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LiveOps Cloud – AWS を使用した数十億ドル規模のコールセンター市場の開発

LiveOps Cloud は広大な未開発市場を開こうとしています。LiveOps Cloud は、コンタクトセンター業界におけるソリューションプロバイダとして長年サービスを提供してきました。最近では、完全に AWS を使用して構築され、運用されている、CxEngage という新しい Contact Center-as-a-service プラットフォームを立ち上げました。LiveOps Cloud のエンジニアリング CTO 兼 SVP、Jeff Thompson 氏にこのすばらしい最新のサービスを開始するに至った経緯について尋ねてみました。

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LiveOps Cloud は創立 16 年の企業です。当社は LiveOps Inc から生まれた新しい企業で、母体会社のコンタクトセンターソリューション提供における長い歴史を、クラウドの利便性、パフォーマンス、低コストが重視される新しい時代へと引き継いでいくことが我々のミッションです。

コンタクトセンタービジネスは広大で、世界中に少なく見積もっても 1,500 万人もの雇用を生み出す、数十億ドル規模からなる市場です。しかしながら、この業界はクラウドコンピューティングとしては後発で、クラウドインフラストラクチャとツールに関する技能を持つのは、コンタクトセンター就労人口のわずか 10% 程度です。特に銀行や小売業などの伝統的業種では、有効期限が近づいているオンプレミスのレガシーコールセンターシステムが多数存在しています。これらのシステムは、コスト削減、パフォーマンスの向上と高度化、新興市場への対応といった、企業が抱える現在の市場ニーズを満たすには不適当です。

クラウドベークオフ
当社では、100% クラウドで稼働する contact center-as-a-service (CCaaS) を作成を計画していました。システムは常時稼働し、安全で、マルチテナントで、すぐにスケーリングできるプラットフォームなので、いつでもどこでもお客様に特化したサービスを提供できます。当社の CCaaS はまさに “ホッケースティック” のような高成長パターンを遂げることを期待しています。それを実現するために、どんなプラットフォームが最も効果的かを注意深く考慮する必要がありました。

ベークオフ前に、いくつかの代替案を探しました。Azure、Rackspace、Google、および AWS はクラウド内のプロバイダミックスに入っており、コロケーション設備の使用を考えました。しかし、最後にあげたサービスこそ、まず向かうべきところでした。コロケーション外で運用するプラットフォームでは、新しいプラットフォームに組み込む必要のある、冗長化とスケーラビリティを実現できないことを経験を通して知っていました。当社は Microsoft 販売店ではなく、プラットフォームの作成に Windows 以外の多くのツールと Linux を多く使用するため、Azure は除外しました。Rackspace の IaaS は良かったものの、当社のビジネス目標にはグローバル性が不十分でした。さらに、プラットフォームを構築するために必要な、幅広いアプリケーションがなかったので、Google も除外しました。

明白な勝者
明白な勝者は AWS でした。AWS では、当社が求めていた特徴とメリットがすべて提供されていました。AWS には、驚くほど充実したサービスカタログがあり、競合クラウドプロバイダが追いつけないペースで新規サービスをリリースしています。現時点ですべてのサービスが必要なわけではありませんが、これらのサービスが存在し、AWS は革新的で、常にサービスが追加されていることを知っているので、真の安心感があります。将来、新たなニーズが発生したり、機能がリクエストされたりした場合、AWS には、それを満たすために必要なサービスが備わっています。当社が使用している AWS のサービスには、このプラットフォームに欠かせない 2 つの強力なデータサービスである Amazon RedshiftAmazon Kinesis、およびエージェントツールバーへのメッセージングを行う Amazon Simple Queue Service (SQS) が含まれています。

CxEngage ビジネスモデルには不可欠な点ですが、AWS のグローバル性は非常に高いものです。北アメリカと西ヨーロッパ市場は重要な収益源となっています。また、中国、インド、およびアジアパシフィックリージョンといった新興コールセンター市場にも重要な商機があるとみています。AWS は世界中の 12 の地域で運用されています。つまり、新しいお客様と密接な連絡を保ってサービスを提供できるので、レイテンシーを減らし、パフォーマンス向上できます。当社のプラットフォームを利用しているお客様は、着電後のシステム内のタイムラグを望んでいません。特定の境界内でのデータ保持に関係した、所有権の問題の解決にも役立ちます。

AWS を使用する大きな利点は、柔軟性と財務パフォーマンスです。例えば、特定の Amazon EC2 インスタンスタイプを設計し、CxEngage プラットフォームの特定サービスのパフォーマンスニーズに合わせることができます。より多くの I/O が求められる場合もあれば、より大容量のメモリが求められる場合もありますが、正確なニーズを見極めることができ、オーバープロビジョニングを避けることで、パフォーマンスが最適化されるだけでなく、財務目標も達成できます。この点と、AWS の従量制料金モデルにより、AWS は当社の財務部で好評価を得ました。

シンプルで心配無用
AWS ではビジネスを構築しやすくなります。例えば、PCIHIPAA や、AWS GovCloud (US) に含まれるコンプライアンスや規制基準の組み込みサポートにより、潜在的な障害をすばやく解決し、新規の顧客および重要な顧客との契約の獲得をサポートします。これらの要件について考えることなく先へ進むことが可能です。

2014 年には、コールセンターのための次世代ソリューションの構築に乗り出しました。当社は AWS に賭けました。その 18 か月後に CxEngage を開始した時には、プラットフォームに関するすべての財務およびパフォーマンス予想は現実となりました。そして AWS の利用によって起こると予測したすべてのことが、その通りになったのです。すべてはシンプルで、心配の必要はありませんでした。AWS は当社のビジネスの基礎的な要素で、成長プランに不可欠なパートナーとなっています。

Jeff Thompson、LiveOps Cloud プラットフォーム CTO 兼 SVP