Amazon Web Services ブログ

NVIDIA Omniverse Nucleus on AWSのご紹介

Introduction

本記事では、カスタム3Dパイプラインを接続、構築するためのプラットフォームであるNVIDIA Omniverseと、Amazon Web Service(AWS)で空間コンピューティング(Spatial Computing)を扱われているお客様にもたらす可能性について説明します。また、AWSがOmniverseユーザー同士をつなぐ重要なコンポーネントをどのように扱っているかについて概要を解説します。

業界のトレンドと課題

今日、企業は競争力や関連性を維持するために常に革新を続けています。消費者にはそれぞれ解決しようとしている課題があり、それらによって企業の持つ課題や行動が大きく変わる可能性があります。企業は、製品サイクルの寿命を縮めることで、消費者の期待に応えるための活動を絶え間なく取り組んでいます。

グローバルチームからリモートワーカーまで、世界はますます細分化し、機械はますます複雑になり、データセットは増え続け、サプライチェーンはますます複雑になっています。更に、環境の持続可能性に重点を置くということは、企業が設計から輸送、材料廃棄物に至るまで、製品の二酸化炭素排出量の削減に取り組んでいく、ということです。役員室から製造現場に至るまで、世界中のビジネスリーダーは絶えず組織にイノベーションを起こし、これらの課題に対処する必要があります。

Spatial Computing技術は、企業が競争力を高め、市場に価値をもたらす機会を見出すイノベーションの分野の1つです。また、Spatial Computingを支えているのは、組織がこれらの課題に取り組むことを可能にするための3D空間データです。

AWS Spatial Computingによるイノベーション

AWS Spatial Computingチームは、空間コンピューティング体験を AWS で簡単に作成、管理、運用、デプロイできるようにすることで、業界の課題を革新し、解決しようとしています。問題点を特定し、ビルディングブロックを開発することで、お客様が 3D 空間データを使用して事業運営を拡大および簡素化できるよう支援しています。

空間データは複雑です。3D データを作成、表示、更新できるアプリケーションの数は目もくらむほどです。ファイル交換形式と変換プロセスも同様に多数あります。今日の要求が厳しく、変化の速い環境では、データの反復処理を迅速に行う必要があります。あらゆるビジネス分野のチームと利害関係者は、選択したアプリケーションから調整とコラボレーションを可能にするワークフローを必要としています。AWS 上の NVIDIA Omniverseはこれらの課題を解決します。

NVIDIA Omniverseとは?

NVIDIA Omniverse は「メタバースアプリケーションを構築および運用するためのプラットフォーム」であり、あらゆる規模の企業がカスタムの 3D パイプラインを開発し、大規模な仮想世界をシミュレートできるようにします。

Omniverseプラットフォームは、強力で拡張可能な3DフレームワークとエコシステムであるUniversal Scene Description(USD)に基づいて構築されています。これにより、3Dデザイナーと開発者は業界をリードする3Dコンテンツ制作、レンダリング、シミュレーションアプリケーションを接続してコラボレーションできます。Omniverseは、個々のクリエイターが3Dアートプロセスをつなげて強化したり、企業が産業用途向けの大規模な仮想世界を構築してシミュレートしたりするのに役立ちます。

Omniverse を使用すると、3D データのライフサイクルに関わるすべての人が、高品質のビジュアライゼーション、オーサリング、レビューツールにアクセスできます。チームは、複雑な 3D データパイプラインの管理に追加の作業を必要としません。代わりに、市場に価値をもたらすための独自の作業に集中できます。技術者以外のステークホルダーは、習得に時間がかかりそうなアプリケーションに身を任せる必要も、レビュー結果に妥協をする必要もありません。

Omniverse Nucleusとは?

Omniverseプラットフォームの中核となる機能は、USDデータのリアルタイムでの交換を可能にするデータベースおよびコラボレーションエンジンであるNucleusです。Omniverse Nucleus を使用すると、好みの 3D アプリケーションで作業している複数のユーザーをつなぎ、3D データの信頼できる唯一のデータソースを提供できます。これにより、チームが最も使い慣れたアプリケーションを使用できるようになり、迅速なイテレーションが可能になります。

NVIDIA Omniverse Nucleus はパブリッシュアンドサブスクライブモデルで動作し、Omniverse アプリケーション間の効率的なリアルタイムの同期を可能にします。接続されたアプリケーション間でリアルタイムに USD シーンに変更を送信します。

Omniverse Nucleus は、個々のアーティストやクリエイティブがローカルのワークステーションにデプロイして使用できます。または、エンタープライズチームが AWS に Omniverse Enterprise Nucleus Server をデプロイすることもできます。

AWS 上のOmniverse Enterprise Nucleus サーバー

各地にいる Omniverse ユーザーをサポートするには、Nucleus を安全な環境にデプロイする必要があります。オンデマンドのコンピューティング、ストレージ、ネットワーキングリソースを備えた AWS インフラストラクチャは、Omniverse Nucleus を含むあらゆるSpatial Computingワークロードに適しています。

コンピューティングインスタンスタイプとストレージソリューションを幅広く選択できるため、インフラストラクチャのサイズを適切に設定し、必要に応じてパフォーマンスを調整できます。AWS のグローバルフットプリントにより、世界中のユーザーが連携することができます。セキュリティ、暗号化、ID、およびアクセス管理の制御により、データを完全に制御できます。

AWS上で稼働するOmniverseは、さまざまなユースケースに有効です。小売業界では、異なる場所にいるチームが製品ライフサイクルの各部分をそれぞれ担当することが一般的です。これらのチームは、選択したツールで作業しながら、同じ最終目標に向けて調整する必要があります。

別の例として、製造会社はComputer Aided Design(CAD)資産を多く有します。これらのアセットは製造には適していますが、Omniverse が提供する視覚化ツールで使用するには変換する必要があります。AWS グローバルストレージソリューションであるAmazon Simple Storage Service (Amazon S3)、コンテンツ配信ネットワーク (Amazon CloudFront) を使用すると、チームは簡単に Nucleus にデータを配信し、Omniverse で変換することができます。または、AWS サーバーレステクノロジーを使用して、カスタムされた、またサードパーティでの変換プロセスを自動化できます。

AWS バックエンドサービスに接続してイベント駆動型アーキテクチャをサポートするカスタム Omniverse Kit extensions を開発できます。

Omniverse RTX-poweredビジュアライゼーション、シミュレーション、そしてすぐに使えるリアルなレンダリングを備えたOmniverseは、様々なデータを生成できるソリューションです。それらのデータは Amazon 機械学習 (Amazon ML) サービスのモデルのトレーニングに利用することができます。

次のステップ

Omniverse Enterprise をご覧ください。また、Omniverse Enterprise Nucleus ライセンスを購入して、Amazon EC2 に Omniverse Enterprise Nucleus サーバーをデプロイする方法を学ぶことができます。

Kellan Cartledge

Kellan Cartledge

Kellan Cartledge は、アマゾンウェブサービスのSpatial Computingスペシャリストソリューションアーキテクトです。AWS では、クラウド上の没入型テクノロジーによる可能性の定義と探求を行っています。建築、エンターテインメント、コンピューターグラフィックス分野で 10 年以上の経験があります。Kellan は、仮想世界と物理世界の組み合わせ、そして空間体験の未来に情熱を注いでいます。

Adam Harder

Adam Harder

Adam HarderはSr Spatial Computing ソリューション アーキテクトです。拡張現実 (AR) と仮想現実 (VR) のアプリケーションと、それらをサポートする 3D データパイプラインの構築に情熱を注いでいます。彼は自由時間を家族と冒険して過ごします。一緒にビーチで遊んだり、ハイキングやキャンプに行ったり、ロードトリップをしたり、たくさんの映画を見たりします。

翻訳はVR/AR/3D Prototyping ソリューションアーキテクト嶋田が担当しました。原文はこちらです。