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AWS Application Migration Service の主な更新 – 新しい移行サーバーのグループ化、起動テンプレートおよび起動後テンプレートの更新

昨年、AWS Application Migration Service の一般提供を開始しました。これは、物理、仮想、またはクラウドインフラストラクチャから AWS でネイティブに実行されるようにソースサーバーを自動変換することで、AWS への移行を簡素化および迅速化します。GA リリース以降も、このサービスは改善され続けており、エージェントレスレプリケーションMAP 2.0 の自動タグ付け、オプションのリリース後のモダナイゼーションアクションのサポートなどの機能が追加されました。

11 月 27 日、あらゆる規模の移行プロジェクトをサポートするために、Application Migration Service の 3 つの主な更新を発表しました。

  • 新しい移行サーバーのグループ化 – 移行サーバーを「アプリケーション」(単一のアプリケーションとして一体となって機能するサーバーのグループ) にグループ化し、移行段階を「ウェーブ」(サーバーとアプリケーションのグループ化を含む移行の計画) で管理できます。
  • 起動テンプレートの更新 – 全般設定とデフォルトの起動テンプレートを変更できます。このテンプレートは、後でインストールされるソースサーバーの Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) インスタンス起動テンプレートを生成するために使用されます。
  • 起動後テンプレートの更新 – 起動後テンプレートのカスタムモダナイゼーションアクションを設定できます。任意の AWS Systems Manager ドキュメントとそのパラメータを起動後のカスタムアクションに関連付けることができます。

各リリースについて詳しく見ていきましょう!

新しい移行サーバーのグループ化 – アプリケーションとウェーブ
お客様はアプリケーションを構成するサーバークラスターを備えており、サーバー間には依存関係があります。アプリケーション内のサーバーは同じ設定 (ネットワーク、セキュリティポリシーなど) を共有します。お客様は、アプリケーション環境を設定および構成するとともに、アプリケーションやサービス全体を移行したいと考えています。

サーバーのグループを表す「アプリケーション」という新しい概念をご紹介します。お客様は、アプリケーションの移行を管理できます。

新しいアプリケーション機能では、統合移行ジョブのために、ソースサーバーを同じアプリケーションと一緒にグループ化します。これには、アプリケーションのサーバーを移行する前の環境の設定、適切なセキュリティグループの作成、すべてのアプリケーションサーバーでの一括アクションの実行が含まれます。

ソースサーバーからの移行ライフサイクル内におけるアプリケーション移行とデータレプリケーションのステータスを追跡およびモニタリングできます。

また、大規模な移行を行うお客様は、サーバーとアプリケーションをウェーブでグループ化して移行を計画します。これらは、時間の経過に合わせて移行計画を記述する論理的なグループです。ウェーブには、必ずしも依存関係がない複数のサーバーやアプリケーションが含まれている場合があります。

お客様の移行計画の作成、実行、モニタリングを支援する「ウェーブ」という新しい概念をご紹介します。

Application Migration Service は、テスト環境ですべてのサーバーを起動したり、ウェーブのカットオーバーを実行したりするなど、ウェーブ上のアクションをサポートします。Application Migration Service は、お客様が移行プロジェクトを管理できるように、ウェーブレベルでのレポートおよびモニタリング情報も提供します。

起動テンプレートの更新 – 起動設定とデフォルトの EC2 起動テンプレート
起動テンプレートを使用すると、Application Migration Service が AWS クラウドでインスタンスを起動する方法を制御できます。既存のサーバーと新しく追加されたサーバーの設定を個別に変更できます。以前は、起動した移行インスタンスにタグを追加するための AWS Migration Acceleration Program (MAP) オプションのみをサポートしていました。

グローバル起動テンプレートを変更するための 2 つの新しいオプションを追加しました。このテンプレートは、その後にインストールされるソースサーバーの EC2 起動テンプレートを生成するために使用されます。お客様は、事前定義された起動テンプレートに使用できるグローバル Application Migration Service の起動テンプレートから始めます。これにより、すべてのソースサーバーではなく、一部のソースサーバーのみに変更を加えるだけで済む可能性があります。

ターゲットサーバーの起動時に使用されるデフォルト設定は次のとおりです。

  • [Activate instance type right-sizing] (インスタンスタイプの適切なサイズ設定をアクティブ化) – サービスが最適なインスタンスタイプを決定します。EC2 テンプレートで定義されているデフォルトのインスタンスタイプは無視されます。
  • [Start instance upon launch] (起動時にインスタンスを開始) – サービスがインスタンスを自動的に起動します。このオプションが選択されていない場合、起動されたインスタンスは、起動後に手動で開始される必要があります。
  • [Copy private IP] (プライベート IP をコピー) – これにより、ソースサーバーのプライベート IP をターゲットにコピーできます。
  • [Transfer server tags] (サーバータグを転送) – ソースサーバーから、起動したインスタンスにタグを転送します。
  • [Operating system licensing] (オペレーティングシステムのライセンス) – ソースサーバーの Bring Your Own License モデル (BYOL) を引き続き使用するか、AWS が提供するライセンスを使用するかを指定します。

また、デフォルトのターゲットサブネット、追加のセキュリティグループ、デフォルトのインスタンスタイプ、Amazon Elastic Block Store (Amazon EBS) ボリュームタイプ、IOPS、スループットなど、すべてのターゲットサーバーの EC2 起動テンプレートに適用されるデフォルト設定を構成して、このサービスによって起動されるすべてのインスタンスに関連付けることもできます。

起動後テンプレートの更新 – カスタムアクション
起動後の設定により、サーバーが AWS で起動された後に実行されるアクションを制御および自動化できます。これには、AWS Systems Manager エージェントのインストール、AWS Elastic Disaster Recover エージェントのインストールおよびレプリケーションの設定、CentOS 変換、および SUSE サブスクリプション変換という 4 つのアクションが組み込まれています。

起動後テンプレートでカスタムアクションを設定するための新しいオプションを追加しました。任意の AWS Systems Manager とそのアクションパラメータを関連付けることができます。また、アクションが実行される順序や、カスタムアクションを設定できるソースサーバーのオペレーティングシステムも含まれます。

[Add custom action] (カスタムアクションを追加) を選択して、新しい起動後のカスタムアクションを作成します。例えば、Systems Manager Automation のランブックの 1 つである AWS-CopySnapshot は、EBS ボリュームのポイントインタイムスナップショットをコピーします。スナップショットは、同じ AWS リージョン内で、またはあるリージョンから別のリージョンにコピーできます。

[Action parameters] (アクションパラメータ) で、AWS Systems Manager CopySnapshot ランブックを実行するための SnapshotIdSourceRegion を割り当てることができます。

独自の Systems Manager ドキュメントを作成して、Systems Manager がマネージドインスタンスで実行するアクションを定義できます。Systems Manager は、起動後のアクションとしてパラメータを指定することで使用できる 100 を超える事前設定済みドキュメントを提供します。詳細については、AWS ドキュメントの「AWS Systems Manager Automation runbook reference」(AWS Systems Manager Automation ランブックリファレンス) を参照してください。

今すぐご利用いただけます
新しい移行サーバーのグループ化、起動テンプレートの更新、および起動後テンプレートの更新が利用可能になり、AWS Application Migration Service がサポートされているすべてのリージョンで今すぐ使用を開始できます。

詳細については、「Application Migration Service ユーザーガイド」を参照してください。ぜひお試しいただき、AWS re:Post for Application Migration Service 宛てに、または通常の AWS サポートの連絡先を通じて、フィードバックをお寄せください。

Channy

原文はこちらです。