Amazon Web Services ブログ
Let’s Architect! アーキテクチャにおけるレジリエンシー
「レジリエンス」とは何か、なぜ重要なのか?というトピックについて、Let’s Architect! の 2022 年初頭版で話し合ったとき、AWS Well-Architected フレームワークを参照しました。このフレームワークでは、レジリエンスを「負荷や、偶然または意図的な攻撃、あるいはワークロードのある部分の障害などからストレスを受けたときに回復する能力」と定義しています。企業は、デジタルサービスの可用性とパフォーマンスに大きく依存しています。レジリエンスは、効率的に設計されたシステムにとって重要であることが明らかになっています。これが、AWS クラウドプラットフォームでホストされるワークロードの信頼性と可用性を確保する上でレジリエンスが基本的な役割である理由です。
この Let’s Architect! の新版では、継続的なサービスの提供と中断の回避に重点を置いて、回復力のあるアーキテクチャを構築するためのベストプラクティスをいくつか紹介します。レジリエントなアーキテクチャを構築するにあたっては、運用が中断されないようにすることが主な目的になります。
クラウドで効率的に設計するために、耐障害性のパターンとトレードオフを理解する
この AWS アーキテクチャブログ記事では、著者が 5 つのレジリエンスパターンを紹介しています。これらのパターンにはそれぞれ固有の長所とトレードオフがあるため、アーキテクトはアプリケーションとビジネスニーズの固有の要件に応じて、レジリエンス戦略を立てることができます。これらのパターンとその影響を理解することで、組織は高可用性と潜在的な障害からの効率的な復旧を実現する回復力のあるクラウドアーキテクチャを設計できます。
レジリエンスのパターンとトレードオフ
ジッターを伴うタイムアウト、リトライ、およびバックオフ
Marc Broker が、障害の必然性と、それに耐えるシステムを設計することの重要性について説明します。レジリエンスの構築に欠かせないツールとして、タイムアウト、リトライ、バックオフの 3 つを挙げています。これらの 3 つの手法を採用することで、障害が発生しても高い可用性を維持できる堅牢なシステムを構築できます。タイムアウト、バックオフ、ジッターは、クライアントからのトラフィックを分散させ、システムに過負荷をかけないようにするための基本です。レジリエンスの構築は、絶え間なく変化しダイナミックな技術環境の中で AWS サービスの信頼性とパフォーマンスを確保するための基本的な側面です。
Amazon Builders’ Library を参照する!
AWS Builders’ Library は Amazon の技術者による技術情報のコレクションです
AWS Resilience Hub でアプリケーションを準備し、中断からアプリケーションを保護する
AWS Resilience Hub は、潜在的なダウンタイムのリスクから企業を保護するだけでなく、顧客やユーザーへのサービス提供が中断されることのないように、アプリケーションの強固な基盤を構築するのにも役立ちます。
AWS Resilience Hub のプリンシパルプロダクトマネージャーが率いるこの AWS オンライン技術解説では、ミッションクリティカルなアプリケーションをダウンタイムリスクから保護するためのレジリエンスハブの重要性が強調されています。AWS Resilience Hub は、アプリケーションのレジリエンスを定義、検証、追跡するための一元化されたプラットフォームとして紹介されています。解説には、ソフトウェア、インフラストラクチャ、または運用上の問題による混乱を回避するための戦略が含まれています。さらに、これらの手法を効果的に適用する方法を示すデモもあります。
セッションで説明したサービスをさらに深く掘り下げてみたい場合、AWS Resilience Hub はレジリエントなアーキテクチャを監視および実装するための貴重なリソースです。
AWS Resilience Hub の推奨事項
AWS によるデータレジリエンシー設計パターン
この re:Invent 2022 セッションでは、データレジリエンシーが顧客にとって重要な理由、また、それをアプリケーションアーキテクチャに組み込む方法について詳しく説明しています。このセッションは、データレジリエンシーの包括的な概要から始まり、そのコアコンポーネントを詳しく説明し、現代のアプリケーション開発におけるその重要な役割を説明します。次に、アプリケーションデータの耐障害性と保護設計に加え、AWS ストレージのネイティブなデータ回復機能から、AWS Elastic Disaster Recovery を使用する DR ソリューションまで幅広く解説しています。
リージョン間の非同期レプリケーション
また次回!
アーキテクチャのレジリエンスに関するディスカッションにご参加いただきありがとうございます。次回は AWS のセキュリティについてお話しします。
このシリーズのすべてのブログを検索するには、AWS アーキテクチャブログの Let’s Architect! コンテンツリストにアクセスしてください。
翻訳はソリューションアーキテクトの松本が担当しました。原文はこちらです。