Amazon Web Services ブログ

公共分野のイノベーションに取り組む AWS Startup Ramp 1st Batch 参加企業のご紹介

アマゾン ウェブ サービス(AWS)は 2022年 2月、 行政、スマートシティ、シビックテック、ヘルスケア、サステナビリティ、宇宙などの公共分野において、課題解決に取り組むスタートアップを支援する新プログラム AWS Startup Ramp の日本での開始を発表しました。4月に締め切りました 1st Batch には、多くのスタートアップ企業にご応募いただき、ありがとうございました。

2022年 5月から開始するAWS Startup Ramp 1st Batch セッションでは、 公共部門のセキュリティ、AI/ML、アーキテクチャの基礎などの技術系セッションや、Amazon カルチャー、公共調達におけるクラウドサービスの導入提案など、さまざまなテーマでバーチャル形式のセッションを開催します。この 1st Batch セッションに参加し、公共分野の課題解決に取り組むスタートアップ企業の一部を以下にご紹介させていただきます。

※ロゴ、コメント掲載の許可をいただいているお客様のみご紹介させていただいております。

AmbiRise は、行政機関が提供する手続等のサービスを、ビジネスサイドからテクノロジーを活用することによりアップデートする、北海道・札幌のスタートアップ企業です。第一弾のサービスとして企業から行政への請求業務の効率化を実現する電子請求プラットフォーム「Haratte」を提供しています。

「Haratte は自治体との検証を実施し、サービスが本稼働・スケールするタイミングを迎えているところです。今回 AWS Startup Ramp に参加することで、AWS によるサービス提供を加速させることが可能になり、Haratte の導入を予定している行政機関に信頼性・可用性・機密性・拡張性などの点において安心を持って利用頂く環境を提供することができます。また、AWS の活用以外にも AWS Startup Ramp では技術支援やGo-To-Market支援などのサポートが受けられると聞いておりますので、これらの支援を受けながらビジネスのスケールを一層加速させて行く所存です」
(株式会社AmbiRise 代表取締役 CEO兼CTO 田中 寛純氏)

 

MIERUNE は「位置と情報」を活用するための GIS (地理情報システム) に関する最先端技術と豊富な経験をベースに、お客様のニーズをサポートするソリューションカンパニーです。2016 年の創業ながら中央省庁・地方自治体・国立研究機関・大手民間企業のお客様とともに様々なプロジェクトを達成してきました。AWS の安全で信頼性の高いスケーラブルなサービスと、最新鋭のオープンソース位置情報処理ライブラリ、そして近年活発化しつつあるオープンデータを組み合わせたプロジェクトでの開発実績をもとに、公共分野における課題解決や業務効率化も強力にサポートしています。また、ソーシャルイノベーションや公益性の観点から、可能な限り成果をオープンソース化などで地域社会やコミュニティに還元する活動も推進しています。

Amazon Location Service の登場によって、AWS 上への位置情報対応アプリケーションの導入障壁が劇的に取り払われています。このスムーズな連携は、公共分野において年々重要性が高まる災害リスクへの対応や既存インフラの維持管理課題、そしてスマートシティや DX・web3.0 へのキャッチアップといった課題にも大きく寄与するでしょう。しかし、スタートアップ企業としては『すぐ触れて見える』形でこれらに関わる新鮮な位置情報技術をお客様へお届けすることがリソース的に難しい状況がありました。AWS Startup Ramp の無料利用クレジットの活用により、高品質なデモンストレーション作成やPoC (概念実証) への素早い対応が可能になり、プロジェクトやシステムの円滑なスケールアップにも大きく貢献できると考えています。また、弊社は創業前から『コミュニティ』に大きく育てていただき、ともに成長してきた経緯があります。AWS Startup Ramp コミュニティに対しても位置情報とAWSに関する多くの知見やコネクションを共有することで、メンバーの皆様との相互成長にも大きく貢献したいと考えています」
(株式会社MIERUNE 取締役・CTO 桐本 靖規氏)

 

アイリス株式会社は、「みんなで共創できる、ひらかれた医療をつくる」をミッションに掲げ、深層学習(人工知能技術)の技術を活用し、医師のもつ匠の技をデジタル化する AI 医療機器を開発しています。第一弾として、専用カメラで撮影した咽頭(のど)の画像と診療情報を AI 解析し、インフルエンザ感染症に特徴的な所見等を検出することで同感染症の診断に用いる、インフルエンザ診断支援 AI 医療機器のリリースを予定しており、2021年6月に医療機器製造販売承認申請を行いました。

「このたび、AWS Startup Ramp に参加することを大変光栄に思います。弊社アイリスでは、深層学習の技術を活用し、医師のもつ匠の技をデジタル化する AI 医療機器を開発していますが、医療機器は高い品質が求められるため、深層学習エンジンが安定的に動く、堅牢なインフラ環境が不可欠だと考えています。また、匠の医師の技を AI で再現するためには、非常に複雑な深層学習ネットワークが必要であり、この重厚なモデルを動かすためには、豊富な GPU 環境が必要です。このような安定したインフラ環境を構築するためには、AWS のような豊富な計算資源を含むクラウドコンピューティングサービスが必須であり、このたびの AWS Startup Ramp 参加を皮切りに、AWS の専門チームのサポートを受けながら、堅牢なインフラアーキテクチャを構築し、医師の日常の診療において、弊社のAI医療機器が安定的に稼働できるよう、更なる品質の向上に努めてゆきたいと考えています」
(アイリス株式会社 取締役・CTO 福田 敦史氏)

 

sorano me は「わたしたちの日常を、宇宙ビジネスで豊かにする。」をビジョンに、大手衛星メーカやロケットメーカ経験者、大学教員、メディア業界経験者、コンサルティング会社出身者など、宇宙業界に限らず多彩なバックグラウンドを持ったメンバーが集まって創業したスタートアップ企業です。他分野でキャリアや経験を積んだメンバーが今までの経験で培った強みを活かしながら、様々な宇宙アセットを利用し、新しいビジネスの企画を生み続け、更には宇宙分野に携わる人口を増やしていきたいと考えています。

「sorano me では宇宙から得られるデータを利用することで、持続可能な森林マネジメントだけでなく環境クレジットとして森林に新たな価値を付与するプラットフォームを開発しています。AWS はこのようなテクノロジーの力で地球の隠れた可能性を価値に変換するためには欠かせないクラウドサービスです。またテクノロジーの社会実装は私たちだけでは困難ですが、AWS Startup Ramp を通し AWS のサポートを活かしてに取り組みを加速させることで日常をより豊かにすることを目指します」
(株式会社 sorano me CEO 城戸 彩乃氏)

 

これまでの AWS のスタートアップ支援

AWS はスタートアップが創業初期の段階からその成功にコミットし、サポートしてきた歴史があります。AWS を活用した革新的なソリューションで公共分野の課題解決に取り組むスタートアップを支援する AWS Startup Ramp は昨年、7月にインド、9月に東南アジア及び韓国で開始され、メンバー企業の公共部門向けソリューションの開発と事業の成長をサポートすることに注力しています。AWS は2013年より、スタートアップが迅速に AWS を使い始めるためのツールやリソースを提供する AWS Activate を提供しています。AWS Startup Ramp と Activate の両方に関心があり、公共分野担当からのサポートをご希望される場合は、Activate にお申込みの際に、対象顧客として「公共部門の組織」を選択することができます。AWS Startup Ramp を日本で始動することで、スタートアップや公共機関の熱意を持った方々が、公共分野の課題解決に取り組めるようになることを期待しています。

 

AWS Startup Ramp への参加お申込み

AWS Startup Ramp にご興味を持っていただいたスタートアップの方は、まず お申込みリクエストフォームにオンラインでご記入ください。フォームご記入後に表示される、「AWS Startup Ramp 申込書」(Word ファイル)を指定のアドレスにメールでご提出いただくことで、ご応募が完了します。AWS Startup Ramp プログラムでの活動にご興味のあるスタートアップは、通年でプログラムに応募することができます。皆さまのご参加をお待ちしております!

このブログは、アマゾンウェブサービスジャパン合同会社 パブリックセクター 事業開発マネージャー(Startup)である岩瀬 霞が執筆しました。