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新機能 – AWS Well-Architected Tool の SaaS レンズ

安全性、耐障害性、および効率性に優れた高パフォーマンスソリューションの AWS での構築を支援するため、AWS は 2015 年に AWS Well-Architected Framework一般公開しました。これは、1 部のホワイトペーパーとしてスタートしましたが、ドメイン固有のレンズ、ハンズオンラボ、およびワークロードを定期的に評価し、高リスク問題を識別して、改善点を記録するメカニズムを提供する AWS Well-Architected Tool (AWS マネジメントコンソールから無料でご利用いただけます) に拡大されました。

ワークロード固有のアドバイスをより多く提供するため、2017 年には「レンズ」の概念でフレームワークを拡張し、一般的な見解の枠を超えて、特定のテクノロジー分野に参入しました。現在、Software-as-a-Service (SaaS) ソリューションの構築を促進するために、AWS SaaS Factory チームが新しい AWS Well-Architected SaaS レンズ を構築する取り組みを先導しています。

SaaS は、ソフトウェアがプロバイダーによって一元的に管理およびホストされ、サブスクリプションベースで顧客に提供されるライセンス供与/デリバリーモデルです。このモデルの使用により、ソフトウェアプロバイダーは迅速に革新し、コストを最適化して、運用効率性を向上させることができます。それと同時に、顧客側もシンプル化された IT 管理、スピード、および使用分の料金だけを支払うというビジネスモデルのメリットを活かすことができます。

Well-Architected SaaS レンズは、SaaS ワークロード向けにカスタマイズされ、SaaS ワークロードの開発と運用に対するクリティカルシンキングを促進することを目的とした質問をツールに追加します。各質問にはベストプラクティスのリストがあり、各ベストプラクティスにはそれらを実施するために役立つ改善計画のリストがあります。何千人ものソフトウェアデベロッパーや AWS パートナーと連携してきた AWS SaaS Factory Program の AWS ソリューションアーキテクチャは、これらの Well-Architected パターンを AWS で SaaS アーキテクチャを構築して運用するための重要な要素として認識しています。

Well-Architected Tool での SaaS レンズの使用
まず、Well-Architected Tool コンソールでワークロードを定義することから始めます。今日は、SaaS アプリケーションの運用前環境をレビューしようと思います。これは、私が構築したいものの実用最小限の製品 (MVP) バージョンで、使用可能にし、最初のフィードバックを得るために十分な機能しかありません。

これで、適用するレンズを選択できます。これには、デフォルトで AWS Well-Architected Framework が表示されているので、SaaS レンズを選択します。選択すると、フレームワークのベストプラクティスに従って SaaS ワークロードをデザイン、デプロイ、および設計する方法を理解するために役立つ一連の質問が追加されます。ツールでは、たとえばこちらで説明されているサーバーレスレンズといった他のレンズも使用できます。

では、レビューを開始します。SaaS レンズにある質問の多くは、マルチテナントアプリケーションの管理方法に焦点を当てたものです。これは、運用上の優秀性の柱に関する最初の質問です。ここでは、私の回答をより良く説明するためのメモを追加したり、改善したい事柄をメモすることもできます。

SaaS アプリケーションの改善を開始するために、すべての質問に答える必要はありません。たとえば、これは前の質問に対する回答に基づいた改善計画です。ここにある各項目をクリックすると、それを AWS で実施する方法の詳細情報を見ることができます。

信頼性の柱に移動しましょう。この柱では、SaaS アプリケーションの個々のテナントをそれら独自の「サンドボックス」環境に分離するために使用したテクニックのおかげで、前より自信があります。

期待したとおり、今回はリスクが検出されませんでした!

ワークロードに対する SaaS レンズのレビューを完了すると、検出されたリスクの概要が表示されます。ここでは、ステータスを比較し、改善状況を評価するために後ほど使用できるマイルストーンを保存することもできます。

そのすぐ下には、次に焦点を当てるべき事柄に関する提案が表示されます。これも、クリックしてリスクを軽減する方法に関する詳しい提案を見ることができます。

IT サービスではよくあることですが、これも反復的なプロセスです。AWS Well-Architected Tool はリスクの数値化に役立ち、SaaS アプリケーションを継続的に改善していくために従うべき進路を提示してくれます。

今すぐご利用いただけます
SaaS レンズは、AWS Well-Architected Tool が提供されているすべてのリージョン (AWS リージョン別のサービスリストに掲載されています) で今すぐご利用いただけます。これは、既存のワークロードに適用することも、ツールで定義した新しいワークロードに使用することも可能です。

AWS Well-Architected Tool は無料でご利用いただけ、作業中のアプリケーションの改善や、担当している部門や分野で使用される複数のワークロードに対する可視性を得るために使用できます。

新しい SaaS レンズの詳細を学んで、AWS Well-Architected Tool の使用を今すぐ開始しましょう!

Danilo