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【お客様事例】株式会社フジテレビジョン様 Amazon Rekognition 「メタロウ」の開発と検証
2021年3月18日にメディア業界のお客様向けに Analytics & AI/ML をテーマとしたセミナーを開催いたしました。テレビ・動画配信・新聞・雑誌などのメディア企業では、デジタル変革の中でデータを活用する重要性が高まっています。本セミナーではメディア企業がデータを活用し、新たなビジネスを展開していくかに焦点をあて、データをどのように最新の AI/ML 技術を用い活用していくのかをご紹介させていただきました。
セミナーのアジェンダは以下の通りです。
・オープニング & 大阪リージョン解説について
・メディア企業が分析基盤(CDP/DMP)をAWSクラウドに構築する際のメリットと検討ポイント
・データレイクアーキテクチャ とpurpose-buildな分析サービス活用事例の紹介
・メディア企業での機械学習の活用
・[お客様事例] 株式会社メディアドゥ様 Amazon Personalize 電子書店システムへの活用
・[お客様事例] 株式会社フジテレビジョン様 Amazon Rekognition 「メタロウ」の開発と検証
・[お客様事例] 株式会社朝日新聞社様 自然言語処理の取り組みとEC2 Inf1インスタンスの検証
本ブログではセミナーの発表の中から、株式会社フジテレビジョン様による Amazon Rekognition を活用した社内アプリケーション「メタロウ」について紹介をさせて頂きます。
メタロウとは
フジテレビジョン 技術局 技術開発部 白坂 典義
アマゾン ウェブ サービス ジャパン ソリューションアーキテクト 小林 剛
登壇資料:[Slide]
メタロウとは、登壇者である白坂様の所属する技術局技術開発部にて自社開発された映像内の人物を推定するためのブラウザベースで動作するアプリケーションです。人物情報は著名人を中心に事前登録した人物辞書を作成されており、人物辞書と照合することで画像や動画をリアルタイムに解析・人物推定を行うことができると仰っていました。また、発表内ではアプリケーションの使用方法も動画を用いてセミナーの参加者に分かりやすく説明されていらっしゃいました。
Amazon Rekognitionを採用した背景
2019年の秋頃からフジテレビジョン様で AI 活用に関する意見交換が開始されました。この意見交換では複数のアイディアがありましたが、最もオーソドックスで活用の幅が広がると予想できる人物推定の開発を実施することになったと仰っていました。「①ユースケース発掘」「② AI 活用のノウハウ蓄積」を目的として社内検証として開発が開始されることとなりましたが、Amazon Rekognition を採用することで 2ヶ月の期間で開発されました。
放送局では AI の専門的なエンジニアが少ないことからノウハウの蓄と持続可能なアプリ開発を進めていくことを目的として、OSS やマネージドサービスの API を積極的に活用することで開発工数・保守コストを低く抑えることを選択されました。Amazon Rekognition を採用にはこの API の活用を考えていたことが背景にもありますが、顔の一部が隠れていても人物名推定を行える認識精度の高さと独自に人物をコレクションする機能が秀逸で 1人の人物あたりの登録枚数が少なくても機能が利用できること、管理コストが安価であったことが選択のポイントとしてされておりました。
メタロウのシステム構成と導入効果
システム全体の構成では、GPU 搭載の PC もしくは EC2 インスタンスを使用して、リアルタイムの映像を2秒おきに顔の位置を矩形で切り出した画像を生成し Amazon Rekognition を利用して登録された人物を推定していくものとなっています。白坂様は開発の際の工夫された点についても詳しくご説明されており、OSS のフレームワークで顔の位置を検出することや人物推定を並列実行することで高速処理と低コスト化を実現した点を語っておられました。今後の活用に向けて報道、情報番組での常時利用やスポーツ番組でのリアルタイムテロップ利用、コンテンツ内容の解析などを考えられておりました。それぞれの処理時間や要件にあわせたコスト管理が課題ではあるものの、引き続き研究と開発を続けていきたいと意欲的な言葉で発表を締められました。
おわりに
画像・映像解析のサービスである Amazon Rekognition を利用していただくことで、短い開発期間でニーズの多い人物推定のアプリケーションを開発された株式会社フジテレビジョン様の事例を紹介させて頂きました。 Amazon Rekognition では人物推定だけではなく、表情の分析やテキストの検出、対象物体 (自転車、電話、ビルなど) とシーン (駐車場、ビーチ、都市など) を特定など多くの機能を備えております。多様なビジネスニーズにあわせた利用が可能なサービスとなっておりますので、皆様も利用をご検討ください。
最後に本セミナーにご協力いただいたフジテレビジョン様には改めて感謝を申し上げます。またセミナーに参加いただいた皆さま誠にありがとうございました。引き続き業界の皆様に役立つ情報を、セミナーやブログで発信していきます。どうぞよろしくお願い致します。
このブログは SA 小林（剛）が担当しました。
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