Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2021/5/3週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの下佐粉です。
今週も週刊AWSをお届けします。
ゴールデンウイークがあけ、ついにAWS Summit Onlineが5/11(火)-5/12(水)で開催になります。150以上の各種セッションを用意してお待ちしておりますので、ご登録がまだの方はぜひご登録いただければと思います。
すでにご登録された方は、ぜひこちらの「AWS Summit Onlineの歩き方」動画をご覧ください。セッションの種類や、見たいセッションを見つけてマイアジェンダに登録する方法が解説されています。私は「アプリケーションに BI 機能を埋め込みませんか?簡単で運用負担が少ない Amazon QuickSightの埋め込み機能」というセッションを担当しています。ご興味ある方はセッション番号のAWS-44で検索いただければと思います。
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2021年5月3日週の主要なアップデート
- 5/3(月)
- Amazon CloudFront announces CloudFront Functions, a lightweight edge compute capability
CloudFront Functionsが発表、一般提供開始(GA)になりました。エッジで動作するコンピューティング環境です。実行時間は1ミリ秒以内である事からわかるように、すぐ終わるような小さい処理を世界200箇所以上にあるエッジロケーションで実施することで、ユーザに高いレスポンスで処理を提供することを目的に設計されています。以前より提供されているLambda@Edge(こちらは世界13か所リージョナルエッジキャッシュ上で動作し、最大30秒の処理が可能)との違いを含めてこちらのブログで解説されています。 - Introducing Amazon FinSpace, a fully managed service to store, prepare, and analyze data for the financial services industry (FSI)
Amazon FinSpaceが発表、一般提供開始(GA)になりました。FinSpaceは金融系の業務に特化したデータの管理・分析を支援するサービスです。データを蓄積してリスク分類ごとに整理したり、定義済の金融の分析でよく必要とされ分析をJupyter notebook上で実行するといった事が可能です。詳細はこちらのブログをご覧ください。 - AWS Transit Gateway Network Manager is now available in AWS Asia Pacific (Osaka) Region
AWS Transit Gateway Network Managerが大阪リージョンで利用可能になりました。Transit Gateway Network Managerは、Transit Gatewayやオンプレミスのリソースを登録することで、それらをまとめて管理するビューを提供するサービスです。 - Amazon Redshift announces support for hierarchical data queries with Recursive CTE
Amazon RedshiftでWITH RECURSIVEを使った再帰SQLが利用可能になりました。再帰SQLは階層構造を持つデータに対して、階層をたどりながらクエリするための書き方です。階層構造の例として良くあげられるのが部品表で、例えば自動車を分解するとエンジンやタイヤといったパーツで構成されており、エンジンを分解するとネジやシャフトといったさらに小さい部品に分解でき、という形です。再帰無しだとこういった構造からデータを抽出するには各階層ごとに繰り返しクエリしていく必要がありますが、再帰によりそれが1つのSQLで書けるようになります。詳細はドキュメントをご覧ください。
- Amazon CloudFront announces CloudFront Functions, a lightweight edge compute capability
- 5/4(火)
- Amazon DevOps Guru now generally available with additional capabilities
Amazon DevOps Guruが一般提供開始(GA)になりました。東京リージョンでもご利用いただけます。DevOps Guruはアプリケーションの可用性向上を機械学習の技術で支援するサービスです。機械学習により通常の運用パターンを学習し、そこから逸脱した動作を検出してくれます。詳細はこちらの解説ブログをご覧ください。 - Amazon Elasticsearch Service now offers AWS Graviton2 (M6g, C6g, R6g, and R6gd) instances
Amazon Elasticsearch ServiceでAWS Graviton2プロセッサを搭載したインスタンスであるM6g,C6g,R6g,R6gdが利用可能になりました。Graviton2は、ARMアーキテクチャベースのプロセッサで、高いコストパフォーマンスを提供します。東京リージョンでもすでに利用可能になっていますので、ぜひお試しください。 - Amazon QuickSight Launches Threshold Alerts
BIサービスのAmazon QuickSightで閾値アラートが利用可能になりました。ゲージチャートやKPIチャートに閾値をセットしておき、それを超えた時にemailで連絡する機能です。閾値のチェック頻度に応じた費用が発生します。料金はこちらのページでご確認ください。(日本語版のページはまだ更新されていないので、現時点では英語版をご覧ください)
- Amazon DevOps Guru now generally available with additional capabilities
- 5/5(水)
- Amazon VPC が VPC ピアリングの料金変更を発表
VPC Peeringの料金が改定され、VPCピアリング接続経由の通信において単一のアベイラビリティゾーン(AZ)内で行われる場合、データ転送が無料になりました。これは2021/5/1にさかのぼって適用されます。注意点としては、あるAWSアカウントでのAZの名前は他のアカウントと同じとは限らないという点です。正確に判断するにはAZ IDを使って確認をする必要があります。
- Amazon VPC が VPC ピアリングの料金変更を発表
- 5/6(木)
- Introducing IAM Access Control for Apache Kafka on Amazon MSK
Apache Kafkaをマネージドで提供するAmazon MSKで、IAMによるアイデンティティベースのアクセスコントロールが可能になりました。例えばIAM Roleを使ってApache Kafka APIへのアクセスを制御することが可能になります。詳細はこちらのドキュメントをご覧ください。 - Amazon CloudFront announces price cuts in India and Asia Pacific regions
Amazon CloudFrontの料金改定がアナウンスされ、インドやアジア各国(香港、インドネシア、フィリピン、シンガポール、韓国、台湾、タイ)の料金が値下げされています。これは2021/5/1にさかのぼって適用されます。詳細は料金ページをご確認ください。
- Introducing IAM Access Control for Apache Kafka on Amazon MSK
- 5/7(金)
- Prepare data for machine learning faster and easier on Amazon SageMaker Data Wrangler with support for more data sources and distributed jobs
機械学習のための前処理(データ準備)サービスである、SageMaker Data Wranglerに複数の機能追加・拡張が発表されました。例えばクロスアカウント(別AWSアカウント)のS3にアクセスできるようになったり、取り扱えるデータの列数が最大1,000列に拡張されたりしています。 - Amazon EBS Container Storage Interface (CSI) driver is now generally available
Amazon Elastic Kubernetes Service (EKS)もしくはユーザ管理のKubernatesクラスターからEBSにアクセスできるようにする、EBS CSIドライバが一般提供開始(GA)になりました。詳細はこちらのドキュメントをご覧ください。 - Amazon SageMaker Automatic Model Tuning now supports up to 10x faster tuning and enables exploring up to 20X more models
機会学習の統合的なサービスであるSageMakerのAutomatic Model Tuning (自動モデルチューニング)の改善が発表されました。ハイパーパラメータチューニングの際、最大で100パラレルのトレーニングが実行可能になる等によって、より短い時間でのトレーニングが可能になっています。Automatic Model Tuningについてはこちらのドキュメントをご覧ください。
- Prepare data for machine learning faster and easier on Amazon SageMaker Data Wrangler with support for more data sources and distributed jobs
新発表ではないですが、最後に1つブログのご紹介を。「10歳の誕生日おめでとう – AWS Identity and Access Management」という記事がAWS Blogに掲載されています。AWSの基盤技術の1つであるIAMがリリースされて10年になるのですね。その基盤の上に10年かけて色々な機能が追加されてきたのが分かる興味深い内容になっています。ぜひご一読ください。
それでは、また来週!
ソリューションアーキテクト 下佐粉 昭 (twitter – @simosako)