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藤枝市向けの「ごみ収集業務管理システム」。AWS 本格導入1年未満のSBS情報システムが実証に参加

今回のブログでは、 AWS ジャパン・パブリックセクターより、「自治体DXのための”ごみ収集業務管理システム”を、AWSの本格導入を始めて比較的まだ歳月の浅いSBS情報システム社が静岡県 藤枝市向けの実証実験に参加した事例」──についてご紹介します。ご不明の点、「Contact Us」までお問合せください。

AWS 公共部門パートナーのSBS社は、
藤枝市へ提案を実施し採択。

藤枝市では2021年7月「令和3年度「オープンイノベーション」による地域課題解決に向けた企画提案」の募集を実施しました。この募集に対して、株式会社 静岡新聞社・株式会社SBS情報システムは、ごみの戸別回収業務を効率的に行うためのソリューションをAWSを用いて提案し、採択されたことが発表されています。

SBS情報システム(本社:静岡市駿河区、代表取締役:松澤正典)は、2022年2月に、「AWS セレクトティアサービスパートナー」および「AWS 公共部門パートナー(PSP)」に認定されています(link here)。SBS情報システムは、AWS の PSPとしてコミットしていくことを決断した理由として、「AWS上でのSaaS構築を行うための技術支援とトレーニングプログラム提供」(Buildの観点)、「公共市場での自社ソリューションの認知度を向上する活動」(Marketの観点)、「AWS公共部門の持つ高い専門性と営業支援体制」(Sellの観点)──などを挙げていただいております。なお、「AWS公共部門パートナー」のプログラム詳細については「こちら」をご覧ください。

藤枝市における取り組み

SBS情報システムは、以下に紹介する通り、2022年2月に、ごみ戸別回収を対象とした「回収ルート最適化実証実験」として、今後見込まれるサービス利用者の増加を想定したシステム導入を試行しました。

藤枝市では、身体が不自由な方を対象に「ごみの戸別回収」を行っており、2022年2月16日時点でのサービス利用者は26名となっている──とのことです。当サービスでは、毎週水曜日に軽トラックで利用者のお宅を順次訪問し、所定の場所からごみを回収のうえ、ごみの種類毎に回収量(袋数)を記録していきます。

利用者は、サービス利用開始時に回収頻度を指定することになっており、現状では「毎週」を指定する利用者が多いところ、中には「月1回」、「隔週」といった指定を行うケースも存在します。更に一時的に回収が不要となる日もあり、その場合は利用者(または代理人)が、市に電話連絡を行うことになっています。したがって、回収頻度や不要連絡をまとめ、その日に応じた回収ルートを組む必要が出てきます。

現状では、利用者増減や回収頻度・休止連絡の件数が僅少であることから、過去の実績を参考に属人的な判断・運用で回収ルートを決めることで対応できていますが、今後の利用者増加を見込むと労力・時間の増大が懸念されることもまた事実です。そのため、サービス利用者、ごみ出し休止連絡、対応職員数等のデータを管理のうえ、回収ルートを自動的に策定することができるシステムを開発し、それを用いた実証実験により効果を検証することとしました。

円滑なゴミ収集業務が可能に

具体的には、市内に点在する利用者の住居を、運行する車両台数に応じて振り分けし、最短経路となるルート順をシステムで提示します。ナビゲーションアプリと連動するため、ドライバーは画面に表示される順番に従って移動するだけで、土地勘が無くてもスムーズに各戸へ訪問できます。回収が済んだ時は簡単なタッチ操作でごみの量を記録します。回収業務への適用と改良を繰り返した結果、効率性や操作性の面で業務適用が可能なレベルと判断されました。また回収本部で、ダッシュボード画面による進捗状況をリアルタイムで確認することもできます。

本システムを利用することで、効率的なルートを自動で策定でき、収集先までのルートもナビゲートされます。そのため急な担当者変更などがあっても担当者の経験に左右されず円滑に業務を行える──といった運用効率化の面でも、今後大きな効果を発揮していくものと期待できます。

SBS情報システムの執行役員・次世代ソリューション開発本部長の原田 雅樹様からは、AWSを採用した理由及び今回のソリューションの狙いについて 「AWSは世界シェアが1位であるとともに日本国内においてもシェアが1位であること、最先端の技術がすぐに利用可能になること、そして何より初期費用がかからず、運用まで考慮したときに非常に低コストで運用できることが、AWSを採用した理由です。今回のソリューションは、多くの自治体の現場が抱える業務継続の不安を安全にかつ安価な投資で解消する1つの解答としてご提供することで、クラウドサービスの利用に対する理解を深めていただき、現場が抱えるさまざまな問題の発掘につながることを期待しています。」──とコメントいただいています。

(参考)AWSを採用したシステム構成図

今回は、AWSをシステム基盤として採用し、実証実験におけるアプリケーションを構築していただきました(『令和3 年度 藤枝市オープンイノベーション推進事業 ごみの戸別回収を対象とした回収ルート最適化 実証実験報告書』より)。

SBSは静岡県内2社目のPSPに。
「AWS 公共部門パートナー(PSP)」プログラムの概要

本日のブログでは最後に、PSPプログラムの紹介を添えたいと思います。AWS 公共部門パートナー(PSP) プログラムでは、世界中の政府機関、宇宙分野、教育機関、非営利団体のお客様の課題解決を願う、クラウドベースのソリューションと経験を持つ AWS パートナー各社を認定・支援するためのプログラムです。このプログラムに参加いただくことにより、AWS 公共部門の販売・マーケティング・ファンディング・公共調達制度への理解醸成支援・提案作成などの各ステップを担当するファンクショナルチームと連携して、公共部門でのビジネスの成長をAWSのリソースを活用しつつ、コラボレーションを行うことが目指されています。

プログラム紹介のHPでも主なメリットとして紹介されてるところ、「お客様からの認知度向上」を加速し、「販売促進のためのサポートを獲得」し、「AWS 公共部門に固有の資金ベネフィットを提供する対象」として認定され、「公共部門に向けた固有のプログラム」へのアクセスを得ることができます。参加いただくための必要な手順・ステップも、「AWS パートナーセントラルアカウントを作成することで、AWS パートナーネットワーク (APN) に無料で参加できます」──など、4段階に分けて必要な手順を具体的に解説しています。

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このブログは、アマゾンウェブサービスジャパン合同会社 パブリックセクター 統括本部長補佐(公共調達渉外担当)の小木郁夫が執筆しました。

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小木 郁夫
AWS ジャパン パブリックセクター
統括本部長 補佐(公共調達渉外)
BD Capture Manager
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#AWSCultureChamp (2021年7月~2022年6月)