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2021Q1 メディア企業向け Analytics & AI/ML セミナー : メディア企業での機械学習の活用

2021 年 3 月 18 日にメディア業界のお客様向けに Analytics & AI/ML をテーマとしたセミナーを開催いたしました。テレビ・動画配信・新聞・雑誌などのメディア企業では、デジタル変革の中でデータを活用する重要性が高まっています。本セミナーではメディア企業がいかにデータを活用し、新たなビジネスを展開していくかに焦点をあてた機械学習の活用方法をご紹介し、お客様に事例をご説明いただきました。

セミナーのアジェンダは以下の通りです。

本ブログでは上記セミナーのコンテンツの中から、メディア企業での機械学習の活用 についてご紹介します。

メディア企業における機械学習の活用

アマゾン ウェブ サービス ジャパン ソリューションアーキテクト 中田 光昭
登壇資料:[Slide]

本セッションでは動画配信サービスを例として、メディア企業での機械学習の利用シナリオをご紹介しました。
動画配信サービスでよくある ML 関連の課題/要望として、「 VOD や EC に対するレコメンデーションを行いたい」、「取り扱う放送や制作用コンテンツのチェックやメタデータ付与を行いたい」、「オンラインのサービス場合では顧客の離反予測などを実施したい」、「機械学習に詳しいエンジニアがいない」、「開発期間を短くしたい」などがあります。
こういった要望や課題に対して AWS の AI/ML サービスが活用できる例として「レコメンデーション」「動画分析」「言語データ分析」といった観点で、それぞれの詳細を説明しました。

レコメンデーション

ユーザー個人個人に対して個別化され最適化されたサービスを提供するために、パーソナライゼーションに対して投資が行われており、 30 Amazing Personalization Statistics の調査結果では 63% の顧客もパーソナライゼーションを標準的なレベルのサービスであると考えるようになってきています。このようにパーソナライゼーションはビジネスを加速させていく要素となっています。パーソナライゼーションの具体的なものとしてレコメンデーションが挙げられます。

次にリアルタイムのレコメンデーションとバッチ的なレコメンデーションに対する具体な要件や利用例を説明をしました。


動画配信サービスでリアルタイムのレコメンデーションを使用する場合は、ユーザーがログイン後、おすすめのコンテンツを表示する、ユーザーに表示しているコンテンツに関連したコンテンツを表示する、検索結果をユーザーへのおすすめする順番に並び替えて表示するといったことが重要になってきます。また、トップページからユーザーがあるコンテンツを選択し、詳細ページを表示した後トップページに戻ると、最初に表示したトップページが表示されるのではなく、ユーザーがコンテンツを選択した結果を踏まえて表示するリアルタイムのイベント処理も考慮する必要があります。次にユーザーが置かれている状態、例えば同じユーザーが使用していても時間帯とか曜日などによって見るコンテンツが変わるなど、ユーザーのコンテキスト情報を配慮したおすすめ表示も効率的な手法となります。また、ユーザーはコンテンツのパッケージ画像などの雰囲気が近いコンテンツをよりクリックすることがあるため、直近でクリック / 視聴したコンテンツと見た目の雰囲気が近いものをおすすめ表示すると詳細を見てくれる可能性が上がります。


このように EC サイトやアプリケーションの画面などでリアルタイムでレコメンデーションを行う場合は、Amazon Personalize をご活用いただけます。購買履歴や参照履歴やクリック履歴といった情報を Amazon S3 に情報を格納し、データを取り込んで学習を行なうことができます。学習が完了すると API 経由で呼び出しできる環境を作ることができます。ユーザー ID を渡し た時おすすめのアイテムのリストを取得することなどができるようになります。Amazon Personalize をうまく組み込んでいただくことでリアルタイムのレコメンデーションが簡単に構築できるようになります。


アプリへの通知や月次メールなどのバッチ的なレコメンデーションでは、今までよく使われる手法としては年代や性別でセグメント化し各グループにおすすめマーケティングメッセージを送っていました。個人個人におすすめのコンテンツや商品の情報などのユーザーに個別化されたメッセージを送ることがより効果を見込めるため重要になってきています。


Amazon Personalize はリアルタイム推論が必要ないメール配信やアプリへの通知などのバッチ的な用途にも利用ができます。メール配信では、バッチ的にユーザーに対するおすすめのリストを出力し、出力した情報をもとにマーケティングメッセージを送付することができます。また、Amazon Pinpoint を使ってアプリにプッシュ通知やメールを送ることができます。


実際にAmazon Personalize を使用したサンプルとして Amazon Personalize Retail Store Demo のデモをご紹介しました。このデモではユーザーがECサイトで行った行動に対してリアルタイムにレコメンデーションを実施していることをご確認いただけます。

Amazon Personalize を利用しレコメンドシステムを構築されたお客様事例として、株式会社メディアドゥ様より Amazon Personalize 電子書店システムへの活用した例をご説明いただきました。詳細な内容についてはこちらをご覧ください。

動画分析

動画のコンテンツの課題として実際の中身を見てみないと何が映っているかがわからないといったことが挙げられます。そのようなコンテンツにメタ情報が付与されていると、コンテンツの中身を見なくても情報をうまく扱うことができます。また、このメタデータを付与する作業を自動化出来することでコストや作業時間を削減することができます。
動画分析の AI/ML のユースケースについて説明をしました。

  • 検索性の向上
    • 動画コンテンツ自体からメタデータを自動的に生成し、既存メタデータを補完することにより、メタデータをベースに検索出来るようにするといったことができます。補完するメタデータとしてコンテンツに含まれる登場人物やビルなど物体やスポーツをしているシーン、動画のエンドロールやシーンの切り替わりなどの動画セグメントが挙げられます。
  • モデレーション
    • 不適切なコンテンツ、例えば子供向けにはふさわしくない暴力シーンがある場合、このようなコンテンツを検出をして子ども向けから外すといった使い方になります。また、自社ブランドイメージにふさわしくないコンテンツに対しては広告を付けないといった使用方法もあります。
  • コンテンツ連動の広告
    • 取得したメタデータを利用し、関連性の高い広告を表示するといった方法です。例えば今映っているものがスポーツであればスポーツ用品の広告を表示をするといった形式になります。
  • ハイライトの生成
    • 取得したメタデータを利用し、ハイライト動画を作成します。例えば数時間の野球やサッカーの試合から得点シーンを抽出してハイライト作成する場合、全部目視でチェックをするのではなく、ある程度自動化し、タイミングが抽出できれば、その中から人が選択を行うことで効率よくのハイライトを作っていくことができます。


動画分析ソリューションである Media Insights Engine を使用したデモをご紹介しました。このデモではアップロードされた動画に対して、物体の検知や動画セグメントの検知、会話の内容をテキスト出力 / 翻訳ができることをご説明しています。

リアルタイムの動画分析を実現されたお客様事例として株式会社フジテレビジョン様より AI 画像解析アプリ「メタロウ」の開発と検証 についてご説明いただきました。詳細な内容についてはこちらをご覧ください。

言語データ分析

言語データ分析の利用例としてカスタマーフィードバックの分析を挙げています。
こちらは自社サービスへのユーザーの反応、例えば扱っているコンテンツに対するフィードバックやアプリケーションに対するフィードバックあるいは SNS 上で自社について何らかの会話をされているような内容になります。
このようなテキストのデータを分析して、自社の業務やコンテンツの改善に繋げていくことになります。

このセクションではテキスト情報を分析する Amazon Comprehend というサービスを利用したデモをご紹介しました。


Amazon Comprehend では主要なキーワードを抽出することができます。そして抽出されたキーワードに対してユーザーの感情がポジティブなのかネガティブなのかといった分析を行うことができます。例えば特定の商品への投稿に含まれる言葉を抽出することでポジティブなのか、ネガティブなのかといったことが分析でき、サービスの改善へとつなげていくことができます。


またデモの中で実際にアマゾンのレビューデータを使用して、商品カテゴリごとにポジティブなものネガティブなものがどれぐらい含まれるかを Amazon QuickSight を利用して可視化して分析する例をご紹介しました。可視化することによって特にネガティブなフィードバックが多いカテゴリに対して改善を行うことができます。


このデモの例では、カメラというカテゴリでネガティブなキーワードに絞って表示しています。文字の大きさがフィードバックの多さを示しており、この例では値段やパーツに対してネガティブなフィードバックがあったことがわかります。このようにすることで、それぞれのレビューのデータを人が全部目視で確認をせずとも自社の商品カテゴリーに対して、どういう点が評価をされているのかどういう点に改善の余地があるのかを確認し、改善を行っていくことができます。

言語データ分析のお客様事例として、株式会社朝日新聞様より AWS のサービスを利用した自然言語処理の取り組みについてご説明をいただきました。詳細な内容についてはこちらをご覧ください。

まとめ

メディア企業では画像・映像データを沢山お持ちであるためこのようなデータの分析のシーンがあります。物品の販売やコンテンツの配信を行う EC や VOD ではレコメンデーションを利用することでより多くのコンテンツユーザに見ていただくことが可能になります。顧客フィードバックや SNS 上での投稿などのテキストデータの分析をして自社サービスやコンテンツの改善につなげていくことができます。
AWS は本セミナーでご紹介したように様々なデータの種類、用途に特化した AI/ML サービスを提供していますので、画像/映像のデータ分析、レコメンデーション、テキストデータの分析や解約予測など様々な用途にご活用いただけます。
参考リンクではセミナー中にご紹介したデモや関連するブログを記載していますのでぜひご覧ください。

最後に今回セミナーに参加いただいた皆さま誠にありがとうございました。引き続き業界の皆様に役立つ情報を、セミナーやブログで発信していきます。どうぞよろしくお願い致します。

参考リンク

このブログは SA 長谷川が担当しました。


 

AWS Media & Entertainment 参考コンテンツ

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