Amazon Web Services ブログ

フリクションレスなショッピングで店内の顧客体験を再考する

革新的な小売業者は、顧客体験を向上させるためにスマートストアを作成する必要があると考えています。最近の POS テクノロジーの進歩により、小売業者は買い物客の店舗内のジャーニーを再考することが可能になっています。ニューリテールテクノロジーにより、支払いのための長い列やその他の店舗内のボトルネックは、すぐに過去のものになる可能性があります。

小売業におけるフリクションレスな顧客体験

ショッピング体験のフリクションを減らすという考えは新しいものではありませんが、フリクションを減らすために解決する方法は今や大きく異なります。最初の完全なチェックアウトフリーショップである Amazon Go は、オフラインショッピングとオンラインショッピングの間を橋渡ししてフリクションを減らすことができる例です。スマートフォンで Amazon Go アプリを開いたまま店舗に入り、ショッピングバッグに好きなものを詰めてから店を出ます。Amazon Go ストアは、カメラとセンサーを使用して棚から取り出されたものを特定するため、Amazon Go アプリに保存されているクレジットカードに商品の代金を請求できます。レジも長蛇の列も紙のレシートもない Amazon Go は、テクノロジーと従来の小売ショッピングの融合をコンビニエンスストア形式で紹介しています。

Exxon Mobil と Alexa がガソリンポンプのフリクションをなくす

車両の Alexa 搭載音声認識機能を使用して、ガソリン代を支払うことができるようになりました。このサービスは、全国の 11,500 の Exxon Mobil のガソリンスタンドで利用可能であり、 Alexa スマートフォンアプリと Alexa 対応イヤホン、ヘッドフォン、腕時計、オートエンターテイメントシステムとも連携します。簡単な数ステップで、クレジットカードを取り出さずにガソリンタンクを満タンにすることができます。これはクレジットカードの盗難を防ぐための重要な安全対策です。ガソリンポンプで燃料グレードを選んだら、「Alexa 、ガソリン代を払って」と言うだけです。自動化されたシステムでは、場所とポンプ番号を確認し、車にガソリンを送り込むように求められます。完了したらすぐに出発できます。

フリクションレスなチェックアウトへの進化

多くの企業は、フリクションレスな POS を実現するために、テクノロジーの成熟への道を歩む方法を持っています。一部の小売業者は、たとえそうしたいと思っていても、既存の決済システムやプロセスを捨てて、いきなりトランザクションフリーなチェックアウトにまっすぐ進むことができません。彼らは、より慎重なアプローチをとり、デジタルの成熟度を向上させ、フリクションレスなチェックアウトに進むことができるようにする必要があります。

ここでは、顧客体験を向上させるためにテクノロジーを導入し、フリクションレスなチェックアウトに進化した小売業者の例を 2 つ挙げます。

Morrison’s の将来を見据えたコンタクトセンター

約 500 の食料品店と広くオンライン宅配サービスを展開する Morrison’s 社は英国で 2 番目に大きな食料品店です。店舗やオンラインで、週に 1,100 万人の大規模な顧客ベースにサービスを提供しています。2019 年後半、同社はコンタクトセンターをモダナイズすることを決定しました。これにより、より迅速に、柔軟に、よりコスト効率よく顧客を支援できます。同社は電話、ソーシャルメディア、メール、およびウェブサイトを通じて定期的に顧客と関わっているため、Morrison’s は、顧客とのやり取りを自動化するクラウドベースのオムニチャネルコンタクトセンターツールである Amazon Connect を実装しました。

同社は 8 週間足らずでソリューションを導入し、スタッフのトレーニングもわずか数時間で完了し、COVID-19 のパンデミックの最中、スタッフが在宅勤務に移行したときでも、1 週間当たり 6 倍の顧客に対応できるようソリューションを拡張することができました。Morrison’s はまた、パンデミックの間、Amazon Connect を使用して、カフェのテイクアウトサービスを作成しました。ソリューションのアジャイル性と、Salesforce などのサードパーティソリューションとの容易な統合により、Morrison’s は、変化する市場のダイナミクスに迅速に対応し、顧客体験を向上させ、フリクションを軽減する革新的なサービスを提供する能力に自信を持っています。

Nikeの小売店がセルフチェックアウトを導入

典型的なスニーカー&アスレチックアパレルブランドは、常に革新的な顧客体験の最前線に立ってきました。Nike は、店舗に入ったときにモバイルアプリユーザーを認識するテクノロジーを店舗で使用しています。顧客が店内で何かを購入したい場合、アプリは自動的にセルフチェックアウト機能を有効にします。顧客はアプリを使用してオンラインで購入し、顧客認証の QR コードをスキャンするだけで、店内のロッカーから受け取ることもできます。

デジタルの成熟度を向上させ、フリクションレスなチェックアウトに進める

セルフチェックアウトは、小売店、特に食料品店や大型小売店ではかなり一般的になっています。小売業者は、新しい高度な POS システムを実装すると、パンデミックの最中に Morrison’s が実現したように、市場の変化に対応できます。小売業者は、高度な決済処理システムを利用することで、店舗在庫を管理し、データサイロを削減し、よりパーソナライズされた顧客体験を大切な顧客に提供できます。

小売業者は、Amazon が使用しているものと同じソリューションを使用して、顧客体験を向上させることができます。レコメンデーション用の Amazon Personalize 、SMS カスタマー通知またはデジタルクーポン用の Amazon Pinpoint 、カスタマーインタラクションを管理する Amazon Connect などの統合が容易なソリューションにより、小売業者は、顧客エンゲージメントにおける差し迫った課題を克服するためにシステムを進化させることができます。フリクションレスなチェックアウトに進むにつれて、デジタルの成熟度も向上していきます。

次世代のスマートストア小売業者は、非侵入型、コネクテッド、インテリジェントでなければなりません。フリクションレスなチェックアウトを開始する準備が整ったら、今すぐアカウントチームにご連絡ください。

著者について

Scott Phillips

スコット・フィリップスは AWS 小売業界の営業戦略をワールドワイドにリードしています。彼は、小売企業が AWS テクノロジーを活用してビジネスを成長させるお手伝いをしています。 AWS 入社以前も小売販売テクノロジーに 20 年以上携わっており、Car360、Box、IBM、Georgia-Pacific など大小の企業でリーダーシップを担当していました。

翻訳は Solutions Architect 蔵野が担当しました。原文はこちらです。