Amazon Web Services ブログ
【開催報告】製造業向けDXセミナー AWS IoTで加速する製品のスマート化(2022/6/16)
始めに
こんにちは!アマゾンウェブサービスジャパン合同会社IoTの事業開発を担当している近藤です。2022年6月16日にオンラインで「製造DXセミナー~AWS IoTで加速する製品のスマート化~」を開催致しました。セミナーの開催報告として、ご紹介した内容や、当日の資料・収録動画などを公開いたします。
製造業界ではDX化の加速により、製造から販売で完結していたビジネスモデルから、IoTで製品を接続しデータを取得するなど更なる価値を提供するビジネスモデルへと変革が起ころうとしています。
本イベントでは実際にAWSを活用することで課題を克服し大規模なIoTワークロードを実現されたお客様よりその事例をご紹介頂き、AWSからはビジネスモデルの変革事例やAWS IoTを使った課題解決方法などをご紹介します。
製造業におけるモノ売りからコト売りへの変革
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 シニア事業開発マネージャー 和田 健太郎
本セッションでは、昨今製造業の皆様が直面している環境変化要因とその中でのサービタイゼーションの必要性をまず確認致しました。その上で、製造業におけるサービス化のパターンとして3つのパターンをご紹介し、その中でもスマートプロダクトにフォーカスし、スマート化の3つの目的や、ビジネスモデルや組織/機能がどう変わるかをご説明しました。「製品+サービス」の提供においては、「素早いサービスの立ち上げ」と「継続的な改善」がポイントになりますが、そのためにAWSのクラウドを活用する有効性をご説明しています。さらに、スマート化の3つの目的にあわせて、AWSを活用して変革を実現されたお客様事例をお話させて頂きました。最後に、サービタイゼーションという一連のトランスフォーメーションに対して、システム以外の要素も含めて、AWSが製造業の皆様をどうご支援できるかをご紹介させて頂きました。是非動画でご覧ください。
AWSと歩むリンナイIoT製品の現状とこれからの展望
リンナイ株式会社 情報システム部 部⻑ ⼭本 浩樹 様
リンナイ様からは次の100年に向けて会社として消費者志向への変革として5つのフェーズに分けて製品のIoT化のご説明をして頂きました。
- フェーズ1-2:製品のHEMS対応のリモコン、M2Mスマホアプリの開発
- フェーズ3:IoT化により宅外から給湯器を操作できるよう機能の追加。IoT化では以下3つの課題をご説明いただきました
- IoTセキュリティと製品の安全性の考え方
- サーバーの構築
- IoT仕様の技術対応を伴走するパートナー選定
- フェーズ4:スマートスピーカーや他社サービス、自社レシピアプリとの連携機能の強化
- フェーズ5:サービス運用の内製化のための技術習得と内製化による効果
またIoTを進めるためのポイントとしてスモールでやってみること、外部の知見を活用すること、自社でできるよう努力することの3点を挙げて、AWSを利用して良かった点もご紹介頂きました。最後に今後の取り組みとしてIoTデータによるエコシステム構築とIoTエンジニアの育成をご説明頂きましたので是非動画でご覧ください。
「顧客とつながり続ける!ブラザーのサブスクへの挑戦」 ~最強の「At your side.」を目指して~
ブラザー工業株式会社 加藤 修平 様
ブラザー工業株式会社様からはプリンタサブスクリプションサービスについてお話頂きました。社会や事業背景からお客様とつながることに繋がるという目的背景があった事、その上で実現されたでブラザー様のサブスクリプションサービスの詳細とお客様への提供しているコスト削減、便利、信頼性の3つの価値についてご説明頂きました。そのサービスで採用されたアーキテクチャーに関してAWSをご採用頂いた理由ともなった「信頼性」、「パフォーマンス効率」、「運用上の優秀性」、「セキュリティ」、「コスト最適化」の5つの柱の詳細をお話頂いています。またAWSを使う事で変わった事として、迅速かつ少ないリソースで価値創出を実現できた具体的な事例をご紹介頂いています。最後にオンプレサーバーをクラウドへの置き換えやレガシィなシステムから新システムへの置き換えなどAWSを使って今後段階的にやりたいことをお話頂きました。是非動画でご覧ください。
技術改革・組織改革を通じて実現したIoTカメラサービス「i-PRO Remo.」の開発軌跡
i-PRO株式会社様 (旧パナソニックi-PROセンシングソリューションズ)
執行役員 バイスプレジデント 高橋 秀明 様
エキスパートソフトウエアエンジニア 河本 耕治 様
エキスパートソフトウエアエンジニア 若子 武士 様
i-PRO株式会社様は、AIエッジ処理できるAIカメラと、IoTカメラサービス「i-PRO Remo.」の提供を開始されました。本セッションでは、従来比半分の開発期間を実現された、開発手法とプロセス改革の軌跡を解説頂きました。
- 様々なお客様のコトづくりに貢献するために、垂直統合型のシステム開発から、 メーカーへ原点回帰し、パートナーと協業した水平分業型の開発への変革。
- 監視カメラIoT化の課題「お客様に強いていた 難しいクラウド接続とセキュリティの設計と設定」に対するAWS IoT CoreとAmazon Kinesis Video Streamsの製品実装による課題解決。
- ウォーターフォール型の設計品質とアジャイル型のスピードを両立した、組織文化・プロセス・ツール づくりと その経営効果を具体的にご説明頂きました。
最後に、製造業のDX化と製品IoT化のお役立ちとして、「新しい製造検査」と「新しい製品IoT化」を実現する業界最小クラスのAIネットワークカメラ「i-PRO Mini」とモジュールカメラのご提案を頂きましたので是非動画でご覧ください。
スマート製品におけるAWS IoTの活用方法
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 IoT スペシャリスト ソリューション アーキテクト 飯塚 将太
最後にAWSからの技術セッションとして「IoT PF構築に活用できるAWS IoT」と「スマート製品化における良くある課題やユースケース別のAWS構成例」をご紹介しました。IoT化に必要なPFでは、機器接続→データの収集→保存→分析→可視化の機能が必要となります。こういったIoT PFを構築するため、AWS IoTが活用できます。AWS IoTではIoTユースケースにおける機能要件を網羅的に実現するため、10を超えるサービスや機能が提供されています。それらを組み合わせることで、皆様のIoT PFが構築できることをご説明しました。本セッションでは、そのようなスマート製品を構築するにあたってよくあるユースケースや課題、実装しなければならない機能をAWSサービスを活用して具体的にどう構成するか、いくつかの例を参考にAWS構成をご紹介しました。例えば、機器を遠隔やスマートスピーカーから操作する、ユーザーにデータ表示する、機器をLoRaWANで接続する、ファイルやストリーミング映像を機器からクラウドへ収集する、などの構成を取り上げました。その他にもスマート製品向けの多くの構成をご紹介していますので、是非動画をご覧ください。
終わりに
本セミナーでは、製造業のお客様が自社の製品やソリューションをIoT化することで新しいビジネスモデルを通して顧客エクスペリエンスを変革する方法について紹介し、実際にサービタイゼーションをされたお客様の事例と体験談を共有いただきました。本セミナー以外にも、AWS IoTに関する日本語のリソースや日本のお客様事例はAWS IoT開発者ポータルにて公開しております。是非ブックマークいただきご活用ください。
本ブログは、ビジネス開発マネージャーの和田 健太郎、IoTソリューションアーキテクトの飯塚 将太、事業開発マネージャの近藤 祐丞が執筆しました。