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Amazon のソリューションアーキテクトに直感的でハイパフォーマンスなビジネスインテリジェンスを提供

Solution Architect Empowerment Team (SET) は、AWS Worldwide Specialist Organization (WWSO) 内の部門で、1,600 人のスペシャリストソリューションアーキテクトにサービスを提供しています。その主力プロダクトである OZONE は、次の 4 つの主要分野でこれらのアーキテクトを支援するために設計された、データドリブンエンパワーメントフレームワークです。

  1. Amazon の顧客重視の価値観に則った重要な顧客活動へのフォーカス
  2. 生産性と効率性の最大化
  3. アーキテクトの活動が AWS の顧客とサービス利用に与えたインパクトの可視化
  4. リーダーがデータを用いて迅速で影響力のある意思決定を行うための支援

SET はさまざまな部門のさまざまな社内パートナーと協力して、専用のデータインテリジェンスツールを開発しています。これらのツールは、ソリューションアーキテクトのリーダーや関係者により早く、より価値のあるインサイトを活用できるようにすることで、広範なチームが相対するお客様の体験向上に役立ちます。

このブログ記事では、SET がインサイト配信環境を Amazon QuickSight に移行して、コスト削減とスケーラビリティを実現した方法について説明します。

様々なデータ、複雑な計算、パフォーマンスに関する課題

OZONE は、顧客エンゲージメント、トレーニングなどさまざまな AWS ソースからのデータを使用し、スペシャリストソリューションアーキテクトにデータドリブンのインサイトを提供するサービスです。

これらの強力なインサイトを提供するために、OZONE は、データセットの統合、複雑なクエリの実行、カスタム計算と視覚化を備えたダッシュボードの提供が可能な、強力なビジネスインテリジェンス (BI) ツールで動作させる必要がありました。

特に、クエリ、分析、複雑な計算の実行には各々のデータセット (200 GB 以上) を利用する必要があり、作業で利用している大規模で分散した多くのデータソースに対応したいと考えていました。データの利用にあたっては、データ収集・加工のパイプラインを介して追加のデータを取り込む必要があったため、既に保持しているクラウド資産との連携や統合も重要でした。そして、機械学習を使用してデータ分析を強化し、パターンを検出し、インサイトを得るまでの時間を短縮するなど、よりインテリジェントな方法でこれらのデータを使用できるようにしたいと考えていました。

さらに、ビジュアルのレンダリング時間短縮は優先度の高い課題でした。以前の BI ツールではダッシュボードの読み込み時間が遅く、前払いのライセンスモデルを使用していたため、より広範なユーザーに対してセルフサービス分析を提供することが困難でした。

これらすべてを念頭に置き、BI のニーズに応える代替ツールを探す時が来たと判断しました。理想的には、大規模利用でも費用対効果が高く、既存のクラウド技術スタックとうまく統合でき、より高度なデータモデリングと分析が可能なものです。

Amazon QuickSight によりBI の摩擦を軽減し、高度な機能を有効化する

新しい BI ツールを探すとき、私たちはいくつかの重要なニーズを念頭に置いていました。コスト削減や他の分野での改善が実現でき、なおかつ手頃な価格で拡張できる分析ソリューションが理想です。

2022 年 8 月、私たちは OZONE ダッシュボードを QuickSight に移行することを決定し、次のことが可能になりました。

  • ユーザーベースのライセンスコストからの脱却
  • より複雑な計算や高度な分析が可能なダッシュボードの構築
  • OZONE の幅広いユーザーへの公開
  • データパイプライン用のクラウド技術スタック (Amazon S3Amazon DynamoDBAWS GlueAmazon Redshift など) を活用
  • Amazon QuickSight Q のような高度な機能を導入、会話機能やその他の次世代機能を有効化
  • 重要なビジネスインサイトをより早く、より確実に提示

QuickSight はデータウェアハウス向けの Amazon Redshift など他の AWS サービスと統合されており、シームレスなデータフローとより効率的な分析パイプラインの構築が可能になりました。

また、目標設定方法論 (目標や主要な結果など) に関するさまざまなビジネスユースケースを実装することもできました。KPI とメトリクスを設計し、組織、チーム、機能レベルにおける戦略的ビジネス目標に対するほとんどの進捗状況を測定することが可能です。これらの指標には、ソリューションアーキテクトのアクティビティ、Salesforce の商談価値、営業サイクルの長さ、商談勝率、製品価値、ソリューションアーキテクトのエンゲージメントメトリクスなどが含まれます。これらの洞察により、OZONE はベースライン、データトレンド、予測、What-if 分析などのデータモデルをサポートし、ソリューションアーキテクトのリーダーシップによる、より多くの情報に基づいたビジネス上の意思決定を可能にします。

OZONE Reflections / Insights ダッシュボード

私たちの OZONE エンパワーメントフレームワークは、関係者がより良い意思決定を行うために必要な深いインサイトを得られるようにするもので、「Reflections」と「Insights」という 2 つの主要なダッシュボードで構成されています。私たちは QuickSight を使用し、これらのダッシュボードをわずか 3 か月で導入することができました。

これらの高度にインタラクティブなダッシュボードにより、ユーザーはビジュアルをドリルダウンし、フィルターを適用し、分析を探索することで、より深い洞察を得ることができます。また、QuickSight にはさまざまな組み込みの視覚化オプションがあり、これらのインサイトやレポートを簡単にカスタマイズすることができます。

OZONE Reflections は、スペシャリストソリューションアーキテクト、およびソリューションアーキテクトのリーダーシップに対し、自分たちの取り組みが顧客にどのような変化をもたらすかをより明確に把握するために必要なツールを提供します。このダッシュボードでは、ソリューションアーキテクトのアクティビティをドメイン、チーム、各ソリューションアーキテクトの各レベルで分析し、定義された大目標の達成状況を確認することができます。また、アクティビティ状況から予測されるペースを計算して、ソリューションアーキテクト、チーム、ドメインが定義した目標に対してどの程度進捗しているかを把握することもできます。関係者はドメインレベルのインサイトについては Domain Reflection ダッシュボード、チームレベルのインサイトについては Team Reflection ダッシュボード、ソリューションアーキテクトレベルのインサイトについては Solution Architect Reflection ダッシュボードを参照することが可能です。

OZONE Insights は、WWSO ソリューションアーキテクトのリーダーが主要なビジネス目標の達成におけるドメインの有効性判断を可能とするための KPI とメトリクスをダッシュボードとして提供します。

このインサイトはソリューションアーキテクトの影響を測定する上でも不可欠となっており、顧客エンゲージメントや、顧客の成果を促進するその他のドメイン固有の活動への参加状況を測定することによって行われます。ダッシュボードには 5 つの主要なビジネス指標が示されています:[1] スペシャリストソリューションアーキテクトのエンゲージメント率とその商談が月間経常収益に与える影響、[2] スペシャリストソリューションアーキテクトの関与した商談の勝率と商談のサイクルタイムに与える影響、[3] トップスペシャリストソリューションアーキテクトのドメインアクティビティ、[4] どのステージで商談に参加しているか、 [5] スペシャリストの参加によって影響を受ける顧客の数

OZONE の QuickSight ダッシュボードは、AWS 財務チームが管理している Amazon Redshift クラスターからデータを取得します。複数のデータソースを利用して顧客とアカウントのデータを取得することで、ダッシュボードは顧客向けアクティビティの主要なメトリクスと KPI に関する情報をユーザーに提供できます。

OZONE は、Web アプリケーションポータルを介して、ドメイン、チーム、および機能レベルのスペシャリストソリューションアーキテクトチームからの情報を収集するため、データの消費者であると同時に作成者でもあります。私たちのデータパイプラインは Amazon DynamoDB、AWS Glue、および Amazon S3 を使用して構築されており、Amazon Redshift クラスターに統合されています。このアップストリームデータについては、ETL と airflow を介して夜間更新のサイクルを維持しています。そうすることで、QuickSight においてダッシュボードを作成する際に、常に最新のデータセットを使用し続けることができます。

以下の図は、OZONE の技術アーキテクチャと、Web アプリケーションから QuickSight へのデータフローを示しています。

また、埋め込み分析にも QuickSight を使用しています。QuickSight の埋め込み機能により、一元管理された Web アプリケーションポータルである OZONE Intelligence Suite にインタラクティブなダッシュボードを埋め込むことができました。

このツールにより、利用者に対して単一のビュー、つまり、ビジネスへのインパクトとソリューションアーキテクトのパフォーマンスに関するインサイトを得るのに役立つ統合データエクスペリエンスを提供することができます。

スペシャリストソリューションアーキテクト向け BI ユーザーエクスペリエンスの強化

QuickSight の様々な利点により、スペシャリストソリューションアーキテクトリーダーのユーザーエクスペリエンスが強化されました。

より高速なインサイトの獲得

QuickSight を使用すると、さまざまなデータソースを統合、分析や視覚化のための複雑な計算を準備といった時間のかかるタスクを削減し、より迅速にインサイトを得ることができます。QuickSight の活用はユーザーの時間を大幅に節約する結果に繋がりました。Amazon Redshift は、分析に必要なデータモデルを構築し QuickSight に接続して分析を行う際に役立っています。多くの Amazon Redshift データレイクのデータを簡単に結合し、分析用のデータモデルを作成できます。

より素早いデータ統合とユーザーエクスペリエンス

OZONE のSPICE モードは 5,000 万件を超えるレコードの消費を加速します。SPICE の共通部分式除去 (CSE) 機能によりクエリが最適化されることでダッシュボードの読み込みや複雑な計算の結果が速くなり、全体的なユーザーエクスペリエンスが向上します。

アクセシビリティとスケーラビリティの向上

QuickSight の拡張性により、WWSO 組織内の 1,600 人のスペシャリストソリューションアーキテクト全員が、パフォーマンスに影響を与えることなく複数のデータセットに同時にアクセスできます。これにより、OZONE の提供範囲を現在のユーザーベースを超えて拡大することも可能になりました。

より速く、より自然なレポート作成とデータ視覚化

OZONE は QuickSight のオートナラティブ機能を使用しています。オートナラティブ機能は、分析の簡単な要約を説明分の形式で提供します。これにより、スペシャリストソリューションアーキテクトのリーダーは重要なインサイトを簡単に抽出し、定期的なビジネスアップデートに役立てることができます。こうした自動化された説明文はスペシャリストソリューションアーキテクトの与えるインパクトに焦点を当てているため、ビジネスレビューの文書やレポートに直接コピーできます。OZONE のダッシュボードでは、時系列データを使用したトレンドの視覚化や比較分析もサポートされており、これらの説明をさらにわかりやすいものにしています。

Q を利用した自然言語クエリ

OZONE は QuickSight Q を通じて、スペシャリストソリューションアーキテクトのリーダーからの質問を解釈し、カスタムビジュアルを生成、データインサイトを迅速に得ることができます。基礎となる OZONE データセットの Q トピックは、回答精度を向上させるようにトレーニングされており、エンドユーザーは Reflections ダッシュボードではカバーされていないビジネス上の質問への回答を得ることができるようになっています。

全体的として、QuickSight は開発プロセスを合理化し、さまざまなデータセットにわたる重要なデータインサイトを統合し、スペシャリストソリューションアーキテクトのリーダーが大規模なデータをもとにタイムリーな意思決定を行えるようになりました。

OZONE チームと QuickSight チームとのコラボレーションにより、読み込み時間が短縮され、クエリ時間が最適化された、パフォーマンス効率の高いビジネスインテリジェンスダッシュボードが生まれ、ユーザーエクスペリエンスの向上を実現することができました。また、スペシャリストソリューションアーキテクトが AWS サービスの採用やさまざまなビジネスセグメントにわたるカスタマージャーニーへの影響を測定できるようになったことで、WWSO ソリューションアーキテクト組織内の運用効率が向上しました。

QuickSight ダッシュボードは美しく見えます。また、以前のツールよりも読み込みがはるかに高速です。全体として、ダッシュボードは非常に便利で、満足しています。チームのすべてのソリューションアーキテクトへの伝道はすでに始まっています

— WWSO SA リーダー

QuickSight をはじめましょう

ZONE チームでは QuickSight への移行により、組織全体にわたるデータ統合とインサイトの提供を改善することができました。

QuickSight の採用により、サービスの提供コストをはるかに抑えながら、これまで以上に多くのことを行えるようになりました。また、同時に ML 対応の分析や自然言語クエリなど、これまで以上に魅力的な高度な機能を簡単に試すことも可能になりました。

QuickSight がお客様のビジネスの費用対効果、プロセス効率、インサイト提供の向上にどのように役立つかについて、詳しくは Amazon QuickSight をご覧ください。


記事の翻訳は Solutions Architect 宮﨑 太郎が担当しました。原文は こちらです。