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【開催報告】サーバーレス活用と効果の実際 – 事例セミナー

2022年6月17日に、「サーバーレス活用と効果の実際」と題して、サーバーレスのプロジェクトを経験された3社に講演いただきました。

サーバーレスは、B2B/B2C 連携強化のための API、IoT プロジェクト、新しいデジタルトランスフォーメーションへのチャレンジなど、とにかくこれからの仕組みをトライ&エラーでスモールスタートしやすいテクノロジーとして検討・活用が本格化しています。一方、これまでとは異なる新しいやり方ゆえに、スキルのある人材が足りない、社内からの賛同が得られないなど、技術的な観点とは少し異なる懸念に直面しがちです。

このセミナーは、サーバーレスの技術的な実装のあれこれというよりも、新しいタイプのプロジェクトを進める上でどんなことが課題になるのか、それに対してどのように乗り切ったのか、を実体験に基づいて共有いただける良い機会となりました。

実際にご登壇いただき、貴重な実体験をご紹介いただいたのは以下のお客様です。

  • Amazon API Gateway 導入によるオリックスグループ向けAPI の提供
    オリックス・システム株式会社様
  • DevOps チーム構築のためのAWS サーバーレス移行への挑戦
    横浜ゴム株式会社様
  • 小さなチームで素早く開発!サーバーレスを活用した記事データ同期システムの開発
    株式会社 朝日新聞社様

 

各セッションの内容について

Amazon API Gateway 導入によるオリックスグループ向けAPI の提供

オリックス・システム株式会社 / シェアードサービス部 荒川 明文 様

新しい API 展開というチャレンジに対して、金融機関として重要なセキュリティの確保には重きを置きつつ、少ない投資リスクではじめて、少しずつ改善していくという構想に基づき、それに合致した仕組みとして Amazon API Gateway を選択いただきました。はじめてのサーバーレス利用ということで、サーバーレス経験者がいないという状況から社内のスキルをどう構築していったのか、どのようにチームを構成していったのか、どう関連グループ内で理解を高めていったのか、といった実際の動き方はこれからの方に参考になる内容です。

資料はこちらです

 

DevOps チーム構築のためのAWS サーバーレス移行への挑戦

横浜ゴム株式会社 / IT企画本部システム開発部システム開発3G グループリーダー 福井 仁 様
ハマゴムエイコム株式会社 / YRCシステム本部ソリューション開発部 SD3グループ 主幹 松田 知典 様

横浜ゴム様もはじめてのサーバーレス活用プロジェクトの経験をお話しいただきました。サーバーレス経験者がゼロの状態から、企業にとって重要なシステムの一つである需給管理システム(Supply Chain Planning/SCP)をサーバーレス型でスクラッチから構築するというチャレンジです。社内でどうスキルを構築していくのか、社内関係者にどのように理解をしてもらうか、そこに至る上で有効だったと思われる座組みなど、とても参考になるヒントが含まれていたのではないかと思います。

また、こうした苦労の末でのサーバーレス型での実装経験は、対象システムでの効果はもちろんのこと、今後の同社にとって「武器としてのサーバーレス」になるといったコメントもありました。

資料はこちらです(動画は非公開)

 

小さなチームで素早く開発!サーバーレスを活用した記事データ同期システムの開発

株式会社 朝日新聞社 / 朝デジ事業センター カスタマーエクスペリエンス部 金子 淳貴 様

朝日新聞社様のデジタル分野を支える朝デジ事業センターの取り組みをご紹介いただきました。この分野にとって、更新頻度は大きな意味と価値を持ちます。システムの小さな変更を高頻度に少労力で展開できるように内製化に方向転換し、そこでサーバーレスを活用いただいています。スモールスタートとアジャイルで迅速に繰り返し開発を回す要件において、サーバーレスが非常に相性が良いこと、その具体例として、検索エンジンの切り替え A/B テストや記事の同期化の仕組みの実装とそこでの経験についてのご説明がありました。

資料はこちらです

 

まとめ

サーバーレスのような新しい仕組みを取り入れることは、チーム体制の検討や関係者との合意形成など、技術的な部分以外にも進めるべきことが出てきます。産みの苦しみとよく言われますが、そうやって得た効果は、大きな武器となることが実例から感じ取れました。また、内製化してスピードアップを図りたいけれど、人が足りない、運用スキルがあまりない、という要望に対して、サーバーレスはよい補完テクノロジーになり得ます。その視点で検討いただくケースも増えており、その参考になれば幸いです。

なお、サーバーレスをあらためて理解したい方にはこちらのセミナーがおすすめです。

また、サーバーレスアプリケーションを構築するにあたっての技術関連情報はこちらで見つけることができます。

サーバーレス事業開発 杉