Amazon Web Services ブログ
パーソナライゼーション: より深い洞察を得て売上を伸ばすために
誰も COVID-19 のパンデミックを予測できませんでした。ステイホーム(外出禁止令)やソーシャルディスタンスにより、人々は以前ほど頻繁には小売店に行かなくなりました。代わりにオンラインでの購入が増え、消費者はじっくり考えて吟味してから購入するようになりました。通常、小売店で購入する場合でも、オンラインで購入する場合でも、消費者は訪問ごとにより多くの商品を購入します。多くの点で、実店舗からオンラインへのシフトは、パンデミックのずっと前から続いていた傾向でもあります。
パンデミック以降、ショッピングのトレンドは変化し続けていますが確かなことが 1 つあります。それは、ブランドの当たり障りのない一般的なメッセージではもはや消費者の共感を得られない、ということです。小売ブランドがカスタマージャーニーにおける障壁を打ち破り、ブランドの認知度と忠誠心に影響を与え、売上へと繋げるためにはパーソナライゼーションが不可欠です。ブランドには、カスタマージャーニーのあらゆる段階で、すべてのチャネルにまたがってパーソナライズされた一貫性のある顧客体験が求められています。
かつて、そして今
ソーシャルメディアやインターネットの登場以前、ブランドが消費者とコミュニケーションする手段は固定的かつ受動的な方法が主でした。コマーシャルや印刷広告を介して消費者に売り込みを行っていました。このような従来型のマーケティング戦術は依然として利用されていますが、成功している小売業者ほど消費者とよりパーソナライズなつながりを築き、顧客を記憶し、製品の購入とほしいものリストをトラッキングし、顧客の考えや要望を予測する、といったデータ駆動形アプローチに取り組んでいます。
パーソナライゼーションへの道
消費者とつながるのに昔ながらのマーケティング手法では足りなくなったように、小売業者は人口動態統計だけに頼ることはできません。ビジネスに提供される情報に基づいて各顧客に固有の体験に深く関わるコネクションを提供するために、小売業者は Amazon Personalize のようなパーソナライズされた顧客コマース機能を必要としています。ブランド小売業者は、エコシステム全体をシームレスなジャーニーへと変え、ロケーションから購入履歴、時間帯の嗜好に至るまで、意味のある顧客体験をキュレートするようにコンテンツを設計する必要があります。
Amazon.com: パーソナライゼーションのパイオニア
Amazon.com は、1998年に書籍購入者によりよいサービスを提供するために一連の機能を導入したときから、膨大なカタログの中から簡易なレコメンデーションを行うといったパーソナライゼーションを進めてきました。それ以来、Amazon はパーソナライゼーションに関する数十年の研究を活用し、Amazon.com、Prime Video、Amazon Music、Kindle、Alexa など全体で、レコメンデーションアイテムやコンテンツのウィジェットを通じて顧客体験を向上させてきました。 AWS のお客様は、この数十年の経験を活用いただくことができます。開発者は Amazon.com で使用されている機械学習技術を使用してアプリケーションを構築し、リアルタイムにパーソナライズされたレコメンデーションを提供できるのです。
セルフケアとウェルネスに焦点を当てると、消費者は共感と理解を訴えかけて来るようなブランドを求める傾向があります。社会的責任と信憑性は効果的なブランディングを形成する上で不可欠であるという根拠もあります。Toms Shoes や Bombas がよい例です。パンデミックをきっかけに、消費者はどこでお金を使うかを慎重に考えるようになりました。これは今後さらに重視されるようになるでしょう。 Amazon Personalize は、お客様に合わせた購買体験を提供し、顧客とのより深いつながりを築くのに役立っています。
Mecca Cosmetics
Mecca Cosmetics 社は、Amazon Personalize を早い段階で導入したオーストラリア企業であり、Personalize 機械学習アルゴリズムを活用して、キュレーションされたメールコンテンツを 200 万人以上の顧客に提供しています。 Mecca 社の CRM および Loyalty の責任者である Lauren Shepard 氏とそのチームは、AWSと 緊密に連携して顧客データを再構築およびマイニングし、ライフステージ、カスタマージャーニー、購入履歴に基づいて顧客に関連する製品をレコメンデーションする予測モデルを作成しました。Shepard 氏によると、「メールにパーソナライズされたレコメンデーションを含めることで、メール全体のエンゲージメントが上がりました。最も重要なことは、実際に平均注文額が 50% 以上増加したことです。」
新たなフロンティア
ビジネスルールから、自動化されインテリジェントな機械学習モデルにテクノロジーが進歩するにつれて、私たちはキュレーションされた製品コンテンツメッセージングの次のフロンティアに突入しています。 Amazon Personalize を使用すると、消費者の行動にリアルタイムかつ動的に反応し、カスタマージャーニーに沿ってパーソナライズされた顧客体験を提供し、売り上げを伸ばすことができます。パンデミックのために必然的に、世界は非常に迅速に新しい働き方、買い物、そして生活の仕方へと転換しています。小売業においても、大胆かつ決定的な考え方が、成長の新たな機会をもたらしています。小売業のリーダーは、新しいビジネスモデルをサポートする革新的なソリューションを探しています。小売業界の深い専門知識と経験を持つエキスパートパートナーであるAWSが、新しいフロンティアへの道案内をお手伝いします。今すぐAWSアカウントチームにお問い合わせください。
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著者について
Scott Phillips
スコット・フィリップスは AWS 小売業界の営業戦略をワールドワイドにリードしています。彼は、小売企業が AWS テクノロジーを活用してビジネスを成長させるお手伝いをしています。 AWS 入社以前も小売販売テクノロジーに20年以上携わっており、Car360、Box、IBM、Georgia-Pacific など大小の企業でリーダーシップを担当していました。
翻訳は Solutions Architect 杉中が担当しました。原文はこちらです。