Amazon Web Services ブログ

お誕生日おめでとう!AWS Fargate 5 周年

この記事は Happy 5th birthday, AWS Fargate! (記事公開日: 2022 年 11 月 29 日) の翻訳記事です。

AWS Fargate はわずか 5 年で、基盤となるインフラストラクチャを管理せずにコンテナベースのアプリケーションを採用したいと考えているお客様にとっての、ミッションクリティカルなインフラストラクチャとして台頭してきました。すべてのコンテナが仮想マシンにラップされているという、独自のセキュリティモデルと組み合わせたサーバーレスコンピューティングを提供するその能力は、多くの組織から信頼を得ています。AWS Fargate は、強固な隔離を必要とする世界最大規模の金融サービス機関から、インフラストラクチャの管理よりもビジネスの構築に集中したいスタートアップ企業まで幅広く利用され、成功を収めてきました。

現在、AWS Fargate は Goldman SachsVanguard などの企業から信頼を得ており、単純なウェブサイトや一般的なバッチジョブから、自然言語処理モデルのトレーニング高性能財務モデリングの処理農地のドローン画像の分析大規模な保険金請求管理の強化など、より高度なワークロードまで、幅広いワークロードを実行しています。Amazon のチームは、サーバーレスコンテナのメリットを活用するために、AWS Fargate を使用して自分たちのサービスやプロダクトを構築/再構築するケースが増えています。

Fargate の旅路

今日の AWS Fargate は一日にして成らず、地道な改善とマイルストーンの積み重ねによって築かれたものです。

2017 年 11月: re:Invent 2017 の Keynote のステージで、Andy Jassy が AWS Fargate を世界に発表し、その後 Werner Vogels と Abby Fuller による DeepDive紹介記事が掲載されています。

2019 年 1 月: AWS Fargate は、サービスコストに関するお客様からのフィードバックに応え、積極的にサービスコストを最大 50% 削減し、より多くのお客様に AWS Fargate をご利用いただけるようになりました。

2019 年 12 月: AWS Fargate は、コンテナオーケストレーターのサポートを拡大して Amazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS) を含めました。これにより、成長する Kubernetes エコシステムにサーバーレス Pod が導入され、中断に強いワークロード向けに AWS Fargate Spot が導入されました。また、新しい Savings Plans 向けのサービス (お客様が最大 72% 節約できる柔軟な価格モデル) も開始しました。

2020 年 12 月: AWS Batch を利用しているお客様は、サーバーレスコンテナの利便性と並列処理を組み合わせた AWS Fargate を使用することで、処理ジョブを完全にサーバーレスで実行できるようになりました

2021 年 2 月: デフォルトのサービスクォータが 1,000 タスクに引き上げられました。6 か月ほど前に引き上げられた 500 タスクの割り当ての 2 倍です。これはワークロードを大規模に実行するためのシームレスな体験への投資を AWS Fargate に対して継続してきた結果です。

2021 年秋: 2 つの新しいワークロードタイプが AWS Fargate に登場しました。.NET Framework アプリケーションの管理を容易にするための Windows コンテナの サポートと、最大 40% の価格性能向上を実現した Graviton2 のサポートです。

2022 年 4 月: アプリケーションのスケールアウト時のパフォーマンスが最大 16 倍に向上しました。AWS Fargate の機能強化により、お客様の設定を変更することなく、変動するキャパシティ需要により迅速に対応できるようになりました。

2022 年 9 月: AWS Fargate は利用可能なリソースサイズを 4 倍に増やし、最大 16 個の vCPU と 120 GB のメモリを搭載して、かつてないほど大きなワークロードに対応しました。

未来の展望

AWS Fargate はサービス開始当初からお客様の声に真摯に耳を傾け、エンドユーザーに価値をもたらす機能や性能を優先してきました。現在開発中のサービスへの投資分野をいくつか紹介します。

  • サポートするワークロードの種類を継続的に拡大: お客様からは「Fargate の運用体験は気に入っているが、ワークロード [X] にも使用したい」というコメントが定期的に寄せられています。Graphics Processing Unit (GPU) のサポートなど、より多くのワークロードの種類を特定し、増やしていくことが積極的に検討されています。
  • パフォーマンスと一貫性の向上: この 1 年間で、AWS Fargate は顧客のニーズに合わせてスケーリングする機能が大きく進歩しました。私たちは、オープンソースの SOCI プロジェクトなどのイノベーションを通じて、AWS Fargate を動かす基盤となるフリートの近代化と、コンテナの開始時間の短縮に引き続き投資していきます。
  • 可観測性、セキュリティ、ネットワーク機能の進化: eBPF による画期的な開発は、AWS Fargate をより広範なコンテナエコシステムに簡単に統合できるようにすると同時に、ネットワーク、セキュリティ、可観測性のユースケースに関して AWS Fargate をより柔軟にする機会を提供します。このような柔軟性により、Amazon Elastic Kubernetes Service (Amazon EKS) 環境での AWS Fargate とのサービスメッシュ (Istio など) の統合や、AWS Fargate インスタンス内で直接コンテナイメージを構築する機能への道が開かれます。

AWS Fargate の未来は明るいです。今後もサーバーレスコンテナのメリットに期待する組織へ価値を提供する方法を模索し続けます。GitHub で公開されている AWS コンテナサービスロードマップを通じて AWS Fargate サービスチームと直接連携し、今後の機能をキャッチアップし、共に AWS Fargate の未来に影響を与えていきましょう。

サーバーレスコンテナの始め方

チュートリアル、ドキュメント、および対話型の Amazon Elastic Containers Service (Amazon ECS) ワークショップにアクセスして、今すぐコンテナ化されたワークロードを AWS Fargate にデプロイしてみましょう。

2022 年 11 月 28 日から 12 月 2 日にラスベガスで開催される AWS re: Invent に参加される場合は、AWS Fargate のブースに立ち寄ってみてください!

翻訳はソリューションアーキテクトの加治が担当しました。原文はこちらです。