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Amazon EKS 5 周年おめでとう!

今日は、Amazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS)  の 5 周年を祝うことができてわくわくしていますし、これまでの道のりを振り返る絶好の機会でもあります。2018 年の発表以来、Amazon EKS は、回復力があり、安全で、スケーラブルなコンテナベースのアプリケーションを実行することで、世界中の何万ものお客様にサービスを提供してきました。アップストリームの Kubernetes を使用する Amazon EKS は、AWS、オンプレミスのデータセンター、およびエッジ環境で Kubernetes を実行するための最も信頼性の高い方法です。

5 年間の節目を振り返って

5 年前の 6 月 5 日にリリースされた Amazon EKS は、主に Kubernetes の管理が難しいというお客様からのフィードバックに応えて開発されました。Amazon EKS チームの主任エンジニアである Rick Sostheim 氏は次のように語っています。「EKS ベータ版が受け入れられたことを考えると、その可能性には非常に興奮していましたが、次に来ることへの備えは何もありませんでした。旅はロケットに乗るようなものでしたが、それでもまだ Day 1 だと感じています。私たちがどこに向かうのか想像することもできません!」これらの感情は、Amazon EKS のお客様に対する当社の取り組みを特徴づけてきた進歩と熱意を反映しています。

過去 5 年間、Amazon EKS は多くのマイルストーンを迎え、それぞれが回復力、セキュリティ、および堅牢な機能に貢献してきました。当初は、可用性と耐障害性に優れたコントロールプレーンの開発に重点を置きながら、データプレーン内のお客様のワークロードに対応する一連の機能を拡張しました。

  • クラスターの更新が簡単:Amazon EKS はマネージド型のインプレースクラスターアップグレードを提供しているため、Amazon EKS API を使用してクラスターを最新バージョンに更新できます。
  • マネージド型ノードグループと AWS Fargate:お客様は、Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) インスタンスと Auto Scaling グループ (ASG) を搭載したマネージド型ノードグループを使用して、Amazon EKS 上でワークロードを柔軟に実行できます。また、AWS Fargate を利用することで、基盤となるノードのパッチ適用、スケーリング、セキュリティを AWS が処理し、お客様はワークロードだけに集中することができます。
  • Karpenter によるクラスター自動スケーリングKarpenter を使用すると、お客様はアプリケーションワークロードのニーズに応じて、スポットインスタンスも含めて動的にプロビジョニングされたコンピューティングにより、アプリケーションの可用性とクラスターの効率を向上させることができます。重要な機能であるワークロード統合は、お客様にとって大幅なコスト削減につながります。

クラスターのライフサイクル全体にわたってフルマネージドな体験を提供することを目的として、クラスターの運用に重点を置いて取り組んできました。これは、vpc-cni や CoreDNS などの運用ソフトウェアを管理するための Amazon EKS アドオンや、AWS Identity and Access Management (AWS IAM) を使用して Amazon VPC Lattice などのサービスに安全に接続するための IAM Roles for Service Accounts (IRSA) などの重要な機能によって実現されています。

最後に、AWS 内のオープンソースイニシアチブにより、AWS Controllers for Kubernetes (ACK) と、 TerraformCDKCrossplane 用の EKS Blueprints が開発され、お客様が Amazon EKS を使用して AWS エコシステム全体をより簡単に活用できるようになりました。Amazon EKS は、お客様が本番環境対応の Kubernetes デプロイに必要なすべての運用ソフトウェアとアドオンをデプロイ、管理、運用できるようにします。

さらに、お客様の場所でお客様に対応することへの取り組みを引き続き示します。それは、2021 年に Amazon EKS Anywhere を立ち上げたことと、AWS Outpostsでの Amazon EKS のサポートが特に顕著です。

これからの道筋

将来の道筋を描くにあたり、お客様のニーズに耳を傾け、優先順位を付け、サービスを常に最適化して節約分をお客様に還元し、オープンソースソフトウェア (OSS) の実行可能性と安全性を確保するためにアップストリームへの貢献を増やすという、私たちのビジョンは揺るぎないものです。特に、AWS 上の Kubernetes へのオンボーディング体験にますます注力しています。私たちは、参入障壁をさらに減らし、サービスをより多くの地域に拡大し、クラウド、プライベートデータセンター、エッジ環境など、どこであってもお客様の選んだワークロード実行環境をサポートすることを目指します。主な重点分野は次のとおりです。

  • Day 1 オペレーションから、大規模に行われる高度なクラスター管理まで、Kubernetes 導入のあらゆる段階におけるお客様の Amazon EKS ユーザー体験を向上させます。この目標は、Amazon EKS の中核となる API、CLI、および UI 体験の継続的な改善を先導しています。また、本番環境ですぐに使えるクラスターを実行するために必要な、すべての運用ソフトウェアを備えた、アプリケーションをすぐに動かせる Amazon EKS クラスターの提供にも注力しています。
  • サービスの成功は、基盤となるオープンソースプロジェクトの成功と絡み合っていることを認識し、アップストリームの開発への尽力に継続投資します。過去 1 年間、AWS は containerd、Cortex、etcd、Fluentd、nerdctl、Notary、OpenTelemetry、Thanos や Tinkerbell など、さまざまなプロジェクトに多大な貢献をしてきました。
  • Kubecost との最近のパートナーシップコスト効率を高めるためのオープンソースプロジェクト Karpenter の開発、Amazon EKS ベストプラクティスガイドによる継続的なガイダンスなど、費用対効果の高いソリューションでお客様がクラウド支出を最適化できるよう支援します。
  • Amazon EKS アドオンフレームワークの継続的な改善により、Amazon EKS クラスターへのサードパーティソフトウェアのデプロイと管理を合理化します。最近の Amazon EKS アドオンと AWS Marketplace の統合により、パートナーソリューションのサブスクライブとデプロイのプロセスが簡略化されました。

Amazon EKS の将来にワクワクしています。公開されている AWS コンテナサービスロードマップに直接参加して、今後予定されている機能を辿ってください。そして、Amazon の方向性に影響を与えるような皆さんのフィードバックをお待ちしています。

Amazon EKS の詳細

Amazon EKS の素晴らしい 5 周年を記念して、この旅に尽力してくれたお客様、パートナー、貢献者に感謝の意を表します。まだ Amazon EKS の可能性を探求していない人は、今すぐ旅を始めましょう。

本記事は Happy 5th Birthday Amazon EKS! (2023 年 6 月 5 日公開) を翻訳したものです。翻訳は、ソリューションアーキテクトの吉田が担当しました。