Amazon Web Services ブログ

週刊AWS – 2019/11/11週

こんにちは、AWSソリューションアーキテクトの小林です。再来週はAWS re:Invent 2019が開催されます。毎日様々なアップデートが発表されますので、クイックに振り返っていただくためのウェブセミナーを開催いたします。こちらのリンクからお申し込みいただけますので、ぜひご参加ください。例年同様、会期中に発表されたものを(可能な限り)すべてピックアップします。さらに直前に発表されたものの中で重要なトピックもご紹介していきますので、お楽しみに。

さて、それでは先週のアップデートを振り返ってみましょう。re:Invent直前で大盛りですがお付き合いください。

2019年11月11日週の主要なアップデート

  • 11/11(月)
  • 11/12(火)
    • Amazon QuickSight launches Actions for dashboard interactivity, UI based ingestion history and more
      Amazon QuickSightのダッシュボードをインタラクティブにするActionsを定義することができるようになりました。例えばグラフ上のデータポイントをクリックすると、それに関連する情報だけをフィルタリングして表示したり、外部のリンク先に遷移させたりすることができます。このアップデートと同時に、SPICEデータセットの取り込み履歴取得が可能になるとともに、now()関数がサポートされ現在の日時を取得できるようになっています。
    • AWS Systems Manager Distributor enables in-place update of software packages
      AWS Systems Managerで管理しているサーバ(EC2のみならずオンプレも含む)にソフトウェアパッケージを配布できるDistributorで、パッケージのインプレースアップグレードが可能になりました。これまでパッケージのバージョンアップを行う場合は一度アンインストールした上で新しいものをインストールし直すという動作でしたが、いわゆる上書きアップグレードをする選択肢が用意されました。これによって各種エージェントなどを更新する際に、エージェントが稼働していない時間を最小限に抑えることができるようになっています。
  • 11/13(水)
    • AWS Cost Explorer now supports Hourly and Resource Level Granularity
      AWS Cost Explorerでこれまでよりも細かい粒度でのコスト把握ができるようになりました。従来は日単位または月単位でしたが、今回は時間単位でコストを確認可能です。これによって昼間と夜間でコスト状況をグラフィカルに確認できます。また、リソース単位で深掘りすることもできるようになっていますので、コストの発生源となっているリソースを特定することもできます。この機能の利用にはオプトインが必要で、1,000 UsageRecordあたり月額0.01ドルの費用が発生します。
    • AWS CloudFormation Launches Resource Import
      AWS CloudFormationにおけるリソース群の管理単位であるスタックに、CloudFormation以外の方法で起動されたリソースをインポートできるようになりました。これまではスタックとして管理できるリソースは、CloudFormationテンプレートに記述され、その内容に基づいて起動・作成されたものだけでしたが、今回のリリースによって手動で作成したリソースをスタックの管理対象に含めることが可能になります。機能の詳細に興味がある方は、ドキュメントブログ記事をご確認ください。
    • Bring Your Own IP for Amazon Virtual Private Cloud is Now Available in Five Additional Regions
      東京リージョンをはじめとする5つのリージョンで、VPCへのIPアドレスの持ち込み(BYOIP)に対応できるようになりました。これに伴い、従来のARIN/RIPEに登録されたアドレスに加えAPNICに登録されたアドレスも持ち込むことができるようになっています。BYOIPを利用すると保有しているIPアドレスのプリフィックスをAWSに持ち込んで、インターネットに向けてアドバタイズすることができるようになります。ただし、持ち込むIPアドレスレンジは/24以上が必須ですのでご注意を。この機能の詳細についてはドキュメントをご確認ください。(本ポスト執筆時点では日本語への翻訳が終わっていないため、英語版をご確認ください)
    • Introducing AWS Data Exchange
      AWSの認定を受けたデータプロバイダー企業がクラウド内で提供するデータを安全に探し、アクセスし、利用するための新サービス、AWS Data Exchangeを発表いたしました。データプロバイダーにはロイターやFoursquareなど様々な企業が含まれます。ユーザはAWS Marketplaceでデータを検索し、必要なものを購入する事になります。その際に費用や利用条件を確認することを忘れないでください。購入処理が完了したら、AWS Data Exchange APIを利用してデータをAmazon S3にロードし、データ分析や機械学習など様々な用途に利用できます。AWS Data Exchangeは東京リージョンでもご利用いただけますので、まずは製品ページFAQをご確認ください。
  • 11/14(木)
    • Automate your operational playbooks with AWS Systems Manager
      AWS Systems Managerの運用自動化機能が強化されました。準備作業として実行したい一連の作業内容を記述したAutomation Playbookを作成し、ライブラリに登録しておきます。作業が必要なタイミングになったら、ライブラリからPlaybookを指定してそこに記述された内容を自動的に実行することができます。手動オペレーションではケアレスミスの危険性を排除することができませんが、この機能なら誰が操作しても同じ作業を確実に実行できるのがメリットです。Playbookの作成を支援するツールもあり、簡単に始めることができますので是非トライしてみてください。
    • Amazon Elastic Container Service publishes multiple GitHub Actions
      GitHubとECSの連携を強化するAmazon ECSとECR向けのGitHub Actionsを発表しました。これを利用すると、GitHubにコードがpushされてからクラウドに展開されるまでのステップを自動化することが可能になり、開発者がこれまで以上に開発に集中することができます。ブログ記事も投稿されていますので、詳細についてはこちらもご覧ください。
  • 11/15(金)
    • Amazon SNS Adds Support for Dead-Letter Queues (DLQ)
      Amazon SNSにおいて、配信に失敗したメッセージをキャプチャするDLQ(Dead-Letter Queues)が利用できるようになりました。このDLQはAmazon SQSのキューとして実装され、CloudWatchアラームを設定できますので、通知メッセージの送信に失敗した際にすぐに気づいて対処することが容易になります。
    • Amazon Redshift launches cross-instance restore
      Amazon Redshiftのスナップショットを復元する際に、元々の構成とは異なるノード数やノードタイプを指定してリストアできるようになりました。例えば、本番環境と同じデータを持ったより小規模な開発・検証用のクラスタを立ち上げたり、異なるノードタイプで性能比較をしたい場合などに便利な機能です。
    • Amazon DynamoDB adaptive capacity now handles imbalanced workloads better by isolating frequently accessed items automatically
      特定のアイテムに頻繁にアクセスされるようなワークロードにおいて、DynamoDBはそれらのアイテムが同じパーティションに配置されないようにバランス調整を試みるようになりました。単一パーティションのキャパシティに起因するスロットリングの発生を抑制できるので、特定パーティションのキャパシティを確保するために全体をオーバープロビジョンしているケースでコストの削減が期待できます。詳細についてはドキュメントをご確認ください。(本ポスト執筆時点では和訳されていないので英語版に切り替えてください)

ちなみに、re:Inventの振り返りウェブセミナーは毎年私が担当させていただいています。専用の放送ルームがあるわけでもないのでホテルの部屋から配信するのですが、ウエブセミナーの配信はネット回線の品質が重要です。毎年泊まるホテルが違うのでその都度ネット回線品質にビクビクしながらも、なんとかして良い内容をお届けしたいと思いますので、よろしくおねがいします!

それでは、今週はこのあたりで。See you next week!

ソリューションアーキテクト 小林正人(@maccho_j)