横河電機様ではこれまでのスタイルに捕らわれず IoT x AI を軸に新しいビジネスチャレンジをするためamnimo(アムニモ)という新会社を設立し産業用IoTの民主化を目指し、End to End のサービスをサブスクリプションビジネスとして提供しています。本セッションでは、クラウドを活用した映像ソリューションを紹介いただき、短期間にデバイスの開発からクラウドシステムの開発まで一気通貫で行われたプロジェクトを振り返り、リカーリングビジネスとして価値を提供し続けるために意識されている3つのポイント「サービス品質」「コスト」「セキュリティ」をお話いただきました。また、デバイスからクラウドまで開発されたからこそ分かるデバイスとクラウドの協調動作の重要性やエッジデバイスの実装ノウハウなども紹介いただきました。セッションの最後は、リカーリングビジネスの開発の経験から見えた現実ということで、実際のビジネスにおける苦労話もいただきました。
AWSを活用した校正自動化サービスSaaS化への軌跡
登壇者
凸版印刷株式会社 DXデザイン事業部 ICT開発センター 主任 奈良 貴充 氏
本セッションでは、凸版印刷様より校正自動化サービス「review-it!」の立ち上げの経緯から、セキュリティや機能をいかに強化していったのかについて、苦労した点も交えてご紹介いただきました。凸版印刷様はICカードや広告媒体、電子書籍などの制作を通し、アナログ・デジタルの両面で情報ソリューションを数多く展開されてきました。そのノウハウを活かし、人の手間がかかっている校正業務の自動化に着目し、社内での検証、金融業界や商品パッケージの校正業務における需要の確認を行い、サービス開発に至ります。また新規にユーザーを獲得しながらサービスとして定めたKPI達成のため、セールスと開発が一体となってスクラム開発を実践されました。設計や運用体制の評価にはAWS Well-Architected Reviewを活用し、ベストプラクティスに向けてスプリント毎に改善に取り組まれ、迅速なユーザーフィードバックの取込みやコスト最適化において成果を出されています。走りながら改善を繰リ返す中で、具体的にどのような体制・プロセスの変化があったのかについてもお話いただきました。
クラウド活用したNECの生体認証サービス構築とソリューション事例
登壇者
日本電気株式会社 デジタルプラットフォーム事業部 シニアエキスパート 奥山 嘉昭 氏
本セッションでは、NECが誇る世界有数の生体認証ソリューションBio-Idiom Serviceの1つ顔認証ソリューションをAWSを活用してサービス化した事例をご紹介いただきました。SaaSを立ち上げる際の課題としていかに安く、早く、かつスケーラブルで高信頼であることを両立させたか、グローバルなサービスにおける各国の開発スピードと品質要求の違いに対してどのように対応したか、さらに、顧客ごとのカストマイズの回避と後方互換性の対応についても共有いただきました。またAWSを活用する上での課題と解決策について、多くのサービスからの選定要因や、ランニングコスト削減の取り組み、セキュアなシステムの構築についてもご紹介いただいています。本サービスはCOVID-19におけるマスクの顔認証に対応しており、新たな顧客体験としてオフィスのデジタル改革のほか、医療機関におけるゾーン別感染対策や旅行需要の再活性化など安全・安心で便利な社会に活用されています。
SaaS事業を成功に導くサービス継続開発のプロセス
登壇者
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 パートナーソリューションアーキテクト 飯田 祐基
SaaS事業を成功させるためには顧客を起点にサービスを考え、長期間に渡り顧客との関係を作り、継続したサービス価値の向上を行なっていく必要があります。しかし、実際に事業を始め成功を収めるためには、そもそもどうやってビジネスアイデアを得れば良いのかや、実際にサービスを作り提供するまでに何をすれば良いのか、リリース後にプロダクトマーケットフィットを目指し、サービスの改善を行うために何を行えば良いのかなど、様々な悩みが存在します。本セッションでは、この様な疑問に応えるべく、今後SaaS事業の展開を検討されている方々に向けて、事業を考える上でまず抑えるべきSaaSビジネスの重要な考え方を伝えるとともに、実際に事業を作っていくプロセスにおけるリスク回避の重要性やテクニック、継続改善していくための学びを得る方法や、SaaS事業自体のビジネス価値を測る方法についてお話しさせていただきました。
終わりに
本セミナーでは、製造業のお客様が自社の製品やソリューションをSaaS化し、新しいビジネスモデルを通して顧客エクスペリエンスを変革する方法を紹介しました。実際にサービタイゼーションをされたお客様の貴重な体験談を共有いただきました。AWSでは、SaaS FactoryやSaaS Journey Framework, Well-Architected SaaS LensなどSaaSビジネスに役立つ支援プログラム、ベストプラクティスの公開をしていますので合わせてご活用いただけますと幸いです。
本ブログは、ビジネス開発マネージャーの和田 健太郎、ソリューションアーキテクトの野間 愛一郎、中山 七美、飯田 祐基、山本 直志、百瀬 孝三が執筆しました。