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AWS Elemental Linkが国内代理店様から購入可能になりました

2020年4月にリリースされたAWS Elemental Link(以下Link)。まもなく登場から1年が経過しようとしています。日本でも30社を超えるお客様にご購入頂いており、「操作がシンプルで使いやすい。」「画質が良い。」「ライブ運用中の監視が容易。」などのポジティブな感想を頂戴しております。また一方、LinkはAWSのコンソールで簡単に購入できるものの、輸入購入となるため、米ドルで米国の銀行に振り込みをしなければならないことや、電安法の規定により再販ができないことに苦言を頂戴することもありました。流通面で、より容易に、迅速に、そして再販については電安法準拠をして可能とするように後述する代理店様を設定致しました。本ブログでは、良い評価を頂ける背景にあるLinkの機能について最新情報を交えながらお伝えしたいと思います。

 


LinkはAWS Elemental MediaLive (以下MediaLive) の映像・音声の入力ソースとしての専用デバイスとなっており、MediaLiveの入力がお客様のオンプレ環境にPlugとして用意されたハイブリッド・ソリューションになります。すなわち独立したエンコーダーのように、細かなエンコードの設定、インジェストポイントの設定を行う必要がありません。お客様がご利用になられるMediaLiveのアカウントに紐づけられて出荷されておりますので、ご利用にあたってお客様が行うことは、電源をつなぐ、ネットワークと接続する、カメラからの映像音声をSDIあるいはHDMIで接続する、この3つだけです。また本体も僅か450gと可搬性に優れています。このことにより、「操作がシンプルで使いやすい。」というご評価を頂戴できていると自負しております。ご利用にあたって高度なITやエンコードの知見は必要ありません。

 

Link Setting

Linkで必要なエンコード設定はこれだけ。最大ビットレートの設定のみです。

「画質」についても高い評価をただいていることをお伝えしました。何故高い画質が得られるのか考えてみたいと思います。Linkでは映像の圧縮にHEVC(H.265)を採用しています。MPEG2やH.264に比較すると圧縮の効率が高く、例えば同じビットレート指標を使ってエンコードした場合、HEVCではより高い画質を得られることになります。さらにライブ配信サービスの品質を考えるとき、映像をオンプレとして設置された場所からMediaLiveにアップロードするネットワークは重要なポイントです。ネットワークの状態は常に変化しています。パケット損失も発生するかも知れませんし、場合によっては利用できる帯域幅が減少するようなことも発生します。これらへの対策がおろそかになっていると、映像が途切れるというような事態を招きます。またバンド幅の変化を考慮し低めのビットレートでエンコードを設定すれば安定した接続を得られますが、画質とのトレードオフを招きます。Linkではこのネットワーク起因の問題に対して2つのアプローチで対応しています。パケットロスへの耐性を高めるためにQOSプロトコルとしてZixiを採用致しました。パケット損失に対して非常に高いリカバリー率が得られます。またネットワーク帯域の変動に対しては、状態を認識して対応するアダプティブ・ビットレート・アルゴリズムを採用しており、ネットワーク変動にたいしてエンコード・ビデオのビットレートを変化させることでリアルタイムに調整をしています。これによりネットワークの帯域の変動が発生しても途切れない伝送を行うことができています。言い換えますと、現在利用できる最大のビットレートでエンコードをするのでネットワークが安定している場合には高品質を保ったままMediaLiveに映像を伝送していると言えます。これらQOSプロトコルとアダプティブなエンコード制御により高い品質の映像伝送が担保されています。

Media Live Input

MediaLive Input設定からアカウントに紐づいたElemental Linkを選択

「監視の容易性」についてお話させていただきます。一般的なライブ配信のフローですと、配信を行うイベント会場にエンコーダーを設置します。エンコーダーの状態は現地でスペシャリストにより設定と確認がされています。複数の場所から同時刻に配信が開始される場合には、それぞれの場所にスペシャリストを派遣している場合も多いと考えられます。Linkでは、既に説明しました通り、MediaLiveの入力機能が現場に延長されているイメージなので、そのコントロールは全てMediaLiveのコンソールで行われています。監視についてもアカウントに紐づけられた全てのLinkが「ソース」として状態確認ができ、動作しているチャネルは伝送されている映像イメージが数秒ごとに更新され表示されるので正常性とともに映像の内容の確認もMediaLiveのコンソールで集中的に行われています。複数のソースがあり、複数のチャネルを展開する場合でも、プレビューによる可視化で間違いなく紐づけ設定を行うことができます。

MediaLive

MediaLiveのコンソールで2つのLinkからの入力監視

2020年4月に販売を開始した時点では東京リージョンのMediaLiveではご利用が頂けませんでした。現在はMediaLiveをサポートしている全リージョンでご利用でき、もちろん東京リージョンでの利用も問題ありません。それに加え、Linkを利用するアカウントの変更機能、利用するリージョンの変更機能もリリースされ、お客様の柔軟な運用を支援しております。

冒頭に購入・流通においてお客様に容易かつ安心な方法を提供するため代理店を設定したことをお話しました。東通産業株式会社様(東京都港区 https://www.totsu.jp/)と契約を締結し、2020年12月より同社による販売がスタート致しました。また、電安法の規定に基づく経済産業省への登録も完了されています。これにより、お客様は輸入を伴わない円建ての国内取引とし購入頂くことができ、また納入予定についても同社より速やかに受け取ることが可能です。また、同社より購入頂くLinkは再販することが可能となります。同社ではホームページ上にLink購入の専用ページを用意しております。 また、購入についてのお問合せは link@totsu.co.jp で対応頂けますので宜しくお願い致します。

MediaLiveとLinkの組み合わせにより、品質と信頼度の高いライブ配信のフローを柔軟で、かつ容易に実現可能です。MediaLiveの配信先の設定によりYouTubeライブやSNS系のライブ配信システムに伝送して視聴者に届けることも可能です。AWS Media Servicesを活用したライブ配信フローの構築については、ライブストリーミングソリューションも参考にしてください。

安定した品質の高いライブ配信をお考えの場合是非AWS Elemental MediaLiveとAWS Elemental Linkのご利用をご検討頂けましたら幸いです。


Link2Live キャンペーン

現在、Elemental Link をご購入いただいたお客様へ AWS Media Services とAmazon CloudFront をご利用の際に使えるクレジットを提供しております。
Elemental Linkでライブ配信を予定されているお客様は、是非こちらよりお申込みください。

 


 

AWS Media & Entertainment 参考コンテンツ

AWS Media & Entertainment Blog (日本語)
AWS Media & Entertainment Blog (英語)
AWS Media Services

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このブログはAWS Elemental 冨田、BD山口が担当しました。