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消費財パートナー対談:Amperity で有意義な消費者体験を生み出す

COVID-19 のパンデミックは、かつてない混乱をもたらしました。数日のうちに、私たちの世界は大きく変わりました。外出自粛、マスク着用義務、ソーシャルディスタンスが定着するにつれて、新しい購買パターンが急速に現れました。おそらく、パンデミックの劇的な影響を消費財 (Consumer Packaged Goods; CPG) 業界ほど強く感じた業界はないでしょう。しかし、リーダーたちは回復力、粘り強さ、イノベーションによって前進しています。AWS パートナー企業の経営陣と対談し、困難な時代におけるリーダーシップとイノベーションをご紹介します。

消費財パートナー対談ブログシリーズの今回の記事では、機械学習 (Machine Learning; ML) を活用してブランドが顧客データとアイデンティティを管理し、顧客 360 度ビューを獲得し、顧客インサイトを解き明かすカスタマーデータプラットフォーム (Customer Data Platform; CDP) のリーディングカンパニーである Amperity のグローバルパートナーシップおよびアライアンス担当 SVP である Marina Klusas と対談しています。この記事では、急速に変化する消費者行動や市場の混乱に対処するために、消費財企業にとってのファーストパーティデータの重要性について Marina 氏の見解を述べています。

AWS : 読者に Amperity 社の立場をお教え下さい。Amperity 社はどの分野で活動されていますか?また、Amperity 社はどのタイプの消費財企業の経営陣と交流していますか?

Marina Klusas 氏 : 企業ブランドは、価値ある有意義な消費者体験を生み出すためにデータドリブンな顧客中心主義を促進する重要なインフラとして、Amperity を利用しています。Amperity は、業界最高クラスの消費財ブランドに対して、消費者とのあらゆる接点でファーストパーティの ID 解決を支援しています。特許取得済みの人工知能 (Artificial intelligence; AI) と ML のテクノロジーにより、ブランドが既知の消費者の世界を拡大し、世帯および個人レベルの両方で永続的で総合的なプロファイルを作成し、パーソナライゼーションを強化し、消費者体験を豊かにすることを支援します。

各消費財企業内で、あるいは消費財企業と小売業にまたがり、市場リーダーであり、またデジタルトランスフォーメーションを真に推進している企業の経営陣と、Amperity は協力しています。新しい Direct to Consumer (DTC) モデルや、ファーストパーティの顧客との関係性を活用して製品、サプライチェーン、パーソナライズされた製品に関する意思決定を通知する取り組みなど、シンプルで統合された体験を消費者に提供することに根ざしたビジョンを持つブランドは、当社が自信を持ってパートナーと呼べる存在です。

AWS : 消費財企業は、前例のない混乱に立ち向かっています。消費財企業にとって最大の課題は何でしょうか?

Marina Klusas 氏 : 最大の課題は、消費者の行動と需要の変化、サードパーティクッキーの廃止、ビジネスモデルとサプライチェーンのイノベーションの加速です。

消費者の行動と需要の変化

COVID-19 は、消費者のショッピングやブランドとの関わり方を根本的に変えており、特にオンラインショッピングとカスタマイズされた配送方法への大きな移行が進んでいます。私たちは、パーソナライゼーションがあたりまえであり、プライバシーが優先される時代に生きています。こうした期待に応えるには、ファーストパーティのデータが不可欠です。買い物客は、持続可能な活動を行い、個人の価値観に沿ったブランドにお金をかけたいと考えることがますます増えています。

現在、デジタルチャネルの普及に伴い、成功に向かっている消費財ブランドは、データドリブンな分析と洞察を活用して、どのように買い物をしようとも消費者に魅力的なジャーニーを創出することに躍起になっています。

サードパーティークッキーの廃止

従来、消費財ブランドは小売店やサードパーティベンダーなどの間接チャネルを通じて消費者にアプローチしており、エンドユーザーと直接的な関係はほとんどありませんでした。しかし、サードパーティクッキーの廃止が間近に迫る今、消費財企業は、消費者を本当に知り、そこから学び、消費者に適応することに直面しています。私はこれをチャレンジでありまた、チャンスでもあると信じています。

サードパーティクッキーが使えなくなると、ブランドはエンドユーザーを特定して関与する方法を変えなければなりません。ブランドは、ファーストパーティのデータ戦略を拡大し、消費者とより直接的に関わるための創造性を発揮する必要があります。消費財ブランドがこの移行を成功させるためには、既存のファーストパーティデータから情報を得て、価値があり、魅力的で満足のいく消費者体験を生み出すことが不可欠です。

ビジネスモデルとサプライチェーンのイノベーションの加速

消費財ブランドは、特にサプライチェーンの拡大に伴い、消費者のニーズの変化にビジネスモデルを迅速に適応させる必要に迫られています。買い物客はシームレスな配送と集荷の体験を期待しており、サプライチェーンネットワークが破壊されれば、事業運営に打撃を与える可能性があります。また、消費者は持続可能なビジネス活動を求めており、生産と出荷の透明性は信頼を築くために不可欠です。

AWS : 消費財企業は、市場のダイナミクスと消費者の期待の変化に応じて、現在の事業環境をどのように調整するとお考えですか?

Marina Klusas 氏 : 混乱はイノベーションを生み出す傾向があり、消費財の分野ではまさにそれが見られます。多くの消費財ブランドは、顧客との直接的な関係を構築するために、小売チャネルや e コマースと並んで、DTC モデルに傾倒しています。ブランドがチャネルを所有し始めると、ファーストパーティのデータを増やし、そのデータを使用して、ロイヤルティプログラム、ダイレクトプロモーション、さらには特別なイベントやユニークで高度な体験でより深い関係を促進し、あらゆる場面でパーソナライズされた顧客体験を推進するでしょう。ファーストパーティとセカンドパーティのデータを活用して、サードパーティクッキー廃止後の消費者の行動変化を予測し、それに備える消費財ブランドから、新しい創造的なアイデアが爆発的に生まれていることを目にし、非常に刺激を受けています。

また、製品開発、生産、サービスにおける新手法により、スピード、回復力、持続可能性が向上し、消費財のビジネスモデルの俊敏性が大幅に向上していると思います。消費者にとっては、かつては画一的なモデルがありましたが、顧客中心主義がビジネスを前進させるボトムアップアプローチが始まったのは素晴らしいことです。

AWS : 消費財業界は非常に回復力があります。ニューノーマルに目を向けると、テクノロジーとクラウドは消費財にどのような役割を果たしますか?消費財が自社製品の製造、移動、マーケティングの方法をどのように強化しているとお考えでしょうか?

Marina Klusas 氏 : 消費財ブランドが、大規模なブランドポートフォリオ、数百の店舗、ウェブサイトやモバイルアプリなどのデジタル資産を横断して、完全に統合された体験を提供し、消費者行動の変化に対応できるように顧客インサイトを収集するには、消費財企業が統合された技術スタックを持つことが重要です。Amperity のエンタープライズ CDP は、他のテクノロジースタックに水や燃料を供給するかのように重要な顧客インフラストラクチャとして機能し、あらゆる異なる顧客接点(ウェブサイト分析、メールキャンペーン、ロイヤルティプログラムなど)から完全かつ正確な消費者ビューを提供します。これによって、高度にパーソナライズされた顧客体験を大量に生み出すことができます。

AWS 上に構築された堅牢で信頼性の高い CDP により、消費財ブランドはすべてのファーストパーティの消費者データを大規模かつ安全に保存および管理し、ビジネス戦略の有効性をリアルタイムで調整および測定できます。また、事前に組み込まれたコネクタにより、Amazon Pinpoint のデータを簡単に統合して、ターゲットセグメントに合わせたマーケティングコミュニケーションとパーソナライゼーションを促進し、Amazon Kinesis などの他の AWS サービスとともにリアルタイムのストリーミングデータからタイムラインに関するインサイトを取得したり、Amazon Connect で優れた顧客サービスを推進したりできます。さらに、AWS 以外のメディアや、Adobe、Salesforce、Snowflake などの他のエンタープライズプラットフォームのデータと統合して、よりインサイトに満ちた意思決定を行うことができます。さらに準備ができたら、Zendesk、Braze、Trade Desk、Trade Desk、Trade Desk、Throtle などのより顧客に近い領域のパーソナライゼーションツールや e コマースツールを活用して、マーケティング、広告、カスタマーサービス、サプライチェーン、製品イノベーションにおいて、より正確なコミュニケーションをリアルタイムで実現できます。

AWS : 現在の消費財業界の混乱の中で、Amperity 社は変化に対応するためにどのようにイノベーションを起こしています?

Marina Klusas 氏 : 私たちは主要な消費財ブランドと協力して、より優れた顧客データとインサイトによってビジネスモデル全体を活性化させています。より優れたデータがもたらす経済効果も証明されており、パーソナライゼーションと顧客体験の向上により、収益と顧客生涯価値が大幅に向上します。ブランドの Amperity とのパートナーシップにより、ロイヤルティマーケティングのコスト削減、解約の減少、シームレスでパーソナライズされた消費者体験の創出、CCPA (訳注 : カリフォルニア州消費者プライバシー法) 準拠の強化が可能になります。また、Amperity とのパートナーシップは、消費財ブランドがオンラインとオフラインの活動を家庭と個人の両方のレベルで統合する助けになります。これは、COVID-19 のパンデミックにより消費者の習慣が急速に変化している中で不可欠な機能です。

AWS : 今後、「ニューノーマル」について話題が多くなっています。この「ニューノーマル」はどのようなものでしょうか?また、消費財業界は今から3年後にはどうなっていると思われますか?

Marina Klusas 氏 : 私にとって、「ニューノーマル」とは、顧客が何を求めているか、どのように購入したいかということだけに焦点を当てることです。ブランドロイヤルティが高まるにつれ、サードパーティのオンライン小売業者や小売店などの仲介業者に阻まれることなく、幅広い DTC チャネルで消費者と直接的な関係を築く消費財ブランドが増えています。消費財企業は、メール、テキスト、アプリ内メッセージのパーソナライゼーションや顧客体験の演出から、差別化されたオファー、さらに製品や供給の革新、市場投入までの時間の短縮に至るまで、顧客インサイトを活用しデータドリブンなマーケティング戦略を策定しています。さらに、持続可能性、価値、利便性に重点を置いた新興ブランドとの競争の激化は、消費財業界全体で顧客中心主義に常に挑戦し、刺激を与えています。このようなビジネスクリティカルな会話に参加できるのはとてもエキサイティングなことです!

AWS : 消費財業界の未来に期待することは何ですか?

Marina Klusas 氏 : 世界で最も愛され、信頼されているブランドを持つ消費財企業には、小売業界全体にとって、次世代の顧客中心主義を定義する絶好の機会を得ています。もしそれがうまくいけば、永続的なビジネス価値と成長、そして消費者やコミュニティのための社会的価値を生み出すことができます。

パンデミックにより、BOPIS (buy online, pick up in store、オンラインで商品を購入し店舗で受け取る)、カーブサイドデリバリー (訳注 : 店舗内でなく駐車場などで車に乗ったまま商品を受け取ること)、モバイル e コマースなどの革新的なショッピングモデルの利用が加速する中、消費財ブランドはサプライチェーン全体のつながりを活用し、製品開発からデジタルシェルフ (訳注 : 消費者が商品の発見や検索、購入の際に利用する、ブランドとのあらゆるデジタルな接点や、その概念のこと) まで、真に顧客中心の DTC の実践を推進することができます。さらに、気候変動に対応するため持続可能で環境に優しい製品に対する需要が高まっており、消費財ブランドが顧客体験を向上させることで、消費者、消費財業界全体、そして環境にとってより良い方向へ向かうことでしょう。

AWS : マリーナ、対談をありがとうございました。あなたの洞察と知見に感謝いたします。

このブログシリーズを楽しんでいただければ幸いです。Marina、Amperity、または AWS について質問がある場合は、このブログにコメントを残してください。Amperity の詳細については、デモをリクエストしてください。

著者について

Kevin McCurdy

Kevin E. McCurdy は、グローバル CPG セグメントリード– AWS の APN であり、戦略的な ISV および SI パートナーとの関係を特定して関与する責任があります。以前は、 E2open で VP – Demand Signal Management を務めていました。Orchestro の戦略的アカウントの共同創設者兼 VP であり、後に E2open に買収されました。また、MercariTechnologies の共同創設者兼事業開発およびサービス担当副社長も務めました。Kevin は、コカ・コーラ、ジェネラルミルズ、ケロッグ、ペプシコ、ユニリーバ、クラフトハインツなどのグローバル CPG 企業や小売業者と協力して、サプライチェーン管理、カテゴリ管理、需要信号管理で 25 年以上の経験があります。彼はペンシルベニア州立大学でビジネスロジスティクスと国際ビジネスの理学士号を取得しています。

Marina Klusas

Marina Klusas は、エンタープライズコンシューマーブランド向けの主要なカスタマーデータプラットフォーム (CDP) である Amperity のグローバルパートナーシップおよびアライアンス担当の SVP です。この職務において、マリーナは、顧客中心のブランドに対するビジネスインパクトを加速し、サイロ化された顧客データをワールドクラスの顧客体験に変換するために、高成長市場におけるクラウドパートナー、ISV技術パートナー、システムインテグレーター、戦略コンサルティング会社からなる Amperity のグローバルエコシステムを設計し、現在推進しています。Adtech で 15 年以上の経験を持ち、Fortune 100社のブランドが顧客とエンゲージメントを維持し、獲得し、成長させるための測定可能なアクションを戦略的に実行できるようにしてきた Marina は、Resonate、Comscore、および Gravy Analytics で上級管理職を歴任しました。Marina はロンドン・スクール・オブ・エコノミクスでメディア規制と政策の修士号を取得しています。

翻訳は Solutions Architect 蔵野が担当しました。原文はこちらです。